ローコスト建売住宅のメリットは以下の3点
1.価格が安い
2.手続きが楽
3.すぐに入居できる
最大のメリットは間違いなく価格です。同じ条件で注文住宅で建てた方が安いのならば、ほとんどの方がご自身のこだわりの注文住宅を建てると思います。
同じ家を建売で買えば、数百万円安く買えると聞き、魅力に感じて購入する方が多いようです。
残念なことに建売のデメリットは住んでからでないと気づかない例が圧倒的に多いです。無数にあるローコスト建売のデメリットを6つ紹介する。
断熱性能・気密性能が低い
これは結構致命傷です。これらの性能が低いと、まず光熱費が多くかかりますし、快適性が大きく低下します。冷暖房をがっつり使用する方なら、高性能住宅と比べて年間10万円程度差が出る可能性もあります。さらに断熱性能や気密性能が低いと、室内の湿気が壁内に浸透しかびが生えたりします。よくローコストの気密や断熱が不十分な家に行くと入った瞬間にカビ臭いと思うことがあります。大抵は、壁内にかびが生えており、家じゅうがカビの胞子で充満している危険な状況です。ひどい場合は、壁紙に黒い斑点がついていて、ぼろぼろになっている例もあります。子供のアレルギーや喘息の原因にもなりますし、将来大きな病気になる可能性もありますので非常に危険です。
施工不良の可能性が高い可能性がある
建売住宅の最大のメリットは安さです。安く販売するためには、原価を安くしないといけません。材料費を節約するだけでなく、建築費も節約する例が多いです。良くあるのが、地元の工務店等に安い委託費用で発注することです。住宅建設って手を抜けばいくらでも安くすることができます。委託費が安ければ受けた方もできるだけ経費を抑えないといけません。工期を短くしたり、大工の数を減らしたり、耐震性能や耐久性に大きく影響するが、法律で定められている最低限度のことしかしないようにして、できるだけ材料費を削ったりします。服などでもそうですが、見た目同じTシャツでも、安物と良い物は全く持ちが違います。安物は数か月でだめになるのに、良い物は何十年でも着ることができます。素材の違いもありますが、それ以上に製造側の力によるものが大きいです。新築時は同じに見えても、年数が経つと傾いたり、隙間が多いと壁内がかびたりします。
建売に施工不良が多い理由は諸説ありますが、私が思う一番の理由は、施主がいない時に建てることだと思います。注文住宅って、定期的に施主が見に来ますし、大工さんとしても誰かのために建てるとなると手を抜けない気持ちになると思います。住宅会社の営業担当者も施主とのやりとりの中で、ミスは許されなくなるので、建売以上に注意するはずです。逆に建売の場合、施主はいないですし、営業担当者も同じ分譲地内に多数の建売が建設する例が多いため、あまり確認に来ないはずです。そうなると大工さんも手を抜く可能性が高くなります。
設備や部材が安価もしくは設置されていない傾向がある
基本最安値の設備や部材が使われます。キッチンなど顕著ですが、安いグレードと高いグレードでは使っている素材や使い勝手が全く違うのですが、見た目は結構似ているため、騙されてしまいます。安いものは木製で高いものになるとステンレス等を使用するので、20年ほど使うと、安物はボロボロになるが、高いものは新品のような状態を保ちます。また大抵建売には食洗機がついていません。床材も最安値のものを使っているので、踏み心地が良くなく、傷がつきやすく、20年もすればぼろぼろになります。今は技術が進んでいるため、安物でも高級感がありますが、使っていくと、すぐに傷んでいくので、交換費用に何十万円もかかります。住んでいると分かりますが、日々床材が劣化していくのは本当にストレスです。
今の建売では、だいぶ改善されていますが、照明やカーテンレールが一切ついていない建売も多数あります。エアコンやカーテンなども入居時に購入する必要があるので、すべて合わせると100~200万円程度余分にかかる例も多いです。
収納なども少なく使い勝手が悪い
建売住宅は、最低限のものしかつけない傾向が強いので、収納も少なく、住み始めてから不便を感じることが多いです。しかも収納などが少ないと部屋が広く見える傾向があるため、より広さをアピールできます。良く営業の方が何もないですが、ご自身で好きな家具などを設置することができるので、良いと言われます。間違いではないですが、本音では経費削減のため、省いているのです。特にキッチンに設置するカップボードは後で購入すると50万円程度するので、高くつきます。
隣との距離が近いので窮屈な傾向がある
建売住宅は大きな土地を一括購入して、その時は分割して、それぞれに建売住宅を建築する例が多いです。販売側としては、できるだけ多くの土地に分割し、できるだけ多くの建売を建築したいと考えますので、1つの土地は小さくなります。さらに大きめの建売住宅を建築すると、隣とほぼひっつくくらいの距離で建築する例も多く、圧迫感がすごいです。ひどい例では、隣の家の庭が隣の部屋くらいに近い例もあり、互いに会うのが嫌なので、互いに庭を使わなくなる例が多いです。さらに窓を開けても、隣の窓がすぐにあるので、互いにカーテンを閉めあうことになります。生活音なども隣と近いとすぐに響くため、賃貸アパートのように気を遣う可能性があります。
将来的には、外壁の塗装などで足場を組む時に隣が近いと、工事が難しくなり、工事費が高くついたり、隣に了承を取り、隣の敷地に足場が侵入したりと互いに気を遣いあう生活になります。
買い時がめちゃくちゃ難しい
建売の最大の難点は買い時です。大きく3つに分かれます。建物完成前、建物完成後、売れ残り。
どうしてもほしい土地で、その建売しかない場合、売り逃したら二度と手に入りません。そうなると確実なのは、建物完成前に購入することです。誰よりも早く買えば、取られる心配はないです。しかも完成前なら場合によっては壁紙なども自由に変更することができます。もちろん完成前の時点で購入すれば値引きは期待できないでしょうから定価で買うことになります。しかも完成前なので、完成後の建物はイメージするしかないです。
次に完成後に購入する場合ですが、販売側は売れ残りを避けるために、時間が経てば経つほど割引やサービスを充実させていきます。もちろんそれに比例して売れる確率も上がっていきます。この時点で買えば、完成前より値引きの可能性も高まりますし、建物を実際に見てから買うことができます。実際に建売はこの段階で売れる例が最も多いです。
最後は、残り1棟等になった売れ残りを購入する場合です。実はこれが最もお得に建売を購入する方法なのですが、狙ってできるものではないです。正直運です。誰も買わずに何か月も、場合によっては1年近く待たなければなりません。実際、その間に売れる可能性も十分に高いです。売れ残る可能性に賭けて、売れ残れば破格で買えるというわけです。
では、どの段階で買うべきなのか。どうしても欲しいというのならば、できるだけ早い段階で買う方が良いです。しかし高くつきます。とにかく安く買いたいというのでしたら、残り1棟の売れ残りになるまで待つべきです。ここに正解はありません。但し、早く買った人は、もう1棟が売れ残って、場合によっては、1000万円近く値下げしていても耐えなければなりません。逆に売れ残りを期待している人は、人気ですべて売り切れてしまい、手に入らなくなる事実を受け入れなければなりません。両方の悪い例を考えてどうするか考えるべきです。私のお勧めは残り2棟になった時に交渉して購入する方法です。すべて売り切れるリスクを回避しつつ、結構安く買えるからです。
購入を急いでいない方は、最後の一棟が売れ残って、しばらく値下げが続いた後を狙うのもおすすめです。
すべての物事に言えることですが、絶対の正解はないです。値下げを粘って手に入らなければ、もっと早く多少高くても買っておけばよかったと後悔するし、早く買って、購入後、売れ残りが暴落していれば、もっと待っておけばよかったと後悔しますし、何が正解か分かりません。なので、ほしい時が買い時という言葉があるのだと痛感します。
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