長く快適に住める家を最も安くお得に購入する方法

住宅購入はほとんどの方にとって人生の最も大きな買い物になります。

人間って不思議なもので、普段慣れている少額の買い物ならば、冷静に判断でき失敗しないものですが、住宅のように今まで買ったことのない超高額な買い物になると冷静に判断できなくなります。そして営業担当者などの勧められるままに契約してしまう例が本当に多いです。

購入に失敗すれば生涯何千万円の違いが生じたり、不便な思いや後悔の連続になってしまいます。

私の長年の経験や様々な情報から至った結論は、最も長く快適に住める家を最も安くお得に買う方法は以下のいずれかという結論になりました。

1.大幅値下げした新築建売住宅を買う

2.相場より安い築浅中古住宅を買う

共通点は、どちらも相場を度外視して売り出されていること、最新性能の住宅なので、ある程度の耐震性能や気密性能、断熱性能を期待できることです。

もちろんですが、価格だけで見れば、築古の中古住宅が最も安く感じると思いますが、大きなデメリットが4つもあります。

1.耐用年数が短いため、生涯のうちで住み替えが必要となる可能性が極めて高い。

2.断熱性能が悪いため、快適な生活ができない、もしくはできても光熱費が異常に高い。

3.家じゅうが傷んでいるため、メンテ費用がかかる。

4.耐震性能が低く、地震で倒壊するリスクがある。

解消するために、リフォームしたり、リフォーム済みの物件を買う方もおられますが、築浅中古住宅と同じくらいの価格になることも多く、さらに耐震性能や断熱性能は昔のままとなるので正直コスパは良くないです。もし、築古住宅買って、耐震改修や断熱改修をしようと思ったら、俗に言うスケルトンのリノベを行い、柱や梁以外をほぼすべて取り除くことになるので、場合によっては新築以上にお金がかかります。

唯一スケルトンリノベのコスパが良いのは、市街化調整区域にある中古住宅を破格で購入した場合のみです。

市街化調整区域の建物は建て替えができない例が多いため、既存の住宅をリノベして住み続けることになります。結果的に土地代がほぼタダで手に入る可能性があるため、リノベが新築並みにかかっても、お得になります(玄人技なので、よくわからずに手を出さないことが賢明です)。

さて、では新築建売と築浅中古のどちらが良いのか。

まず両者のメリット・デメリットを見てみましょう。

新築建売のメリット

・最新設備である

・すべて新品である

・瑕疵担保保険が10年ついてくる

・住宅ローン減税や補助金などがフルで使える

・すべて新品のため、当面故障などの心配もなくメンテ費用を抑えられる。

新築建売のデメリット

・家のグレードが低い

・設備が安物

・カーテンレールや照明、エアコンなどの設備がついていない例が多い

・狭い可能性が高い

築浅中古住宅のメリット

・狙えば高性能住宅を割安に買える

・エアコンなどの生活に必要な設備が備わっている。場合によってはソファーやテーブル、テレビなども一緒についてくる

・大手ハウスメーカーの築浅ならば最長60年保証などを引き継ぐことができる

・例え中古でも数年使用した高性能な設備が備わっている

・建売より広い傾向がある

築浅中古住宅のデメリット

・以前に誰かが住んでいたことによる気持ちの問題

・家自体の年数経過や使用による劣化

・新築のみ対象の補助金や減税制度が受けられない

・外壁などのメンテが早期に必要になる可能性あり

実際に両者の実例を見てみましょう。

以下情報は私が同一エリアで比較検討した物件になります。

新築建売:2023年8月建築 大手パワービルダーローコスト住宅

     土地面積:158平米 想定金額1000万円

     建物面積:98平米  想定金額1180万円

この物件は1年近く売れ残っており、当初売出が2980万円のところ最終的には2180万円まで値下げして売れました。建物価格を見ても分かると思いますが破格です。

もちろんですが、住宅性能や設備は最小限です。食洗機やカップボードなどはついていないですし、床材も最安値、キッチンなどの水回り設備も最も安いグレードです。窓もアルミ樹脂複合のペアガラス、断熱性能はゼッチなのでUa値0.6程度です。

築浅中古:2012年4月建築(築13年) 大手ハウスメーカー施工の高性能住宅

     土地面積:160平米 想定金額1000万円

     建物面積:115平米  想定金額1080万円

こちらの物件は、売主が転勤のため急いで手放さなければならないため、相場より少し安めで売りに出されています。販売価格は2080万円です。

10年以上前の物件になりますが、住宅性能は、現在の高性能住宅と比べても遜色ないです。断熱性能は断熱等級6相当のUa値0.46程度、床はひのきの無垢床、キッチンなどの設備もすべて上位グレードが選ばれています。家自体も広く、窓もペアの樹脂サッシです。新築の購入時の価格が3800万円程度ということなので、建物価格だけで見れば、2800万円の建物が13年で1080万円と1700万円程度も値下げしたことになります。

あなたならどっちが魅力的に思えますか。

どちらが正しいか正解はないのですが、私なら築浅中古住宅を狙います。大きな理由としては建物の耐用年数です。大手ハウスメーカーの住宅は、通常メンテで60年以上はほぼ確実に暮らせます。対して建売は、全体的に耐久性の低いもので建築しているので、30年を過ぎたところから不具合が多発します。

あとは、床材や設備などのグレードが高いと長く使っていても劣化や故障が少ないのですが、安物の床材は、劣化が早く20年もすれば、表面がボロボロになります。対して無垢材は、傷んでも表面を削れば新品になるので半永久的に使えます。張り替えに合計100万円近くかかることもあるためコスパが悪いです。水回り設備も交換となれば全部で200~300万円程度はかかりますし、新築時の対策の違いで将来の雨漏りリスクやシロアリのリスクも変わってきます。

とは言っても、大手ハウスメーカーの割高新築を買うことに比べれば、断トツでたたき売りされている新築建売はお得です。それ以上にお得な築浅中古が存在するというだけです。

日本では、中古住宅の価値が著しく低く査定されています。つまり、新築時は高級な高性能住宅でもローコスト住宅でも、築年数を基準に査定されるので、良い物件ほど割安になる傾向があります。

例えば土地値を除いて、ローコストの1500万円の建物と高性能な4000万円の新築があった場合、10年後は、ローコストが800万円に、高性能住宅が1800万円程度になるようなものです。

新築時は2500万円もあった価格差が10年後には1000万円程度の価格差になってしまうのです。つまり、10年間で高性能住宅は1500万円も余分に価格が落ちるということです。お得感で見れば、築10年程度の築浅高性能住宅を購入するのが最もお得だということになります。

次に破格の建売住宅を購入することになります。1500万円のローコストも売れ残れば1200万円程度まで下がるかもしれません。これも非常にお得な買い物になるはずです。

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