内窓をつけると夏暑くなり光熱費が上がる場合もある

夏における内窓の目的は大きく2つになります。

1.暑い外気の熱と日射の侵入を防ぐ

2.室内の冷房した冷気を保つ

両者とも既存の窓の性能が低ければ低いほど、設置する内窓の性能が高ければ高いほど効果が期待できます。ざっくり分かりやすく数値化すると、既存の窓がアルミの単板ガラスだった場合、高性能の樹脂LOWEペアガラス(アルゴンガス入)を内窓として設置すると性能は3~4倍になります。体感として分かると思います。

夏場の昼に冷房してる時は、内窓は最大限に効力を発揮します。

例えば日射がガンガン窓に照り付けて、外気温は36度、室温は26度の場合ですと、まず、内窓が日射を40%程度防いでくれ、外気の熱の侵入を防ぎ、室内の冷房した冷気の流出を防いでくれます。つまり、室内を涼しく保ってくれ、エアコンも無理せず運転できるので、冷房費も下げることができるというわけです。

ではどのような時に内窓設置が裏目に出るのでしょうか。

1.外が涼しい夜間

5月や9月などに多いですが、日中は30度を超えるような日でも夜間は20度を下回る時があります。この時は、日中に室温が上がっており、内窓がなければ、夜間に室内の熱が外に逃げるのですが、内窓が室内の熱を保つことで、涼しい夜間に室内が暑くなり冷房が必要になります。夜間は、音が響くこと、虫が入ってくることもあり、容易に窓を開けられず、仕方なく冷房することになり、光熱費が高くつきます。

2.よく晴れた春や秋

春や秋は本来冷房が必要ない心地よい季節です。外気温が低いため、内窓がなければ、外気温の影響を受け室温もある程度低くなります。例え晴れた日で日射があっても、日中少し室温が上昇しますが、窓の断熱性能が低ければ、自然と室内に溜まった熱は外に出ていきます。しかしながら、内窓がついていると、日射で暖められた室内の熱がいつまでも留まるため、冷房をつけなければ室温が下がらなくなります。

3.春~秋の季節で、人が集まったり、料理をするとき

これは如実に違いが出てきます。どちらも室内で多くの熱が発生する時です。人が集まるとそれだけで暑くなります。1人当たりから数百ワットの熱が出ていると言われており、数人集まれば、それだけで数度室温が上がることもあります。冬ならうれしいのですが、特に春や秋のように冷房をしていない季節だと大変です。内窓がなければ、発生した熱が窓から出ていくのですが、内窓のせいで、室内に保たれてしまいます。料理も同様で、特にガスを使用していると発生した熱の多くが室内にとどまり、どんどん暑くなるのです。場合によっては、涼しい季節でも冷房をつけることになり、冷房費が高くつきます。

内窓は一般的にはメリットが多く、真夏や真冬の冷暖房の季節には、非常に大きな効果を発揮します。しかしながら春や秋、夏でも夜間などの外気温が室温より下がっている時は、本来だったら室内にたまっている余分な熱が窓から出ていき、涼しくなるところを内窓が防いでしまうので、無駄に冷房を使って冷やす必要が出てきて、逆に光熱費が高くつきます。

もし、内窓をこれから設置しようと考えている方で、真夏や真冬に結構ケチって、冷暖房を最小限にしている方は内窓をつけた際に、真夏や真冬のそもそもの冷暖房費が少ないので、その少ない額をさらに減少させる効果より、春や秋に余分に冷房をつける費用のほうが高くつくか、同じくらいかかってしまい、内窓導入前後で光熱費に大きな変化が見られず満足度が低いことになる可能性もあります。

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