世の中に絶対ということはありませんが、高い確率で起こりえることでしたら予測可能です。今住宅を購入しようとしている方は急ぐ理由があればとめませんが、色々なデータを見る限り、東京、大阪等の都市部を除く地方については、今後ほぼ間違いなく不動産の値崩れが起きそうです。
まず今後の総人口の推移を見てみましょう。
見て明らかですが、2025年頃から急激に若年人口と生産年齢人口が減少します。住宅購入の需要は生産年齢人口の数で決まりますし、若年人口は将来の住宅購入見込み者です。逆に高齢人口が増えれば増えるほど将来的に空き家や空き地が増えていきます。実は2005年過ぎから団塊の世代が60代になり、急激に高齢人口が増えています。2025年頃から高齢人口は横ばいになっていますが、このころから生産年齢人口にいた人たちがどんどん高齢者になり、高齢者の中でもさらに高齢の方から亡くなっていく状況になります。
ここ10年でも死亡者数は急激に増えており、今後15年程度、2040年頃まで死亡者数の増加は続きます。
現在、高齢人口の増加とともに高齢者の単身世帯が増えています。ひと昔前は、3世代同居の家も多く、高齢者が亡くなっても、次の世代が同居していたため、空き家にならなかったですが、現在は、子供世代が都心などに住み、親世代が地方で一人暮らしをしている例が本当に多いです。地方に行けば分かりますが、大きな戸建てにおばあさんが一人で暮らしていることなど多々あります。今後、このような地方で単身で暮らす高齢者が亡くなれば、子供世代が、暮らしていた地方の家を相続することになりますが、基本誰も暮らすことはないと思いますので売りにでます。
ここで問題になるのが、生産人口も減っており、夫婦や夫婦と子供の世帯数も減っているので、需要がないということです。さらに、多くのマイホーム希望者は新築を求めています。地方の空き家は売却され解体され、更地になって買われていくことになりますが、明らかに供給過多で需要不足に陥ることは目に見えています。つまり、売れ残るということです。売れ残ると、相続人は土地を所有することになりますが、維持管理も必要になりますし、固定資産税もかかるので、安くても良いから早く処分したいと思います。そうなると値崩れを起こし、地方では土地値が暴落します。住宅価格については、木材などの材料費が高騰するので今より高くなる可能性があります。そうなると、多くの若者は、既存住宅を解体せず、リノベをして、できるだけ安く暮らす方向に進むと思います。どのみち、地方では家が余るので、価格は下がり、新築よりも中古が徐々に主流になると思います。
さらに今後地方のいたるところで、無居住地域というものが増えていきます。
無居住地域はもはやインフラなども機能しなくなるため、誰も利用しない土地になり、土地値は0になってしまいます。人は今まで以上に都心などに集中するようになり、地方では限界集落が多発します。今現在高いお金を払って土地から注文住宅を建てても、将来的にそのエリアが無居住地域になることも予想されます。せっかく住宅ローン払い終えても、価値のない資産だけ残るのは避けたいですよね。
では今後どうすれば良いのでしょうか。地方か都心部かで悩んでいる方がいれば、ほぼ間違いなく都心部に暮らし、そのエリアの土地を買っておけば、大幅な値崩れは防げるでしょう。地方で現在土地購入を考えている方がいれば、少し待つのが得策かもしれません。しかも新築は建築コストが年々上がっているため、将来売り出された中古住宅を安く買い、リノベをして暮らすのが賢い選択かもしれません。
人口推移を見てもらったら分かりますが、コロナ前の2010年代は、アベノミクスで日本経済が上がっていき、金利も過去最低水準を維持、生産人口も最高点を推移ていたことから、不動産購入においては最高の時期だったようです。さらに2008年のリーマンショックと2011年の東日本大震災で日本の地価も景気も下がったところから急速に回復していたので、多くの人がこぞって不動産購入に向かっていきました。太陽光や新築購入の補助金、住宅ローン減税の異常な優遇もプラスに寄与したと思います。
今後の日本は金利上昇、物価上昇に直面し、不動産需要が衰退し、地方では空き家激増で供給超過、つまり価格が下がる要因ばかりです。
上記地図で緑色の部分は2050年に誰も住まなくなるエリアです。つまり白い部分のみに人が集中し、その他の緑色エリアは限界地、つまり居住できるような環境ではなくなるわけです。もちろんですが、人が暮らすにはインフラ設備が整っていることが必須です。病院や学校、スーパーなどもなくては生活できません。将来的に緑色になっていくエリアからは、このような施設も姿を消し、人がいなくなっていくため、今は価格がついて取引されている不動産もいつしかタダでもいらない負動産になるというわけです。このようなことはこれまでも起こってきておりました。20年前は坪単価50万円の土地が衰退して今は坪15万円になっているエリアも珍しくありません。
未来のことは誰にも分かりませんが、確率の話で言えば、これだけの条件が整っている中で、今後地方都市の多くの地価が上がっていくことは考えられませんので、ほぼ間違いないと思います。将来的に移民を受け入れて、外国人が暮らすため、人口が増え、地方の土地需要が増えるとの意見もありますが、移民を多く受け入れているアメリカの例を見ても、地方は壊滅的です。移民こそ優秀な方も多く、企業が集まるエリアに集中しますので、移民も日本人も都市部に集中し、むしろ都市部の地価高騰に寄与するはずです。
出所:https://www.soumu.go.jp/main_content/000273900.pdf
出所:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000155222.pdf
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