不動産においてお宝物件を手に入れることはできません!

不動産を探す方は2種類に分かれます。

1.マイホームを探している方

2.不動産投資用物件を探している方

1の場合、そもそもがお宝物件を探すメリットがありません。たまに、安さに惹かれ、マイホームを価格で選ばれる方がいますが、本当にやめた方が良いです。もちろんお得にマイホームを購入することは重要ですが、主目的は価格ではありません。つまり、他の重視すべき条件を満たした物件が、たまたま売れ残りの建売で値下げされている等の事情で安く買えたというのでしたら問題ないですが、価格重視で選ぶ時点でエリアが限定されたり、子供の校区が変わったり、使いにくい間取りになったりと、様々な他の要素を犠牲にする必要が出てきます。マイホームを短期間で転売し、引っ越しを転々とするなら別ですが、仕事を持って、子供を学校に通わせてと考えると大多数の方は、長く住むことを前提とするはずです。正直お宝物件というものはそもそも手に入らないですし、そこそこお宝に近い割安物件を手に入れたとしても数百万円の違いです。この数百万円のために他のことを犠牲にすると後々必ず後悔します。例え300万円安い物件を手に入れても30年で考えれば年間10万円の違いです。月に8000円程度安くするために校区を我慢したり、住みにくい家で暮らしたりするのはもったいないです。

2の場合は、基本価格が最優先されます。 

投資用物件の目的はただ1つ、儲かるか儲からないかです。但し、投資用物件としてみた場合、競争相手は個人ではなくほとんどの場合プロの業者になります。彼らは、潤沢なキャッシュフローと知識と経験と不動産業界のコネを持ち、日々良い物件を探しています。

正直、個人が不動産を探す場合、いかなる手段を使っても、ほぼ間違いなくお宝物件に巡り合うことはないです。

私は、不動産投資というのはほぼ完全なるゼロサムゲームだと考えています。

世の中の投資には、全体の利益が増えていくものと、利益が発生しないものがあります。

株式は、それ自体が利益を生み、大きくなるものなので、ゼロサムではないです。よって、株の場合、割高で買ってしまい、その後暴落しても、長期的に利益を上げる企業であれば、徐々に株価も上がっていき、買った時よりも値上げすることはあります。

但し、不動産は違います。基本不動産自体が利益を上げて、成長していくものではありません。もちろん人気エリアで需要が増え、値上げすることもありますが、基本相場より高く買えば、損する市場です。

では、お宝物件というのは、どのような経緯で市場に出てくるのでしょうか。

最も多い例では、個人が何らかの理由で、急いで物件を手放したい時、ローンが払えなく自己破産する場合や任意売却する場合です。これらの事情の時、売り手はもはや利益を求めておりません。いち早く現金化することが目的です。つまり相場よりも安く売りだし、1秒でも早く手放すことになるのです。

買い手からすれば、相場より安い物件は完全にお宝物件です。

例えば、いつも築10年の中古住宅が2500万円で売買されているエリアで同じような大きさの築10年の物件が2000万円で販売されていたらどうしますか。

もちろん目に見えない欠陥等があるかもしれないですが、同じ条件で500万円安くうりだされているなら間違いなく買いだと思います。そもそも自分が住まなくても、まず2000万円で買って、2500万円で売れば利益になるので、不動産業者も買取再販業者もほしいはずです。

もちろんですが、このようなお宝物件がsuumo等のポータルサイトに掲載されることは絶対ありません。そもそも広告出さなくても、秒で売れますので、売り出される前に関係者に話が行き、秒で決まります。

このようなお宝物件は完全な利益源なので、業者は有効に使います。言い方悪いですが、不動産業者にとって個人のお客は、利益を与える側ではなく、利益を奪う側です。もちろん不動産業者は仲介手数料を稼ぐビジネスモデルでもあるので、物件自体で利益を出さなくてもいいのですが、良い物件が出た時、不動産屋は2つの選択肢を選びます。

1.自社で購入する

2.懇意にしている買取再販業者や他の住宅会社やベテラン大家に売る

私の感覚では、相当お得な物件の場合は、自社購入を選択し、そこそこお得な場合は、2を選択するイメージです。

まず不動産会社はあくまで仲介をメインとする会社のため、不動産を所有することを望んでおりません。不動産を所有すれば管理やリフォームなど多岐にわたる業務が発生し、本業が疎かになるからです。それよりも、多くの物件を仲介し、仲介手数料を多く取ることに注力したほうが結果的に利益が多く出ると考えます。本当にお得な物件の場合のみ、不動産屋自ら買取、そのまま再販するか、リフォーム済み再販するか、建物解体して更地販売するか、賃貸にして貸し出すかなどを検討するようです。

次に、他の住宅会社等に売る場合ですが、まず最初売主と紹介した業者との間で両手仲介をするので、両者から仲介手数料をもらえます。そして、物件を手に入れた業者は、その物件をリフォームしてたっぷり利益をのせて再販します。その場合は、専属専任媒介などの形でその物件をsuumoなどに掲載して一般客に売ろうとします。ここでも売買が成立すれば、また業者と買主の両方から仲介手数料をもらえます。1つの物件で4回分の仲介手数料をもらえるので、かなりおいしいです。

ベテラン大家に売れば、大家がその後賃貸に出す時の仲介もできますし、管理料を毎月もらうこともできるので、お宝物件を懇意にしている業者等に売ることでたっぷりの利益を得ることができるのです。

基本私達一般客が目にする不動産は、このプロセスの中で、不動産屋も関連業者もほしくないと思った物件か、お宝物件にリフォームを加えて利益がたっぷり乗った割高物件のどちらかになります。

もし本当にお宝物件を手に入れたいと思うのでしたら、知り合いから直接買うか、自分で希望エリアを歩いて、気になる空き家などを見つけたら法務局で登記簿を手に入れて、所有者に直接連絡を取り、個人間で買い取るしか方法がないです。

1つだけ言えることは不動産は高額な買い物で失敗すると人生を狂わす可能性もあるため、素人の一般客は、欲張ってお宝物件を探すのではなく、例え割高になっていようと、専門家が間に立って、しっかり仲介してくれることを優先して間違いない買い物をした方が良いように思えます。

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