一条工務店と言えば、高気密高断熱住宅。
その代表例が、i-smart(アイ・スマート)という商品です。アイ・スマートは一条工務店の主力商品であり、基本的な一条工務店の強みをすべて盛り込んだ商品と考えていただければと思います。
本記事では、一条工務店の代名詞であるアイ・スマートを徹底解説します。私の理解では、一条工務店の住宅のほぼすべてがアイ・スマートであり、原点であるため、アイ・スマートを基準に自分にあった商品を探すことができると考えております。
アイ・スマートの特徴
まずは写真をご覧ください。
出所:https://www.ichijo.co.jp/example/fudo/012/
一条工務店のイメージ=アイスマートの方が多いと思います。
他社と比べた特徴的な仕様は以下のとおりです。その他細かい仕様はありますが、多くの方が関心がある主要な仕様についてまとめました。
坪単価はおよそ100万円
多くの方が誤解している坪単価についてですが、ネット上では、建物代のみを計算した坪単価が散見します。チラシなどでもローコスト住宅が990万円~などと謳われていますが、実際にこの金額で家が建つことは絶対にありません。分かりやすく言えば、少し乱暴な線引きになりますが、建物代=部品代のようなものです。
家自体は建物代で手に入りますが、通常の物と異なり、様々な手続きが必要になります。
まずは、家自体を手に入れても、建設地に建物ごと持っていくわけにはいかないので、当然パーツごとに分解して、現地に納品する必要があります。そこでは、工事車両や大工をはじめとした専門スタッフが集まり、家を建築していくことになります。家は箱ものではなく、給排水、電気、ガスなどの配管工事も必要となりますし、登記などの法的な手続きも多数あります。工事自体が危険を伴う長期の作業になりますので、工事スタッフの簡易休憩所や簡易トイレの設置、近隣への安全配慮のためのゲージや必要に応じた警備員の配置など、諸費用がかかります。
さらに標準仕様では、含まれていないものが多数ありますので、一般的なモデルハウスのようにすれば、カップボードや太陽光、蓄電池なども追加で支払う必要があります。
会社が提示する建物代を坪数で割ったものが建物代の坪単価として定価のように計算できますが、実際の建築総額の坪単価はもっと高くなります。一条工務店で家を建てる方は大抵似たようなオプションをつけますので、施主の建築費支払総額を坪数で割った坪単価の平均を見れば、凡その金額が分かります。
それが坪100万円程度となります。30坪であれば、少なくとも3000万円程度はかかると思ってください。
断熱材の性能及び厚さが他社と段違い Ua値0.25
続いて断熱性能ですが、一条工務店の最も魅力的な点になります。
出所:https://www.ichijo.co.jp/technology/element/insulation/
見る人が見れば、この断熱性能の凄さが分かると思います。正直大手ハウスメーカーで一条工務店以上に断熱性能に優れている会社はないと言えるくらいの最高性能です。
一般的な建売ではグラスウールという断熱材が使われていますが、一条工務店は高性能ウレタンフォームを使用しています。
同じ断熱性能なら厚みは約半分で良いということになります。しかしながら一条工務店の壁、床、天井は、一般の建売の2倍の厚みの断熱材を充填しております。つまり壁の断熱性能は4倍となります。
上の図で見れば分かりますが、ウレタンフォームの4倍の厚みのグラスウールを壁に充填したら、室内が狭くなりすぎて住むことができないです。
出所:https://www.ichijo.co.jp/technology/element/urethane/
さらに高性能ウレタンフォームは、透湿性も低いのです。つまり湿気を通さないため、壁内結露によるカビの発生も抑制できますし、夏は外の湿気が入ってこないためさらさらで快適に、冬は室内の湿気が逃げないので、乾燥しないです。
トリプル樹脂サッシ+ハニカムシェードの性能
窓も最高性能の樹脂窓を採用しておりますので、一般の建売より断熱性能が格段に高いです。
しかもハニカムシェードという断熱性能に優れたシェードを併用することでさらに断熱性能を高めています。
このように断熱性能の高いシェードを併用することで窓周りが壁に近い断熱性能になります。
これらの断熱性能により一般的にアイ・スマートの断熱性能はUa値0.25程度になります。
Ua値とは、平均的に家から出ていく熱の量を示しておりますが、数値が小さければ小さいほど、熱の移動が少ない家となります。ちなみに建売は0.60程度なので、2倍以上熱の移動があるということです。
気密性能の高さ C値0.5程度
次に気密性能になります。
一般的な建売と比べると隙間が10分の1程度になっています。はがき1枚が1と考えると、建売ははがき5枚分の隙間が、一条工務店ならはがき0.6枚分の隙間になります。合わせるとはがき5枚分ってかなりの大きさになりますよね。断熱性能も重要ですが、同じかそれ以上に気密性能も重要です。特に気密性能は建物が完成した後に強化することが非常に難しいです。また目に見えない部分なので、実績のある会社で施工することが必須となります。
現場施工だとどうしても精度が落ちることは明らかです。工場で予め用意した部材を現場で施工した方が、大工の腕によらず、気密性能を確保した施工ができるのです。また一条工務店は現場での施工がシンプルになっているため、パネル同士の隙間を埋めるだけで、かなり気密性能を高めることができます。
出所:https://www.ichijo.co.jp/technology/element/airproof/
意外と気密測定している会社は少ないです。全棟測定している会社は一条工務店だけのようです。どんなに会社が高気密住宅と謳っていても、高気密と言える定義はないわけです。自称高気密の会社も多数あります。やはり、しっかり測定して客観的な数値を示した上で高気密の説明をしないと説得力がないですね。
最高性能の第一種換気ロスガード90
次に第一種換気であるロスガード90についての説明ですが、
そもそもが第一種換気を知らない方が多いと思います。一般的な建売には次の写真のような第三種換気が設置されています。
右側はトイレなどについていますが、いわゆる換気扇ですね。ここから汚れた空気を外に排気し、左側の給気口から新鮮な空気を取り入れています。第三種換気システムは、機械換気、自然給気となっています。
出所:https://www.njkk.co.jp/blog/?itemid=84&dispmid=764
家に隙間がなければ、図のように空気が交換されますが、隙間の多い家ですと、
出所:https://miraihome.co.jp/ceoblog/daisanshukanki/
ショートサーキットと呼ばれる、換気扇付近の隙間から外気が入り、排気されるという事態が起こり、給気口から空気がほとんど入ってこなくなります。そうなると家の大部分の空気は淀み、カビなどが発生します。
この問題を解決するために第一種換気が考えられました。第一種換気システムは、機械換気、機械給気です。
出所:https://iezoom.jp/column/entry-2673.html
一条工務店のロスガード90はこの第一種換気が採用されています。一か所に大きな換気システムの器械があり、そこから各部屋にダクトを伸ばし、排気と給気を同時に行います。同じ場所で空気の入れ替えを行うので、交換する時に、熱交換も一緒に行います。
出所:https://www.ichijo.co.jp/technology/element/ventilation/
他社との最大の違いは熱交換率が90%であるところです。室温20度、外気温0度なら、第三種換気の場合、もったいないですが、20度の空気を捨て、0度の空気を取り込むことになります。しかしながらロスガード90ならば、20度の空気を捨てる時、熱交換器が90%の18度の熱を蓄え、0度の外気が取り込まれる時に、18度の熱を加えて、18度の新鮮な空気として室内に給気するという仕組みです。冬場を想像していただければと思いますが、暖房費をかなり抑えることができますよね。
さらぽか空調採用可能
さらに、この換気用のダクトと床暖房用に床下に設置された水が通るパイプを利用して全館空調であるさらぽかを導入することもできます。
出所:https://www.ichijo.co.jp/lp/sarapoka/
ロスガード90の換気システムにデシカントローターを設置することで、湿度の交換も行います。仕組みとしては、全館の床に設置されたパイプ内に水を流し、室温よりずっと低い水が流れることで室内の熱が吸収され、室温を下げ、デシカントローターで湿度を下げることで、快適な空間を維持することができます。
エアコンは、湿度よりも室温を下げることを重視するため、部屋が冷えてしまい、寒くなりますが、さらぽかでしたら、湿度を積極的に下げて、室温は大きく下げないようにできますので、避暑地のような快適な空間を実現できます。
耐震等級3より上
2倍耐震は全商品対象ではなく、グラン・スマート、アイ・スマート、アイ・キューブで採用できるようです。
屋根一体太陽光パネルと蓄電池が格安でつけられる
まず第一印象で好きか嫌いかは非常に重要です。太陽光は見た目よりも省エネのためにつけるものですが、屋根は家の顔です。住み始めてから30年以上付き合っていくことになりますので、気に入らないと結構きついです。
私はこの見た目が大好きで、無駄がなくて良いなと思っています。そもそもが既存の屋根材の上に太陽光載せると重さも倍増ですし、固定がしっかりできていないと落ちてきそうで怖いですし、屋根にビスで穴開けて固定したり、キャッチ工法でも重みが常に屋根材にかかっていると思うと家に負担がかかるので、屋根一体型がメリットが多いと思います。
出所:https://www.ichijo.co.jp/technology/element/solar/
見た目重たそうですが、スレートや瓦より軽いようです。太陽光パネルは電化製品なのでいつか壊れると思いますが、壊れても、修理するか、修理できなくても屋根材として利用できることがメリットです。
また、7キロワットの蓄電池をセットでつけることができます。
出所:https://www.ichijo.co.jp/revolution/
一般的に蓄電池ってめちゃくちゃ高いんですよ。業者が見積を取ると、100万円程度かかります。
さらに太陽光が5キロで150万円程度かかるので、5キロの太陽光と7キロの蓄電池を設置すると一般的に250万円程度の予算が必要になります。
しかしながら一条工務店ならば、オプションで10キロ以上の太陽光と7キロの蓄電池が230万円程度で設置できるので非常にお買い得です。
そもそも一般的な住宅は、屋根へ後付けで載せる太陽光になるので、5キロ程度の量が一般的ですが、一条工務店ならば2倍以上の量を搭載できます。
さらに、蓄電池も2倍長持ちとなっているので、お買い得さが倍増です。
いいことばかりのように聞こえますが、何点か考えられるデメリットもお伝えしておきます。
・屋根一体型は住宅の屋根材と見なされ、固定資産税が高くなる。
・一条オリジナル商品で、まだまだ採用されてから歴史が長くないため、耐久性などの信頼性に心配が残る。
・屋根一体型だと故障の修理費やメンテナンス費用が高くつく。
・将来の撤去費用が心配。
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