買付ランキングです。各銘柄の状況を見ていきます。
1.三菱商事
ここ1か月の推移です。2500円を底値ラインにして、ずっと停滞していますね。NISAランキングで連続で1位に入るほど人気株にも関わらず、上値が重たいです。
過去3年のチャートです。直近で見れば、3500円から1000円も下落しているので安値圏に見えますが、2年ほど前は1500円程度、コロナ禍においては800円程度でした。商社は景気敏感株です。この先2500円を底にして、3500円に戻ってくる可能性もありますし、景気悪化で1000円に向かう可能性もあります。
信用買がかなり積みあがっています。つまり、みんなが上がると思って、借金してでも買いまくっているわけですね。良いニュースなどが飛び込み、一気に上昇すれば良いですが、大口機関などが仕掛けて、安くしてくると、信用買の投げ売りで大暴落の可能性もあります。
2.東京地下鉄
11月に上場した新しい株です。JRと並ぶ最大手の東京メトロなので、手堅いですよね。当該週は急激に下落していたため、安値で拾おうと、NISAが増えているのだと思います。
信用倍率がとんでもないことになっていますね。徐々に整理されていくでしょうが、積みあがった信用買は将来の売りになるため、今後売りが殺到して大暴落の可能性もあります。もちろん収益が安定している企業ですので長期で上昇する可能性も十分にあります。
3.オリエンタルランド
連日ニュースやSNSで取り上げられているオリエンタルランドです。100株買って3年保有すれば、ディズニーのパスポートが1枚もらえるので、ほしい人が多いようです。
過去3年の推移を見ても、株価は底値圏のようです。実は10年位前は900円程度でしたので、長期で見ればかなり割高なのですが、直近で5500円以上になっているため、キャピタルゲインを狙って買われているようです。何度か3500円付近に下がっては4000円に向かって上昇するというボックス相場を形成していますが、いつどっちに跳ねるか分からないです。正直ディズニーは、生活必需品ではないので不況になれば、来園を控える人が増えるのは明らかです。そうは言っても、数ある遊園地の中でディズニーは特殊なので、生活切り詰めてでも来園する人が多いのも事実ですが。
信用倍率はあまり悪くないです。投げ売りなどは生じにくそうです。良くも悪くも、直近の安値圏ですが、長期の安値圏ではないので、皆さん慎重に100株程度買われているのでしょうか。
4.本田技研工業
時価総額はトヨタに次ぐ業界2位の最大手企業です。最近トランプ大統領が日本車に関税をかけるなどの懸念もあり、円高ぎみでもあるため、自動車産業全体で下落しています。
今年のデータだけ見れば安値圏ですが、過去3年の推移をみると、3年前は1000円程度の時もあったため、まだまだ高値圏という見方もできます。
信用買いが積みあがっていますね。天下のホンダが安値圏になっているので、上昇を期待して買いが入っていますかね。確かにホンダは自動車業界の中でもかなり人気の会社で下がれば買いが入ります。長期の投資と考えれば、今が安値圏であることは間違いないと思いますが、この信用買残なので、今後投げ売りが発生して大暴落を起こす可能性も0ではないです。待つのも1つの手段です。
5.日本電信電話(NTT)
NISA常連のNTTです。株価がもともと安いこともあり、気軽に100株買う人が多いようです。実は株主優待が充実しており、2年保有すれば、2000ポイントのdポイントがもらえ、5年保有すれば5000ポイントのdポイントがもらえるのです。どちらも1回限りですが、今の株価なら15700円程度で取得でき、配当金も毎年520円もらえるので、5年でおおよそ10000円近くもらえることになります。もちろん暴落するリスクもありますが、国を代表するNTTですので、100株の保有はほぼ間違いないと思います。
正直長期で見れば高値圏です。但しNTTは企業規模が相当拡大しておりますので、株価が上昇するのはある意味当然です。3年で見ても今は高い位置ではないです。
信用買がかなり積み上がっているので、今後投げ売りによる暴落が起きる可能性も0ではないです。但しNTTは日々の取引量が相当多いので、信用買を一気に消化できるほどの買いが入る可能性もあります。
6.日本たばこ産業(JT)
高配当銘柄の代表格として有名ですね。配当金が100株で年間19400円もらえるので、かなりの高配当銘柄です。
正直過去の推移をみると高値圏です。NISAで皆さんが買われている理由が思いつきません。考えられるとすれば12月が配当月なので、上がる前に買っているのでしょうか。但し過去3年で見てもかなりの高値圏です。
信用買も積みあがっています。うまく消化できればいいですが、万が一暴落が起きれば、一気に2000円代水準まで落ちる可能性もあるため怖いです。もちろん5000円を目指す可能性もありますが。
7.三菱UFJフィナンシャルグループ
メガバンクの代表格。大人気の株です。今銀行株は利上げ期待から全体的に暴騰しております。
直近3年間で見ても明らかに高値圏にありますが、ここ30年のゼロ金利政策、量的緩和政策等が終わりを迎えていると予想される現在においては、むしろ安値圏と見る方も多く、今後の株価が読めません。
ちなみにコロナ禍では400円付近まで下がっていました。
そこそこ信用買がありますね。このくらいなら許容範囲だと思いますが、直近で急激に増えていますので、今後信用買が積みあがると、投げ売りのリスクが高まります。
8.INPEX
石油関係企業の代表格です。ここ1か月で見ても安値圏なので買われているのでしょうか。
過去3年で見れば、そこそこ上昇しております。ちなみにコロナ禍では500円付近まで下がっていましたので、長期的なチャートの予想が非常に難しいです。
信用買はそこそこ積みあがっています。常時人気の株ですので、長期でインカム狙いならお勧めかもしれません。
9.日産自動車
連日SNSなどで取り上げられている日産です。今年度利益は前年度比9割減、社員の7%近くをリストラなどのショッキングなニュースが取り上げられています。
株価は過去3年で見ても明らかに安値圏です。
実は過去30年で見ても今は相当安値圏なんです。安くなった理由が信用の投げ売りなどの一時的なものなら、長期的に回復する可能性も高いのですが、日産は構造的な問題を抱えているので、簡単に利益回復は難しく、株価もさらなる下落や長期低迷の可能性もあります。
ひと昔前JALが経営破綻したこともありましたが、あの時も最大手のJALが経営破綻することなどない。長期的に見れば、安値圏だと信じて沢山買っていた人も多いようです。しかし、実際は株は紙切れになったわけです。
信用買が急速に増えておりますが、まだまだそこまでであり、今後も分からないです。少なくとも、今日産の株価が安い理由は会社の本業部分がうまくいっていないためなので、安易にエントリーするのは危険だと思います。
10.トヨタ自動車
自動車業界最大手トヨタ。時価総額も断トツ1位の企業です。
そんなトヨタですが、今年前半は順調で、4000円近くまで株価を伸ばしておりましたが、後半に入り2500円付近まで下がっております。過去3年で見れば2000円を下回っていた時期もあり、現在が安値圏とは思えない状況です。
自動車産業はアメリカ頼みのところもあり、今後の日米の貿易摩擦等が発生すれば大暴落の可能性もあります。
正直信用買いもかなり積みあがっています。今後上がると予想している人が多いのでしょうか。
全体を通じてNISAランキングを毎週チェックしておりますが、大手企業の株価が下がると、買いにきているようです。大手企業の多くは一時的に下がっても過去の経験則から持ち直す可能性が非常に高いため、期待して買っているのでしょうが、中には二度と高値圏に戻らず下落を続ける企業もあります。
下がったから安易に飛びつくのではなく、下がった理由を理解して、自分が納得したうえで買いましょう。
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