定期預金や貯金にも暴落リスクがありますが・・・・

日本人は、自分が汗水垂らして蓄えた資産が減ることをひどく嫌う傾向があるようです。なので、日々価値が増減する株などに投資をすることを嫌う人が多いです。

きまって、得をするかもしれないが損をする可能性も高い。損をするのが嫌だから、例えリターンが少なくても定期預金などにお金を入れたい。頑張って稼げば投資などしなくても貯金は貯まる。

この言葉を聞いて、気持ち良いと思う方が大半だと思います。私もそうです。お金に関しては確実なのが一番良いです。本音で言えば、株などやっていない人にとって見れば、株の大暴落は、むしろ他人の不幸で蜜の味くらいに思っている方も多いと思います。

別に海外にもいかないし、米国S&P500やオルカンなどの外国株に投資していない人にとってみれば、円高だろうが円安だろうが対して関係ないと思っていると思いますし、むしろ円高が悪と言われているのは投資している人にとってのことで、投資していない人にとってはメリットの方が多かったりします。

多くの日本人は、様々な下落リスクを抱える日本株や外国株、投資信託などに手を出すくらいならリターンは小さくても確実に元本が保証されている定期預金などに資産を預けておきたいと思うはずです。

普段は意識していないと思いますが、日本円で資産をすべて保有するというのは、大きな1つのリスクを抱えているのです。

それは円通貨価値の下落リスクです。

1000万円を銀行に預金しておけば、微々たる利息程度で資産は大きく増えないが、減ることはないと思っている方が多数だと思いますが、実は円の価値は日々変動しています。

想像してみてください。明日からアメリカへ居住するとしましょう。生活の基本通過はドルになります。すべての生活をドルで行う必要があります。昨日まで1ドル=100円だったならば、1000万円の価値は10万ドルです。もし、日本に致命的な大災害などが発生し、円の価値が大暴落して、1ドル=200円に急落したら、1000万円の価値はたったの5万ドルになります。

つまり、アメリカで生活するうえで、資産は10万ドルから5万ドルへ目減りしたわけです。

みなさんは気づいていないかもしれませんが、ここ10年の間に日本円の価値は1ドル100円から1ドル150円程度へ大きく下落しました。

たまに100円→150円になったのだから円の価値は上がってるじゃん?っておっしゃる方がいますが、間違っています。

これは1ドルというお札の販売価格を表しています。つまり、10年前は1ドルを100円で買えていたのが、今は150円支払わないと買えなくなったというわけです。ドルが値上げしているわけですね。ということは、円の価値が下がったということですよね。

10年前なら米国の10万ドルの中古住宅が1000万円で買えたが、現在は10万ドルの中古住宅が1500万円になっているわけです。米国内では10万ドルのままで値上げしていません。日本円で見れば値上げしているように見えるのは円の価値が下がったからです。

皆さんの日常生活で使うものの大半は輸入しています。つまり海外から買っているわけですよね。

今まで1ドルで買っていたものは、10年前は100円でしたが、今は150円に値上げしています。当然ですよね。円の価値が下がっているのですから。

ということは、10年前に定期預金していた1000万円は、きっと預金がついて1100万円程度になっていることでしょう。100万円も増えたと喜んでいるかもしれませんが、ほしかったマイホームは3000万円から4000万円へ値上げしていることでしょう。10年前に1000万円で買えたものは、今はどれも値上げして例え1100万円払っても買えないでしょう。つまり、10年前の1000万円は10年も定期預金したのに、むしろ実質1000万円未満の価値しかないわけです。逆に日本株は2~3倍に増えていますし、米国株はもっと増えています。

元本保証されていた定期預金は利息どころか実質元本割れ、元本保証されていない株式は、元本の数倍に増えるという圧倒的な格差が生まれたわけです。

この事実に気づき始めて、今まで定期預金派だった人達がNISA制度などを使って続々と投資世界に入ってきています。

2024年は日本にとってまさにそのような年になったと思います。

今の世間の風潮は、長期で積立投資すれば誰でも儲かる。今からでも始めたほうがいい!のようです。

但し1つだけ忘れないでいただきたいのが、長い歴史の中で大暴落は何度もやってきていること、過去の例が未来に通用することに何のあてもないことです。

つまり、後で振り返ってみないと何が正解だったのかは誰にも分からないです。

例えば、来年世界的に伝染病が流行し、それを引き金に戦争が勃発し、米国などの主要な国が戦費確保のために通貨を大量発行し、世界の主要通貨の大幅下落、大企業はこぞって増税で一気に経営が傾く、もしくは大不況で倒産多発などで世界的な株価の大暴落が起き、相対的に急激な円高で1ドル70円とかになるかもしれません。今まで投資で大儲けしていた人たちの多くが大損失を被り、退場していき、投資市場は完全に冷え切るかもしれません。米国投資していた人たちも大損で、日本円に戻して生活費に足そうとしても円高なので、さらに円に戻したら資産が大幅に目減りすることでしょう。

結果的に投資せず、定期預金していた人達が大儲けの可能性もあります。あまり表には出てこないですが、バブル期は、株式などがうなぎ上りでした。その頃株へ投資して大儲けしている人もいれば元本保証の長期の積立保険などに投資している人もいました。年利7%とかの商品です。それでも株に比べればリターンは少なかったのです。ご存じのとおり、バブル崩壊後、多くの投資家の資産は目減りしましたが、積立をしていた人達は、その後も7%の利率でずっと積立を続けるわけです。

結果的に数十年後にどのような結果になるかは明白だと思います。もちろん投資家も一切投資をやめずに続けていればよい結果がでるでしょうが、定期預金などの積立も長く続けると悪い結果ではないことが分かると思います。

答えは誰にも分からないですが、昨今の投資一辺倒の考え方も非常に危険であるため、改めて定期預金等の必要性も確認いただきたいです。

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