中古車購入の見積は総額だけ見ればいい!

ハピファミのYouTubeチャンネルでは定期的に自動車関連の動画を上げておりますが、以下のガリバーでマツダのプレマシーを購入した際の動画を皆様に多くご視聴いただいております。

本動画では、実際のガリバーでの購入体験をもとに生の見積を用いて解説しておりますが、内容について賛否両論あるようで、中には辛辣もコメントもいくつかございました。

正直実体験に対しての辛辣なコメントは傷つく部分もございますが、率直なご意見として考えれば、中々学びにつながる部分もあると思い、今回は、ガリバーで実際にいただいた見積をもとに中古車購入見積の見方について解説します。

こちらは私が実際にマツダのプレマシー7年落ちの中古をガリバーで購入した時の見積です。実際にこの見積通りで支払いも終え、無事納車されております。

時系列で言うと、2020年6月に納車され、2024年12月現在では、4年6か月乗っていることになります。この間、修理が2回あり、修理費の総額は20万円を超えておりますが、10年保証の適用により、自己負担の2万円しかかかっておりません。あとは車検をガリバーで2回受けておりますが、どちらも総額9万5千円程度かかっております。

この見積をYoTubeで公開した時に主に以下の意見をいただきました。

・支払総額100万円に対して販売経費と諸経費の合計が53万円は異常

・点検・整備費用と車検費用は内容が重なっていないか

・納車準備費用と点検・整備費用は同じような項目ではないか。

・オートローンの金利が高そう。銀行でカーローン組んだ方が金利安いのに。情弱な買主。

・フロントバンパー修理やドアパネル修理の費用が含まれているが、普通販売前の傷修理は店舗持ちじゃないの?

・車両本体の価格が相場よりも高い。

他にも細かいコメントはいくつかいただいておりましたが、総評として、私の購入に対して非常にネガティブなコメントが多数寄せられました。

私の動画での趣旨は、「ガリバーで本当にお得にプレマシーが購入できてよかった」だったのですが、視聴者の多くの感想は、「ガリバーで割高な中古車を買わされている。それにも気づかずにお得と言っている私は幸せ者」に集約できそうです。

もちろん多数の方にご視聴いただき、その中の多くの方がコメントを残していないが、良い買い物をしたと思っていてくださっている方が多数いることも分かっています。

但し、多くの誤解が生じていることも事実なので、今回はガリバーに限らずに一般的に中古車購入の見積をどのように解釈すれば良いのか詳しく解説します。

まず、中古車購入見積の構成は大きく以下の3つに分かれます。

1.車両本体価格

2.販売諸経費

3.下取り価格

先に結論を言ってしまいますが、これら3つの項目は互いに影響し合うので、総額以外はあまり意味がないのです。

少し極端な例を話します。例えば、車両価格80万円、販売諸経費20万円の車が総額100万円で売り出されていたとします。そこに、市場で20万円の価値のある下取り車を持った客が来店すれば、通常の流れになれば、

車両本体価格:80万円

販売諸経費:20万円

下取り車:-20万円

支払総額:80万円

となります。すべて相場通りと想定すれば、何も違和感のない見積になります。

但し他社よい売上を伸ばすためには、お客様へいかにお得かを印象付ける必要があります。最終的に支払総額80万円にするのならば、内訳は変えてしまっても問題ないのです。

例えば車両本体価格を60万円と破格の価格にして客寄せをします。他社では同等の年式や走行距離の車が80万円で売られているところ、60万円という数字を見れば、飛びつく人も多いです。そして来店した場合に、

車両本体価格:60万円

販売諸経費:40万円

下取り車:-20万円

支払総額:80万円

と内訳を変えてくるのです。諸経費に相場はないため、「他社以上にしっかり整備をする」等の理由で多くとって、しっかり受け取る金額の調整をしている例は多々あります。

また下取りや買取に力を入れている業者の場合、買取額からお客を引き付ける例もあります。

例えば、本来20万円しか価値のない車を、同時に乗り換え購入するという条件なら、40万円で下取という話も結構あります。売る人にとってみれば、他社より20万円も高くなるので、決めたいと思うはずです。大抵の場合、乗り換えなので、乗り換える車の見積を取ることになるのです。

例えば見積の時に

車両本体価格:90万円

販売諸経費:30万円

下取り車:-40万円

支払総額:80万円

と調整するわけです。

今までの取引すべて支払総額は80万円となっており、内訳が変わっただけとなっております。お客様への印象操作です。ディーラーでは当たり前にやっていますが、どんな下取り車へも5万円の下取り価格をつけたりする行為も同じです。これは下取り車として5万円の割引をつけるか、車両本体価格から5万円割り引くかの違いです。

結局ディーラーも利益は確保する必要がありますので、値引き額にも限度があります。下取り車で金額を頑張れば、その分車両本体価格からの値引きは少なめになりますし、オプションたくさんつけて、販売諸経費の金額高めて、利益も多く確保できる状態になれば、車両本体からの値引き額も増やせる状況になります。

いつでもこれらの項目は互いに影響し合い、見積ができているのです。

つまり、どこかの項目が相場より高くても、他がそれ以上に相場より安ければ、総額は相場より安くなります。

逆に、ある項目が相場より安くお得に見えても、他の項目が相場より高ければ、総額は相場以上になる場合もあります。

結論、中古車の見積を見るときは、総額は他と比べて安いか否かで判断しましょう。

では、話を戻して、ガリバーのプレマシーの見積を見ていきましょう。

まず車両本体価格ですが、2020年時点の7年落ち走行距離3万キロ程度のプレマシーのオークション落札相場は、70万円程度でした。私の購入価格66万8000円は相場より少し安い程度の金額です。

次に下取り価格50万円についてですが、実は、不人気の背の高い軽自動車を下取りに頼んでいました。状態は、2014年に総額110万円で購入した6年落ちです。しかも、背面に大きな凹みがあり修理費は15万円かかると言われておりました。複数社一括見積をしておりましたが、最高額が30万円でした。つまり、相場よりも20万円高く買い取っていただいております。

車両本体価格は5万円ほど安く、下取り車は20万円ほど高く買い取ってもらっているので、既に25万円はお得になっています。

最後に53万円程度と異常に高い諸経費の妥当性について考えていきます。

一般的に2年車検付きの中古車の販売諸経費は最低でも以下の金額はかかります。

車検整備付車検費用:7万円

登録代行・車庫証明・納車費用:3万円

残りの43万円の内訳についてですが、ガリバーでは、納車点検時に傷んでいる部品や劣化が進んでいる消耗品はすべて新品に交換いただけます。

私の場合バッテリーを新品に、劣化していたゴム関係やオイル関係もすべて新品に交換していただけました。これだけで10万円の価値はあります。

残り33万円の価値ですが、一番大きいのは10年保証です。私が知っている限り、7年落ちの中古車に10年の保証をつける会社はガリバー以外に知りません。17年落ちまで保証されることになるので、正直古い車なら絶対加入したほうがいいです。実はこの10年保証がめちゃくちゃ高いです。これで20万円かかっています。

残りの13万円は、ご想像のとおり、単純にガリバーの販売諸経費が相場よりも高い部分です。

実は、バンパーやドアパネルに結構傷があったため、本体価格が安かったという裏話がありました。表面上はサービスで無料で直してもらっていますが、実際は10万円程度かかっています。

結論、車両本体価格安め、下取り価格高めが大きなメリットで、販売諸経費がバカ高いということになります。利益構造としては、販売諸経費で稼いでいると考えるのが自然です。但し、私の見積で大きな項目が1つ抜けているのに気づいていたでしょうか。そうです。値引きが32万円程度も入っているんです。

当時、知り合いの自動車会社、ディーラー、様々な関係者に確認しましたが、下取りなしで、7年落ちの同等のプレマシーを購入する見積を取ると、

車両本体価格:70万円

オークション代行手数料:5万円

自動車会社の利益分:10万円

車検含めた納車費用:15万円

で最低でも100万円はほしいと言われました。

それに私の不人気軽自動車は、どう頑張っても30万円が下取り価格の限度だと言われました。

つまり、他社なら総額70万円かかっているところ、ガリバーで総額50万円で買えているわけです。バッテリーなどの消耗品すべて交換、かつ10年保証もついて、相場より20万円も安いというのが、いかに異常な安さか分かっていただけると思います。

現時点でガリバーの見積を別途取ったり、担当者と話をしたりしていますが、現状で今回レベルの見積を出すのはほぼ不可能だと思います。というのも、私が見積を取った時期はコロナ騒動開始時の緊急事態宣言周辺。ガリバーも売り上げが下がりまくりで利益度外視で販売していた時期でした。それくらい異常な見積なのです。販売諸経費が際立って高く見えるのは、他が相場より良すぎること、異常な値引き額の帳尻を合わせるための数字補正だったわけです。

今から中古車購入を考えている人にアドバイスするとすれば、とにかく総額の安さに拘ってください。何社か見積を取り、総額で比較してください。中小企業で破格の見積は難しいですが、大手の企業というのは通常運転で、結構しっかりと利益を確保している例が多いので、客数がほしいときとか、タイミングをうまく掴めば、赤字でも販売してくれる場合があります。そのタイミングを見つけることは容易ではないですが、急いでいない時期から、見積を取り、購入の意思を伝えておけば、店舗側で急で売り上げを伸ばしたい時、ノルマなどで客数を増やしたい時に、値引きをえさに営業をかけてくる可能性がありますので、最大限の値引きを引き出しいい条件で購入するのが賢い中古車購入法だと思います。

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