夏の室温26度と冬の室温26度の体感温度が異なる理由

夏の冷房で室温を26度にすると肌寒いくらいに感じるのに、冬の暖房で26度にすると暑く感じるのはなぜだか分かりますか。

もちろん外気温との差で暑さ寒さを感じる点もありますが、他にも大きな違いがあります。

夏は、室温が30度くらいの時から冷房をつけて26度にします。つまりエアコンをつける前は、家中の室温が30度で、天井や壁、床なども30度に近い温度になっていたはずです。そこから、エアコンをつけると冷たい風により部屋の空気が冷やされ、室温が26度になります。

この時、壁や天井、床はすぐには冷えないので、30度に近い温度のままです。冷房も室温が26度に達すると、送風に切り替わり、それ以上冷やさなくなるので、室温は26度で冷えているが、壁などが30度と暑い状態になると、壁や天井から輻射熱の形で30度の暑さが伝わってきます。外でもずっと30度以上の環境にいて、室内でも壁などから30度程度の熱を受けている中で、26度の室温になると相対的に涼しく感じるわけです。

冬場は全く逆で、壁などが冷えている。外も冷えているので、室温26度が暖かく感じる。同様に室内にいても、壁などが冷えていると、熱は温度の高いところから低いところへ移動するので、体の熱が輻射熱として壁などに奪われるので、寒く感じる。そのようなひんやりした中で、室温が26度になると暖かく感じる。

つまり、暖かく感じたり寒く感じたりするのは、室温だけでなく、壁や天井、床などの面の温度がどうなっているのかも大きく関係している。

体感温度=(室温+壁、天井、床の温度)÷2

がおおよそ成り立つ。

つまり、同じ室温26度でも、壁の温度が30度あれば、体感温度は28度になるし、壁の温度が20度になれば、体感温度は23度になるのである。

同じ室温でも夏薄着になり、冬は厚着になるのは室温ではなく体感温度の違いから生じるものと分かればすっきりする。室温が同じならば、体感温度は壁や天井などの表面温度で決定される。

但し、先ほど説明したように、夏の26度のほうが一見涼しく感じるのは、外気温や壁などから伝わる熱気がすさまじいところに涼しい風が当たるためである。

実際、冬のように厚着した状態で夏の26度の室温を体験すると、凄まじく暑く感じるので不思議である。

結論、夏の室温26度は、冬の26度と室温は同じだが、壁や天井、床の温度が夏のほうが熱いので、夏の室温26度のほうが体感温度は暑く感じる。

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