屋根一体型太陽光パネルのデメリット

屋根一体型の太陽光パネルとは

出所:https://griene.jp/articles/1650

このように太陽光パネル自体が屋根材になっていて、屋根全体が太陽光パネルで覆われているものとなります。

一般的に屋根に載せる太陽光パネルは

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このようなイメージが多いと思いますが、両者にはどのような違いがあるのか。さらに、近年新築住宅でも選択する人が増えている屋根一体型太陽光パネルの大きなデメリットについて説明したいと思います。

まず、屋根一体型太陽光パネルのメリットですが、大きく3つあります。

1.大容量を搭載できる

これが第一の導入理由ではないでしょうか。できるだけ多くの発電をすることで、自家消費や売電に電気を回し、月々の光熱費を抑え、売電で収益をあげることができます。

2.見た目がかっこいい

これもよく聞く理由です。パネルが屋根材として機能しているため、家自体がかっこよく見えます。

3.屋根のメンテ不要

スレート屋根などは10年程度経過すれば塗装が必要となります。屋根塗装は結構大変で、足場を組んで行う必要があるため、安くても50万円程度かかりますし、強度も低いので雨漏りリスクなどが出てきます。対して、太陽光パネルが屋根材になれば、表面が強化ガラスで紫外線にもカビなどにも強いため、数十年経っても劣化しない最強の屋根材になります。

一方、販売店や住宅会社はあまり言わないので気にしていない方も多いですが、実は結構大きなデメリットがあります。

ここでは大きなデメリットを4つ紹介します。

1.固定資産税がかかる

屋根に載せるタイプの太陽光パネルは、家電に近いものとなりますので、固定資産税の対象外になることがほとんどですが、屋根一体型太陽光は、屋根材として、住宅の一部として扱われますので、固定資産税の対象となります。

固定資産税なので、家を所有している限り一生かかるのが大きなデメリットです。金額は家ごとに異なること、屋根の大きさや勾配などにも影響されるため、一概にいくらというのが難しいですが、複数の方の意見を確認したところ、10キロワットのパネルで年間7000円くらいかかるようです。

50年住むとしたら、単純に計算しても35万円程度かかると言えます。

厄介なのは、太陽光パネル自体は家電製品なので、いつか壊れること、売電価格も最初の10年は固定買取で結構な利益になるが、10年過ぎると大きく下がることがあるのに、固定資産税は容赦なくずっとかかることです。

2.修理費やメンテナンス費がかかる

ぶっちゃけ太陽光パネルの取り扱い業者は山ほどいるので、相見積もりをすれば、安く修理をしてくれる業者を見つけられますが、屋根一体型の太陽光パネルになると、施工事例も圧倒的に少なく、修理の難易度も抜群に上がるため、対応できない業者がほとんどです。

結果として、施工した業者もしくは住宅会社に相談することになりますが、もちろん割高な修理費を請求されます。但し、他に頼めるところがない以上お金を出して維持管理するしかないです。

言い方は悪いですが、電気を生む資産である一方、維持管理費のかかる負債でもあるのです。

特に、一部のパネルが故障したとき、取り換える必要がありますが、部分的に交換するとなると、単純にそのパネルを剥がして、新しいのをはめるだけでなく、電気配線の調整や他のパネルとの接続など、難易度も高く手間もかかるので、修理費を考えるとそのままにする施主も多そうな気がします。結果として太陽光パネル型に屋根材になり発電しないものを置いておくことになるので、無駄になってしまいます。

大容量パネルかつ、施工難易度も高いとなると、絶対に発生するパワコンの交換や配線劣化による交換などもすべて材料費も作業費も高くつきます。

3.熱がこもることで発電効率が落ちる

太陽光パネルは熱に弱いです。真夏が最も暑いので、なんとなく最も発電するように思われますが、1年で最も発電するのは日差しも強く、そこまで暑くない5月頃です。載せるタイプの太陽光は架台に乗っているので、屋根材とパネルの間に隙間があり、熱を逃がすので、パネルが熱くならず、効率的に発電しますが、一体型はパネルの屋根材の間に隙間がないため、パネルが熱くなり、発電効率が落ちます。

大容量のメリットを生かすはずが、個々のパネルの発電量が落ち、思った以上の発電ができなくなるため、大きなデメリットです。さらに故障の原因にもなるため、後々の修理費の増加にもつながります。

4.撤去費用が未知数

太陽光パネルが本格的に導入され始めたのは2010年頃からで、まだまだ撤去されている方は少数ですが、今後古くなったパネルを処分する動きが急増し、パネルの処理問題は絶対に大きな問題となります。このような産業廃棄物の処理問題は、価格が高騰していく例が多く、現時点では20~30万円程度と言われておりますが、今後50万円以上になる可能性も十分にあります。

一体型パネルは、撤去の際も屋根から剥がす手間が加わり、作業費が高くなることが予想されます。さらに撤去後は新しい屋根材を設置する必要があり、その費用もかかります。

施工した住宅会社は壊れても半永久的に屋根材として使えると言いますが、どのみち建て替える時に処分はしないといけないですし、例え壊れていても家電製品なので、放置は良くないです。

新築時や設置時点では、利益も見込まれ、見栄えも良い屋根一体型の太陽光パネルですが、デメリットも多く存在しますので、単純な収支計算だけでお得だから設置するというのではなく、長期的に、総合的に判断して、設置を検討すべきだと思います。

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