住宅選びには、見た目や住み心地、立地など色々な条件があると思いますが、分かりやすく最もコスパの良い家に住みたい方にとって、是非考えていただきたいのは、高気密高断熱住宅である一条工務店とローコスト住宅では、どちらが住宅にかける費用を安くできるかです。
実は住み心地とコスパって相反するものなのです。想像すれば分かると思いますが、冬に快適に過ごすためには、エアコンをつけますよね。しかしながら、節約したいならエアコンを消して厚着するなりして我慢しますよね。
一条工務店が求めるものは、あくまで快適性で、同じ快適性を実現するなら、一条工務店はローコスト住宅よりも強みがあるということです。
一条工務店は、すべての面を厚みのある高性能な断熱材で囲んでおり、窓も4枚ガラスの樹脂サッシです。

まるで魔法瓶のように、一度室内が暖まると、エアコンを消してもずっと暖かいため暖房費があまりかからないです。また、夏も一度冷やせば、冷房運転を弱めても、涼しさが続きます。しかしながら、高性能な断熱材を分厚く施工するので、初期費用がかなりかかります。
出所:https://www.ichijo.co.jp/technology/element/insulation/
対して、ローコスト住宅は、写真のとおり在来軸組工法で壁の隙間に100ミリ程度の断熱材を施工します。素材も安価なグラスウールを使うことが多く、天井も小屋裏に100~200ミリのグラスウールを乗せるだけという工法が多いです。

出所:https://www.homes.co.jp/cont/iezukuri/iezukuri_01162/
初期費用はかなり安くなりますが、快適な空間にしようと思うと、冬場は暖房を結構強めに運転し続ける必要があり、光熱費は高くなります。
ざっくりな比較となりますが、30坪程度の建物で、
一条工務店のアイスマート:3000万円
ローコスト住宅:1800万円
初期費用に1200万円の違いが出てきます。
しかしながら、毎年の光熱費は、
一条工務店のアイスマート:5万円
ローコスト住宅:30万円
となり年間25万円の差が出る。50年住むと1250万円の差額になるので、
一条工務店の方がお得という説明がされます。
ここで、見落としがちな落とし穴は、ローコスト住宅で一条工務店並みの快適性を求めることを前提に光熱費を計算していることです。
つまり冬なら24時間室温24度程度、夏なら24時間室温26度程度の超快適な空間実現を前提にしているということです。
ローコスト住宅で実現しようとすると大型のエアコンを24時間強運転で稼働しないと無理ですが、そんなことをする家庭は皆無だと思います。そもそもローコスト住宅で冷暖房の光熱費を30万円もかける家庭なんてありません。
実際、ローコスト住宅に住む人は、エアコン運転を節約し、快適性は犠牲になるけど、ほどほどのところで、冬は厚着するとか、人がいない部屋はエアコン消したり設定温度を冬は含め、夏は高めにして、少し我慢するなどして、光熱費を抑えるはずです。結果冷暖房費を10万円以内に抑えるでしょう。
つまり両者の光熱費の差は年間5万円程度になり、50年でも250万円程度の差となり、初期費用と併せると住宅にかかる費用はローコスト住宅の方がずっと安くなるのです。
もちろんお金に余裕がある人は、一条工務店を購入し、快適な生活を実現するのが良いと思いますが、お金に余裕がない人が、月々の光熱費が安くなるという理由で、一条工務店がコスパが良いと勘違いをして、無理してローンを組んで購入するのは控えた方が良いです。
大抵、お金に余裕がない人が一条工務店を購入すると、毎月のローン返済が厳しく、少しでも節約しようと、一条工務店なのに、節約して光熱費を抑えようとしてしまいます。
正直5万円が2万円とかになっても、あまり差額は生じなく、快適性よりコスパを重視するなら、最初からローコスト住宅を購入して、コスパ重視にしたほうが良いということになります。
実は住宅購入で一番重要なことなのですが、自分が快適性重視タイプか節約タイプか見た目タイプかどれかを理解したうえで住宅を選ぶことが重要です。
誰しも、どれかが100%ではなく、どれかに偏りながらすべての要素を持っている。
私の場合、
節約:70%
快適性:25%
見た目:5%
という感じです。
つまり、快適性より見た目より節約重視なので、デザインや快適性よりも価格で決める傾向があります。例え、暖房の設定温度を上げてつけっぱなしにするほうが快適だと分かっていても、設定温度低めにして、定期的に消すことで、電気代節約を最優先します。
キッチンなども機能性が優れていることや見た目がおしゃれなことよりも価格が安いことを重視します。
断熱性能や気密性能に拘るのも、快適性を上げることよりも月々の光熱費を下げることを優先するからです。
一条工務店の家の最大のメリットは、快適性向上で、副次的に光熱費削減が謳われています。この光熱費削減は、あくまで同じ快適性をローコスト住宅で行う場合に比べれば、光熱費が安く抑えられるという話です。
私もかつて勘違いしていたのですが、一条工務店に住めば、光熱費も安く済み、快適性も上げることができるので良いという考えは誤っています。
一条工務店の24時間全館床暖房の快適性はけた違いで、満足度100点満点ですが、ローコスト住宅でケチケチ暖房するよりも光熱費は高くなります。もしローコスト住宅で24時間暖房をして同じ快適性を求めれば、光熱費は跳ね上がりますが、私のようにケチケチ体質の節約重視タイプは、どのような家に住もうが、光熱費削減を最優先します。
つまり、もし私のような節約ケチケチ体質人間が一条工務店に住むと、折角の全館床暖房システムや超高気密高断熱住宅であっても、エアコンや床暖房の使用を控え、できるだけ光熱費を安く抑えます。
この暮らし方で、ローコスト住宅ならば5万円かかっていた冷暖房の光熱費が2万円に下がっても年間の光熱費の削減効果は3万円程度です。
初期費用が1000万円以上違えば、間違いなくローコスト住宅を選んだ方がお得なわけです。
つまりケチケチ体質の私には一条工務店は宝の持ち腐れ、分不相応なわけです。
一条工務店が合っているのは、快適性重視タイプ、副次的に節約気にするタイプ派です。
コスパは、その人のタイプによって違います。
節約タイプ→ローコスト住宅
快適性タイプ→一条工務店
で決まりでしょう。
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