新築購入で悩むポイントとして、家の断熱性能をどれくらいにするか、太陽光パネルを搭載するかの2つの点があります。どちらも住み始めた後の光熱費、快適性に大きく影響を与えるため、慎重に検討する必要があります。
よくある失敗例として、新築建売などの安さに惹かれ、購入価格の安さ重視で、断熱性能の低い家、太陽光パネルも搭載されていない家を購入して、住み始めてから、夏は暑く、冬は寒い家で我慢する生活になり、我慢ができずエアコンを多用すると断熱性能も低く、自家発電もないため、冬の光熱費は5万円超えなどの恐ろしい現実を叩きつけられ、結局寒さを我慢するか、光熱費を多く払うかの2択を迫られるわけです。
もちろん、断熱性能を上げて、太陽光パネルや省エネ給湯器などの設備をつければ、光熱費を下げて、快適性も上げることができますが、初期費用は相当高くなります。
本記事では、ダイワハウスさんが試算したシミュレーションをもとに、高断熱住宅にした場合、さらに太陽光パネルと省エネ給湯器であるエコワンを導入した場合でどれくらい年間光熱費が下がるのか見ていきたいと思います。

まずシミュレーション結果を簡単に説明します。
比較対象の低断熱住宅は、築30年超の中古住宅くらいの断熱性能だと思ってください。築古中古を狙っている方にとっては参考になると思います。電気代233,600円、ガス代211,600円となっており、年間合計445,200円かかります。
実際、このような築古物件に住まわれている方で年間これだけ光熱費を払っているご家庭はほぼないと思っています。なぜそうなるかというと、皆様光熱費にかける予算はおおよそ決まっており、それを超えないように節電するからです。つまり性能が低い家ほど、エアコンの使用を控え、寒さに我慢しながら冬過ごしている例が多いわけです。我が家でもそうですが、例えば、真冬の一番寒い1月でも電気代は2万円を絶対超えないように、ガス台は1万5千円を超えないように工夫します。家庭の光熱費で最も節約効果が高いのが、暖房費と給湯費です。例えば、多少寒くてもエアコンをつけないとか、お風呂の設定温度を下げ、寒くても我慢するとか、シャワーの使用頻度を減らすとか、とにかく快適性を犠牲にして節約に励むわけです。もちろんですが、快適性が下がりますし、寒さを我慢するとヒートショックなどの命に関わる問題につながります。
では、断熱性能を上げるとどうなるでしょうか。表の真ん中の数字になります。ざっくりいうと、電気代が8万円ほど下がり、ガス代が3万円ほど下がり、光熱費が11万円ほど下がり、年間光熱費が336,000円となっております。電気代の削減は純粋に住宅の断熱性能向上による成果だと思います。ガス代は、給湯器を従来型からエコジョーズに変えている影響が大きいようです。エコジョーズは給湯の際に発生した熱を再利用することで、ガス代を10%~15%削減できるということですので、正直ガス給湯器利用するならエコジョーズ一択だと思います。初期費用も従来給湯器と比べて5万円くらいしか変わらないのでお得です。
最後に太陽光パネル4.144キロとハイブリッド給湯器であるエコワンを導入した場合ですが、かなりの削減が見込まれます。
ちなみにエコワンとは、電気で給湯するエコキュートの機能とエコジョーズの機能を併せたもので、両者のデメリットを打ち消しあって、効率良く給湯できるものとなります。
太陽光パネルの自家発電効果で、買電量が減り、年間の電気代は134,500円となります。思ったより下がらないと思った方は、大きな点を見落としています。給湯器をハイブリッドにしているので、給湯に電気を使うようになり電気代が上がっているわけです。つまり、ガス代が83,100円となり、10万円程度下がっています。さらに売電が50,900円あるので、実質の光熱費は166,700円となります。

分かりやすく棒グラフにしています。ガス併用のご家庭は給湯器をハイブリッド給湯器に変えるだけで相当削減できそうですね。電気代については断熱性能を上げるとかなり削減できることが分かりますが、それ以上に太陽光パネルを搭載するほうが効果が大きいです。
もちろん長期的に見れば、断熱性能を上げることは非常に重要ですが、現在すでに築古住宅に住んでいる場合は、断熱改修となると、外壁や屋根の撤去など大規模工事で500万円以上かかることが普通なので、コスパが悪いです。
太陽光パネルとエコワンを設置するほうがコスパは良さそうです。

エリアが東京のため、冬も日射が多く、しっかり太陽光発電できていますね。太陽光発電に関しては、太平洋側と日本海側で全く事情が異なります。日本海側は冬に積雪が多いため、日射量が大幅に減ります。それによって、発電量が少なくなるだけでなく、窓からの日射熱も減るので、暖房時間も多くなる、売電や自家発電も減り、エアコン代等が増えるので、太平洋側と光熱費が全く異なります。
今回のシミュレーションのように太平洋側に住んでいる方は、ほぼ間違いなく太陽光を設置したほうがお得です。例え、日本海側でも、太平洋側に比べればうまみは減るが、つけないよりもつけた方がお得なケースは圧倒的に多いです。

消費電力のピークって朝方と夕方でどちらも太陽光発電がほぼ行われていない時間なんですね。ハイブリッド給湯器はきるだけ使用する直前に沸き上げた方がお湯が冷めないので望ましいのですが、太陽光発電中に沸き上げを行えば、自家発電分を給湯に使えるのでお得になります。
結論として、古い住宅にお住いの方は、新築で太陽光、ハイブリッド給湯器付きの新築に住みかえれば、年間278500円も光熱費を節約し、売電できるので違いが生じます。
ローコスト住宅などと悩んでいる方も太陽光、ハイブリッド給湯器付きの高性能住宅に変えるだけで年間169300円節約できるのでお得です。
コメント