一条工務店 最大のデメリット 将来設備の修繕費が多額になる可能性あり

一条工務店のキャッチフレーズは「家は性能」

一条工務店の家に住めば快適かつ、光熱費を安く抑えることができます。しかも、他社で同じ性能の家を建てることと比較すると安く住宅を購入することができます。

あくまでローコスト住宅などの本当に格安の住宅と比べると高いのですが、もし他社で同等の断熱性能や全館床暖房などの設備を導入すると、一条工務店よりはるかに高くなるので、住宅性能が高いのに価格が抑えられているという意味です。

その理由は、一条工務店の住宅戦略にあります。家の多くの建具や設備を自社で開発することで高品質な商品を安くしているのです。イオンで言えば、トップバリュー商品は安く提供されていますよね。自社で開発・販売することで中間マージンを省き、効率よく販売できるため実現できることです。

デメリットとしては、設備などが自社製品のみになるため、選択肢が大幅に狭められる点です。

私の考えでは、一条工務店は、住宅性能を重視することに重きを置き、ほぼ単一の規格商品で家を造ることを優先しているメーカーだと思っています。

マーケット戦略で選択と集中という言葉があります。

選択肢を増やすということは、多くの商品を開発し、売り出すことになります。開発費用もその分多くかかりますし、売り出す手間も増えます。さらに売り上げが分散するため、多くの量を生産できず、効率が悪いため、1個当たりの単価も上がります。

逆に、単一の商品のみになれば、開発費も大幅に減りますし、特化することで1つの商品に時間をかけられるためより高性能な商品を開発できます。さらに単一の商品を大勢が購入すれば、1個当たりの単価を安くできます。

このような戦略で、高性能住宅を安く提供しているわけです。

このようなメリットと引き換えに、最大のデメリットも孕んでいます。

高性能で快適な住宅を実現するために、多くの独自の設備を標準設備として導入しています。これらの多くは電化製品のため、耐用年数があり、いずれ故障することが確実です。しかも自社製品ということは修理や交換も一条工務店にお願いする必要があるのです。

これはあくまで可能性の問題ですが、このような自社製品というのは購入時点では初回特典のようなもので住宅セット価格のようなものでお安く買えるが、いざ交換となるとがっつり定価で販売される例が多いのです。他のハウスメーカーでも、設備などが故障した際にハウスメーカーに依頼すると、めちゃくちゃ高いが、社外品を選ぶと安く済むことが多々あるのです。それは、社外品ならば、その他多数の工務店なども対応しており価格競争が働くためです。

一条工務店の設備は残念ながら自社ブランドが多いため、他社製品に変えることが困難だと思います。そのため、自社製品に変える必要がありますが、この交換費用や工事費などが高くつく可能性があるということです。

ここからは修理費や交換費用が高くつきそうなオリジナル設備を紹介します。

【全館床暖房】

一条工務店と言えば全館床暖房!それくらい知名度の高い設備です。逆に我が家は全館床暖房ですと相手に伝えた時に、相手が住宅会社に詳しい人ならなんとなく一条工務店かな?と思うくらい、全館床暖房=一条工務店です。

正直、この設備かなり良いです。他社なら200万円程度すると思われる設備を30坪70万円程度で設置できるので、一条工務店を選ばれる方のほとんどが設置する設備です。

気になるメンテナンス箇所と費用をそれぞれ紹介します。

1.不凍液の交換

温暖な地域ですと水で良いみたいですが、寒冷な地域になると専用液が必要となります。DIYで不凍液の交換をされる方もいらっしゃいますが、失敗すると大損失につながることもありますし、保証の問題もありますので一条工務店にお願いするのが確実です。

正直費用は10年で数万円程度です。

2.室外機の交換

大型エアコンの室外機と同じような室外機が設置されています。この室外機が空気中の熱を使って水を温め、その水が家じゅうの床下を走る配管を流れることで、家全体が暖まるという仕組みです。この室外機は寿命が10~15年程度で、交換に30~40万円かかります。

3.リモコン部分の故障

これは、そんなに大きな金額ではなく10~20年で交換することになっても数万円程度です。まれに重要な部分の故障でもっと大きな金額が発生することもあるようです。

4.配管の修理

簡単には壊れないと思いますが、壊れた場合は悲惨です。耐用年数は40年以上と言われていますが、常時水が流れているわけですし、ひび割れなどが生じないわけではないです。特に一条工務店の場合、家じゅうに配管が走っているわけですし、お子さんがおられる家庭などでは、廊下を走り回ったりすることが多々あると思いますが、走る衝撃で少しずつですが、配管にダメージを与えることも想定できます。また重たい物を落とした際は、床表面の傷で終わると思いますが、衝撃はその下の配管にも伝わります。

結果的に、入居後10年程度で配管の水漏れが発生するケースもあるようです。保証が切れていれば、修理費自己負担で40万円程度になる例もあります。

便利な反面、複合的な機器で成り立っている全館床暖房は、どこかが壊れ多額の修理費が発生するリスクを抱えています。

【ロスガード90】

第一種換気システムです。大きな本体が外の空気を入れ、家じゅうのダクトが各部屋に新鮮な空気を送り、逆に廊下等に設置している排気用のダクトから汚れた空気を吸い取り屋外に排出しています。

この作業を行うロスガード90という大きな機械は耐用年数が10年~15年程度で、交換費用が25万円程度と言われています。さらに、単に空気を交換するだけでなく、熱交換器という装置を通じて空気を交換することで、室内の暖かい空気の熱を熱交換器が受け取り、外から入ってくる冷たい空気に混ぜることで室内に暖かい新鮮な空気として戻しています。この熱交換器も10年~15年程度で交換が必要になりますので、10万円程度かかる見込みです。

またダクトについてもトラブルが生じれば、修理に多額の費用がかかる可能性があります。

【屋根一体型太陽光パネルと蓄電池】

一条工務店の目玉商品と言える屋根一体型太陽光パネルと蓄電池のセット。パネルが屋根材としても機能する超効率的な商品です。しかしながら当然デメリットもあります。これだけの量のパネルが屋根一面にびっちり敷き詰められているのですから、配線トラブルなどが生じればメンテナンスが大変なことは容易に想像できると思います。

例えば、どこかのパネルが断線すれば、発電量が急激に減るので、屋根に上ってどこのパネルに問題があるか調べ修理する必要があります。

もちろんですが、修理費は作業費と部品費になりますが、屋根一体型太陽光パネルに精通した業者は少なく、大変な作業になるため作業費が高額になる恐れがあります。さらにパワコンなどの付属の電化製品は10年を過ぎると寿命を迎えるので20~30万円はほぼ確実にかかってきます。

もっと心配なのが将来太陽光パネルを撤去する時です。屋根からパネルをすべて外し、処分となりますが、撤去費用も処分費も高額になる可能性があるため、月々の売電収入で電気代は安く済みますが、多額の費用が発生する可能性も0ではないです。

【ハイドロテクトタイル】

この外観で一条工務店と分かるくらいに、一条工務店らしさを出すタイルですよね。基本的に塗装などのメンテナンスがいらない代物になっています。

基本的に塗装などのメンテはいらないですが、コーキングの交換が必要になり、30年で60万円程度かかる可能性があります。

またタイルを陶器製のため割れが生じるリスクが多々あります。その都度修理をするとなると数万円単位の出費が30年のうちに何度か発生するかもしれません。

【全館さらぽか空調】

出所:https://www.ichijo.co.jp/

最近人気のさらぽかです。この設備を入れることで、夏場エアコン冷房で冷やすのではなく、床に水を流してひんやりさせることと、小型デシカント技術で冷たく乾燥させた空気を各部屋に設置した天井型エアコンのようなサーキュレーター(送風機)で各部屋に送ります。

エアコンと違い、室温を大きく下げずに、湿度を下げることができるため、避暑地のような心地よい空間になるということで大変人気の商品です。

但し財布には優しくないようで、デシカント換気システムも各部屋のサーキュレーターも耐用年数は10年程度で換気システムは交換に30万円程度、サーキュレーターは1台3万円程度かかります。例えばサーキュレーターを5台設置していれば、10年で45万円の維持費がかかりますね。

【お風呂やキッチンなどの設備】

最後はその他の設備や建具です。

キッチンやお風呂なども一条工務店はほぼオリジナル商品です。

これは一般的な話になりますが、オリジナル商品というのは、他製品と比較ができない、かつ施工を一条工務店に頼まないといけないため、競争が起きないです。つまり割引やサービスなどの概念がなくなるため、高値で提示されても従わざるを得ないです。

正直、壊れたら安い他社製品にしても良いのですが、一条工務店の家は、床下は全館床暖房用の配管があったり、天井はロスガード用のダクトがあったりと、特殊な家のつくりになっているため、よくわからない業者が施工すると後々トラブルになる可能性があります。

結局、設備や建具が壊れて交換になっても、再度一条工務店にお願いする例が圧倒的に多く、長い目で見た時にメンテナンス費用が高くつく可能性は十分にあります。

【結論】

一条工務店の強みは、自社製品で高性能化住宅を目指し、高性能な住宅をできるだけ低価格で提供することです。その反面、施主はほぼすべてを一条工務店に頼むことになり、逃げられない状況になるため、結果的に費用が高くても長く一条工務店にメンテナンスをお願いすることになる可能性があります。

※これはあくまで一例であって、実際は、他社に頼むよりも一条工務店が安くメンテを行い、メンテ費用も含めて安く済む可能性も0ではありません。

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