以下は、Ua値別の光熱費と太陽光発電および蓄電池導入後の実質光熱費の詳細比較表です。各条件をさらに掘り下げており、具体的な数字と計算を加えました。これにより、太陽光発電と蓄電池の導入がもたらすメリットを詳細に理解できます。
1. 前提条件(再掲と詳細化)
- 地域: 東京近郊(一般的な日射量を基に計算)
- 住宅規模: 延床面積100㎡(約30坪)、2階建て
- 家族構成: 4人
- 冷暖房方式: 高効率エアコン(冷暖房負荷に基づく電力使用)
- その他の光熱費: 給湯、照明、家電(オール電化住宅)
2. 光熱費の項目
- 冷暖房費: 冷暖房のみのエネルギー消費
- その他光熱費: 給湯、照明、家電の消費電力(年間12,000kWh想定)
3. 太陽光発電と蓄電池の前提
- 太陽光発電容量: 5kWまたは10kW(年間発電量 5,500kWh or 11,000kWh)
- 自家消費率:
- 5kW: 30%(1,650kWh)
- 10kW: 25%(2,750kWh)
- 売電単価:
- 5kW:16円/kWh(FIT適用)
- 10kW:11円/kWh(非FIT)
- 蓄電池容量: 7kWh(90%効率、1日最大使用:6.3kWh)
- 自家消費増加量(蓄電池導入による自家消費量の増加)
- 5kW: +1,200kWh/年
- 10kW: +2,200kWh/年
- 蓄電池使用時は昼間の余剰電力を蓄え、夜間に使用(売電よりも自家消費優先)
4. 電力単価と売電収入
- 電気代単価: 30円/kWh
- 売電単価:
- 5kW未満:16円/kWh
- 10kW以上:11円/kWh
5. 年間光熱費と太陽光+蓄電池導入後の実質コスト比較表
(1) Ua値別 年間光熱費(冷暖房+その他光熱費)
Ua値 (W/㎡K) | 年間冷暖房費 (円) | その他光熱費 (円) | 合計光熱費 (円) |
---|
0.87 (旧基準) | ¥64,000 | ¥120,000 | ¥184,000 |
0.60 (ZEH基準) | ¥49,800 | ¥120,000 | ¥169,800 |
0.50 (G1) | ¥43,900 | ¥120,000 | ¥163,900 |
0.40 (G2) | ¥35,700 | ¥120,000 | ¥155,700 |
0.30 (G3) | ¥29,700 | ¥120,000 | ¥149,700 |
(2) 太陽光5kW + 蓄電池導入後の実質光熱費
Ua値 (W/㎡K) | 太陽光5kW導入後の自家消費分節約 (円) | 太陽光5kW導入後の売電収入 (円) | 実質コスト (円) |
---|
0.87 | ¥49,500 | ¥61,600 | ¥72,900 |
0.60 | ¥49,500 | ¥61,600 | ¥58,700 |
0.50 | ¥49,500 | ¥61,600 | ¥52,800 |
0.40 | ¥49,500 | ¥61,600 | ¥44,600 |
0.30 | ¥49,500 | ¥61,600 | ¥38,600 |
(3) 太陽光10kW + 蓄電池導入後の実質光熱費
Ua値 (W/㎡K) | 太陽光10kW導入後の自家消費分節約 (円) | 太陽光10kW導入後の売電収入 (円) | 実質コスト (円) |
---|
0.87 | ¥82,500 | ¥90,750 | −¥109,250 |
0.60 | ¥82,500 | ¥90,750 | −¥123,450 |
0.50 | ¥82,500 | ¥90,750 | −¥129,350 |
0.40 | ¥82,500 | ¥90,750 | −¥137,550 |
0.30 | ¥82,500 | ¥90,750 | −¥143,550 |
6. 蓄電池導入前後の実質光熱費コスト差
Ua値 (W/㎡K) | 太陽光5kW(蓄電池なし) | 太陽光5kW(蓄電池あり) | 差額 (円) | 太陽光10kW(蓄電池なし) | 太陽光10kW(蓄電池あり) | 差額 (円) |
---|
0.87 | ¥72,900 | ¥56,100 | −¥16,800 | ¥10,750 | −¥31,050 | −¥41,800 |
0.60 | ¥58,700 | ¥41,900 | −¥16,800 | −¥3,450 | −¥45,250 | −¥41,800 |
0.50 | ¥52,800 | ¥36,000 | −¥16,800 | −¥9,350 | −¥51,150 | −¥41,800 |
0.40 | ¥44,600 | ¥27,800 | −¥16,800 | −¥17,550 | −¥59,350 | −¥41,800 |
0.30 | ¥38,600 | ¥21,800 | −¥16,800 | −¥23,550 | −¥65,350 | −¥41,800 |
7. 分析と解説
- Ua値が低いほど、冷暖房費が抑えられる: 断熱性能が良いほど、冷暖房負荷が少なくなるため、光熱費が大幅に削減されます。
- 太陽光発電の導入による効果: 太陽光発電を5kWまたは10kW導入することで、年間で数万円の光熱費削減が可能です。また、蓄電池を導入することで、自家消費を最大化し、夜間の電力使用をカバーすることで、さらに経済効果が増大します。
- 10kWの太陽光+蓄電池の導入が最も経済的: 特に、Ua値が高い住宅(断熱性能が悪い住宅)ほど、太陽光と蓄電池の導入による光熱費削減の効果が大きく、黒字の状態になることもあります。
8. 結論
- Ua値が低い(高断熱)の住宅ほど、太陽光発電と蓄電池の効果が最大化され、光熱費がゼロまたは黒字の状態になります。
- 特に、Ua値0.30(超高性能住宅)+10kW太陽光+蓄電池を組み合わせることで、年間の電力コストをゼロに近づけることが可能です。