世の中にお得情報は必ずあります。大抵政府や大手企業がこぞって補助金だの割引だの騒ぎ始めたらほぼ間違いなくお得情報です。すぐに調べて、最も得をする方法を勉強しましょう。もし、政府や大手企業があまり積極的に活動していなかったら、お得な時期ではありません。次のお得な時期を待ちましょう。
太陽光パネルはどうでしょうか。間違いなく今は東京都以外はお得な時期ではありません。東京都だけは、独自の補助金を始めていて、めちゃくちゃお得な時期になっています。
全国の戸建の10キロワット未満の太陽光パネルの設置件数の推移を見ると、
2011年年度までの累計が98万件で、2012年度から2014年度に一大ブームが来て、このわずか3年で、2014年度末時点で190万件に膨れ上がりました。3年で2倍以上という異常事態です。その後の5年間も低調に推移し、2019年度末に260万件となっております。
では過去を振り返り、いつがベストの導入時期だったのかを見ていきます。
3つの要素であるパネル価格、設置工事費、電気の売電単価(FIT)のバランスで一番利益が出る時期がベストな導入時期となります。
FIT制度は、2012年度から始まったため、初年度の2012年度、導入件数が一気に減った2015年度、停滞期の真っただ中であった2019年度、直近の2021年度の4地点の分析を行い、どの時期がお得だったのかを分析する。
ここでは、平均的な5キロ分の太陽光パネルを屋根に設置した場合を想定します。
そして、年間の発電量は1キロワットのパネルで平均1000キロワットが相場なので、
5キロワット搭載したら年間5000キロワット発電すると仮定する。
現時点でFIT期間が終了する10年後は多くても8円程度の買い取り額になること、FIT終了後の条件はあまり差がでないことから、10年間の累計の収入と導入コストを比較して、最もお得と思われる時期を考える。
結果は以下のとおり。
分析結果に驚きました。
一番導入数の多かった2012年よりも、ブームが収まった2015年度のほうが安くなることに。
考えてみたのですが、この3年間のパネル価格の低下と工事費の低下が著しいです。
つまり、ブームで一気に太陽光パネルが売れて、工事が殺到したので、パネルも大量生産で一気に価値が下がり、工事業者も競争が激化したことで価格競争が起こったこと、各業者が設置のノウハウを得て、作業単価が下がったことが考えられます。
結果FIT価格が42円から33円と大きく下げておりますが、収支で見ると、最も良い結果になります。
さらに驚いたのが、FIT価格が大きく下がっている2019年度が2番目に良い結果をおさめています。同様の結果で、パネル価格や工事価格の低下によるものですが、それ以上にFIT価格が2015年度と比べて低下しているので、2015年度の方が良いことが分かります。
結果、2015年度が一番お得だったことが分かります。
ここで重要な点があるのですが、FIT価格が買電価格を下回ると、売るよりも自家消費した方がお得であることが分かります。
2015年くらいまでは、30円も超えていますし、全量売電したほうが良かったですが、2019年度と2021年度はFIT価格が大きく下がっているので、自家消費の方がお得と考えます。
ここでは、自家消費で浮いたお金=1キロワット購入時の価格なので、再エネ賦課金や燃料費調整額なども加味して、平均的な昼間の電気料金を考え、1キロワット=30円とします。
つまり自家消費に回せば30円の支払いを免除されるので、30円得したと考えるわけです。
この条件で、発電量の2割を自家消費したと考えてみましょう。つまり年間1000キロワットは自家消費に使うと想定します。
また、2012年度は1キロワット当たり3万円のパネル補助金があったので、15万円引きます。
結果は次の通りとなりました。
完全に補助金の効果が大きく2012年度が一番になりました。結局2012年度に最も契約件数が多いのは最もお得に導入できたからというのが分かります。結局、補助金などが大盤振る舞いされている時期は一種のお祭りのようなもので、最もお得な時期だということが証明できました。
もう一つ面白い事実は、自家消費を考えたら、FIT価格が下がった2019年度は2015年度よりお得になり、もっとFIT価格が下がり、今は太陽光をつけてもお得でないと言われた2021年度でさえ、2015年時点と大きな差がありません。
さらに面白いので、日中常に誰かが家に在宅している家庭で、自家消費率が4割まで上がったらどうなるか見てみましょう。
つまり、5000ワットのうち2000ワットを自家消費するとします。
結果は、
驚きですね。FIT価格が最も低い2021年度が最もお得になりました。いいですか。FIT価格も高く、補助金もあった2012年度より、2021年度の方がお得になるんですよ。
共働きが多い現代において、自家消費率が高い家庭は少ないかもしれませんが、答えはお得な導入する時期は家庭によって違うが、日中家にいない家庭は2012年度、日中ほぼ家にいて、がっつり電気を使う家庭は、2021年度がお得となります。
※今回のシミュレーションでは、どの場合でも10年で元を取るのは難しいことが分かりました。もちろん、天気が良い地域だともっと効率よく発電しますから、結果も変わってきます。また、新築時に導入する場合、住宅会社が太陽光を使って、お得に見せるテクニックを使います。
つまり、値引きの代わりに太陽光を安く設置するんですね。
例えば、本来200万円する太陽光を100万円で導入すれば、実質100万円の値引きと同等の効果がありますが、買った人はよりお得感があるわけです。このような買い方をした人はこぞって、太陽光は10年でたくさん利益が出るといいます。
では、ここまでの話を理解した皆さんならある程度予想はついていると思いますが、次の太陽光パネル導入が最もお得になる年はいつ頃だと思いますか。
ここでは、2つの大きな要因が影響します。
1.断熱や省エネに力を入れている政府や自治体がいつお得な補助金制度を始めるか。
2.蓄電池がいつ大容量化かつ価格が暴落するか。
東京都が先駆けて、異例の補助金を太陽光パネルに出したということは、他の自治体も近いうちに出してくる可能性が非常に高いです。
これは2023年度なのか、もっと先なのか分かりませんが、近い将来と予想します。
次に蓄電池暴落かつ大容量化の時期ですが、まもなくだと思います。
というのも、2012年~2014年に太陽光パネルは100万件くらい一気に売れており、その人たちが続々と10年間のFITを卒業して、数円でしか売れなくなります。そうなると、その人達は、売らずに自家消費しようと考えますが、日中に使い切れないので、蓄電池を検討します。
つまり、2023年~2025年にかけて、蓄電池の売上が一気に増えます。
液晶テレビもそうでしたが、数年で一気に価格が急落し、かつ高性能化しました。家電はいつでもそうです。となると、蓄電池の大容量化、価格の急落は2025年から2026年頃に起こると
考えられるでしょう。
さらに国は、2025年度以降、断熱基準の義務化を行い、断熱により力を入れて、省エネ性能を高めようとしますので、太陽光パネルに補助金を出す可能性が非常に高いです。
つまり、2023年~2025年は、各自治体が徐々に補助金を出して、再度太陽光のお祭りが来て、また太陽光パネルの価格低下が起こり、2025年頃には太陽光パネル及び蓄電池の価格が急落していて、さらに国の補助金が入る可能性が高いので、2025年頃が最もお得な時期と考えます。
もちろん蓄電池も一緒に買って、すべて発電を自家消費に回せば、FIT価格がいくらになろうと関係ないわけです。
コメント