熱貫流率:窓における熱の通す量を数値化したもの。大きければ大きいほど冬は外の冷気が
入ってくるし、夏は外の熱が室内に入ってくる。
アルミサッシで1枚ガラス:6.51
アルミサッシで2枚ガラス:4.07
アルミ樹脂複合サッシの2枚ガラス:3.49
アルミ樹脂複合サッシの2枚ガラス(Low-E):2.91
アルミ樹脂複合サッシの2枚ガラス(Low-E+アルゴンガス入):2.33
樹脂サッシの2枚ガラス(Low-E+アルゴンガス入):2.15
樹脂サッシの3枚ガラス(ダブルLow-E+アルゴンガス入):1.60
それぞれの窓に樹脂サッシの2枚ガラス(Low-E+アルゴンガス入)を入れた時の
熱貫流率をそれぞれ計算
アルミサッシで1枚ガラスに内窓追加:1.61(4.9向上)
アルミサッシで2枚ガラスに内窓追加:1.41(2.66向上)
アルミ樹脂複合サッシの2枚ガラスに内窓追加:1.33(2.16向上)
アルミ樹脂複合サッシの2枚ガラス(Low-E)に内窓追加:1.24(1.67向上)
アルミ樹脂複合サッシの2枚ガラス(Low-E+アルゴンガス入)に内窓追加:1.12(1.21向上)
樹脂サッシの2枚ガラス(Low-E+アルゴンガス入)に内窓追加:1.08(1.07向上)
※樹脂サッシの3枚ガラス(ダブルLow-E+アルゴンガス入)に内窓を追加した場合の
数字についてはデータなし。多分想定外。
結論:外窓がどんな性能であっても、最高性能の内窓をつけることで、
超高断熱住宅に使用される樹脂サッシの3枚ガラス(ダブルLow-E+アルゴンガス入)
相当以上の熱貫流率を実現。
また、熱貫流率の向上を見ると、性能が低い外窓ほど、内窓の効果が絶大なことが分か
る。
最近の新築ではローコスト系でもアルミ樹脂複合サッシの2枚ガラス(Low-E+アルゴン
ガス入)以上の性能がある場合も多い。この窓に内窓をつけても改善率は、アルミサッ
シ1枚ガラスの場合と比べて25%程度まで落ちる。
断熱材との比較:一般的な新築の壁に使用される高性能グラスウール24kが100ミリだと
0.36ぐらいになるので、樹脂サッシの2枚ガラス(Low-E+アルゴンガス入)
に内窓追加しても、能力は3分の1程度
内窓の選び方
・LowEガラスの場合断熱型か遮熱型か
断熱ガラス:内側の熱を外に逃がさない
遮熱ガラス:外側の熱を室内に入れない
原則:東西北面は遮熱型。南面は断熱型
例外:外窓がLowEガラスの場合、外窓断熱型、内窓遮熱型はNG!熱割れリスク大!
外窓が遮熱型でも、複層ガラスなら熱割れリスクは多少ある。
熱割れとは
外窓と内窓の間の空気層は、夏の直射で温められる。この時に、外窓が異常なくらい熱くなり、割れること。
もし、内窓が遮熱型だと、内窓に当たった太陽熱は、外窓に向かって跳ね返る。外窓が断熱型だと外窓は熱を室内側に返すので、熱が両方の窓の間で行き来して溜まり、間の空間が異常な温度になり、外窓も内窓も熱割れする可能性が高い。
そもそもが、内窓を遮熱型にすると、外窓に向かって熱が返ってくるし、外窓は常に太陽熱にさらされるので、多少なりとも熱割れリスクが出てくる。外窓がシングルガラスなら、熱を保持する能力が低いので、熱割れリスクはある程度軽減できる。
熱割れは、外窓が断熱型LowEであったり、熱貫流率の低い高性能な窓であればあるほど、熱を蓄えるので、熱割れリスクを高める。
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