節約において何年でもとが取れるかという計算はあてにならない!

めっちゃ良く使われる手法であり,ほぼ全員が騙されていることがあります。

それは何年でもとが取れるかという計算です。

例えば冷蔵庫やエアコンです。

特にエアコンで説明します。

10年前のエアコンと今のエアコンを比較すると省エネ性能が格段に上がっていて、

年間1万円も光熱費が削減されます。そして買い替えにかかる費用が7万円だから、

7年でもとが取れます。

エアコンは10年以上使いますし、最新エアコンのほうが機能もたくさんついて見た目も

綺麗だし、性能も良いから買い替えませんか?

と聞かれたら、多くの人は買い替えてしまうと思います。

さて、この話の落とし穴はなんですか?

実は2つ落とし穴があります。

多分9割の方が両方の落とし穴に見事にはまると思います。

以下2点の観点が抜けています。

1.年間1万円の差がどのように生じるのか不明

2.7年後の1万円は今の1万円より安い

1つずつ解説しましょう。

1は感覚で分かると思います。今1万円もらうのと、7年後に1万円もらうのはどっちがいいですか?というよりどっちが価値がありますか?これは間違いなく今もらう1万円ですよね。実際1万円を銀行に預ければ、必ず1万円以上になりますし、そもそもが今7万円はらわずに、7万円を国債などに投資すれば、7年後には、数千円は増えているはずです。もっと言えば、住宅ローンなどを抱えている人は、7万円を繰り上げ返済に使えば、年利1%程度の利息がその分減るので、毎年700円安くなります。年利2%ならば1400円安くなります。この場合、7年で1万円くらい安くなりますからね。実際今の7万円は8万円の価値になるんですよ。

この感覚は非常に重要です。これを7年後の1万円を現在価値になおすと言います。経済学の考え方です。

次に年間1万円安くなる根拠です。

実は、大きな落とし穴があって、実はエアコンってみなさんが思っている以上に電気代かかってないんですよ。

例えば一人暮らしで働いている人は、1日数時間程度しかエアコンを使っていない人も多いです。しかも節約好きの方や光熱費気にする方なら、多少の暑さや寒さは我慢するでしょう。実は、今エアコンにかかっている電気代が年間1万円くらいって落ちもあります。

そうなると、エアコン買い替えたところで0円になることはあり得ないので、せいぜい7000円程度に下がるくらいです。年間3000円しか安くなりません。7万円を取り戻すのに、23年くらいかかります。確実にエアコンがぶっ壊れそうです。

でも、最新エアコンなら多機能で性能もいいのでは?という声が聞こえてきそうですが・・・・残念ですが、エアコンの機能ってほとんどの人がほぼ活用していません。温度や風量変えたり、タイマー設定したりするくらいじゃないですか?それなら10年前のエアコンでもできます。性能も電気代以外は大差ないです。

では年間1万円の節約は虚偽か?いいえ違います。小さい字で想定されている環境が書いてあります。例えば、6月から10月、12月から4月に夏は設定温度26度、冬は設定温度23度で一日18時間使用すると書いてあります。

ちょまてよ!使ってない時期は5月と11月でほぼ年中つけっぱなしじゃないか!?

ってなりますよね。

こんな贅沢三昧にエアコン使っていたら、年間のエアコン代が5万円とかになるんですよ。

その状態から省エネエアコンに変えると4万円になって、1万円節約できますよっていう話ですよ。私も色々な方から話を聞いたりネットで皆さんの電気代とか調べたりしますが、そもそもほぼ毎日家にいて外出もしてない方か、24時間常時冷暖房をしている人以外は、こんなにエアコンを多用しませんよ。なので、年額1万円の節約自体が絵空事なんです。

この話って本当に良く使われるトリックですよ。ハイブリットカーでも年額10万円お得とかありますが、走行距離見たら、年間3万キロ走るとか、書いてあったり、ハイブリッド用のバッテリー交換費用が入っていなかったりざらですからね。

ハイブリッドカーも罠だらけです。実際毎日通勤で100キロとか走る方ならば、年間3万キロくらい走るので、そのような場合に限りお得です。大きな声では言えないですが、お得だと思ってハイブリッドカーに乗っている人は是非一度真剣に、本当にお得なのか調べてみてください。

仕上げに最たる例で最も損の大きい住宅の話をしましょう。

最近急上昇の〇条工〇店さんの高気密高断熱住宅についてです。

私も以前に実は見積を取ったことがあったんですが、他より1000万円高かったんですね。

でもお得だというんです。

なぜならば、光熱費で年間20万円節約でき、外壁塗装などのメンテナンスで30年で300万円節約できると言っており,合計すると30年で1100万円安くなるので、1000万円初期投資で払ってもお得なんだそうです。

もう勉強した皆さんなら、罠は見抜けますよね?

ほぼ間違いないと思いますが、今の1000万円と3年後の1100万円なら今の1000万円の方が価値があります。

少し難しいですが、元本が減っていくとは言え、99%の人が住宅ローンを組むので、高性能な家を買うと、1000万円多くローンを組む必要があります。30年固定の金利は1.3%くらいあるので、30年間を平均して考えても毎年7万円位の利息を30年間払うことになります。ざっくり利息だけで30年で210万円かかります。なので今1000万円はらうことは、30年後に利息含めた総額1210万円を払うことに等しいのです。

1100万円節約できても110万円の赤字です。

さらに毎年の光熱費20万円の節約も怪しいです。

調べてみたらやはり、先ほどのエアコンの話と一緒でほぼ1年中18時間エアコンをフル稼働していることが想定されております。さらに比較対象は現在の一般的な新築ではなく築30年とかの無断熱の低性能な住宅になっております。はっきり言いますが、築古の家で窓閉めて、年中エアコンつけるような人はいません。知っていると思いますが、隙間風だらけで、冬場にエアコンはききません。ほぼ間違いなくストーブやこたつを使っているでしょう。比較対象がむちゃくちゃで、そんな家でエアコン使っていたら電気代を垂れ流すようなもんです。

そもそも一般的な新築の年間の光熱費の平均が20万円~30万円なので、20万円削減したら0~10万円で過ごせることになります。ではこの住宅メーカーの高性能な家が本当にこんな安い光熱費で住めるのか確認したら、太陽光発電の影響を排除すると、凡そ15~25万円程度かかっているようです。床暖房をフルで使っている人は、25万円~30万円かかるようで、むしろ高くなっています。

同じ条件でも、他の1000万円安い新築と比較して、光熱費は平均5万円程度安くなるのが関の山です。

もちろん太陽光発電は、どの新築にもつけることができますし、同じように光熱費を削減しますので、今回は、計算から外していますよ。

光熱費の削減額は30年で150万円程度でしょう。

では次にメンテナンスですが、これは外壁と屋根のことを主に言っているようです。

一般的な住宅は10年毎に塗装に100万円必要とのことで、このメーカーでは30年ノーメンテでいけると言っておりますが、どっちも怪しいです。

まずこのメーカーの外壁は、割れがよく報告されており、その都度、場合によっては10万円程度かかるようです。30年一切負担なしはありえないでしょう。少なくとも50万円程度は見ておくべきです。

対して一般的な住宅では、定期的に外壁・屋根の塗装を推奨されておりますが、やっている人はほぼ皆無です。車で言えば、3か月点検をかかさずしましょうと言っているようなもんです。まあ、最低1年点検ですよね。家も一緒で多くの人は築20年くらいまでノーメンテで、全く問題ないようです。しかも築20年の時に、まとめて100万円くらいで塗装できます。

次は、築40年の時に100万円ですね。高性能な家もさすがに40年までに一度メンテが必要ですが、特殊な外壁、屋根を使っていたらメンテも多額です。40年までに200万円くらいかかる例もあります。では結果的に40年で見ればメンテ費用はほぼ同じで、30年で見ても50万円程度の差です。

光熱費とメンテ費用併せて、せいぜい200万円くらい安くなるだけです。

随分実態は違うようです。この事実を知っても高性能な家を1000万円高く買いたいですか?

私も断熱性能や気密性能が高い高性能な家については長年勉強しておりますが,もちろん金銭面以外のメリットも多いです。

・家じゅうを一定の温度に保ちヒートショックを予防

・結露などの家を傷める原因が減るので、家が長持ちする

・日々かかる出費が減るのは精神的に楽

そんなに決定打になるほどではないですね。

確かに家じゅう一定の温度にすることはご高齢の方にはメリットですが、若い方にはどうでしょう?温度差は家の中だけでなく、職場や屋外や外出先などでもしょっちゅうあると思います。温度差に慣れていないと体の発汗機能などが衰え、貧弱な体になります。

確かに温度差による風邪は減ると思いますが、長期的に見て、体を弱体化させる行為はあまり良くないです。

しかも私個人の意見ですが、冬場などは特にそうですが、家じゅうが暖かくなると、ほてってしまいます。

暖かい部屋から少し冷えた廊下に出ることで、ほてりをなくしたり、寒さで気が引き締まったりします。

特に休みの日などはダラダラ過ごしがちで、家じゅう暖かいとリラックスしてしまって、1日中ダラダラします。寒暖差があるからこそ、緊張感とリラックスがあって、生活にメリハリが出ると思います。

家が長持ちするという意見も懐疑的です。

多くの痛みは、数万円の費用で修繕できますし、どのみち間取りの問題や設備の問題で、30~40年後に大規模リフォームする例が多いので、その時についでに修繕してしまうので、あまりメリットに思いません。

車と一緒で壊れるまで住み続ける人は稀です。

大抵は、その他の理由で売却したり、建て替えたりする例がほとんどです。

古い家を維持するのは不便でお金がかかるので、それなら追加で数百万円出して、小さな目の最新の新築を建て替えた方が合理的です。

どう考えても、今4000万円で売っている高性能住宅よりも、30年後に2000万円で売っているローコストの方が高性能だと思います。

これは、30年前の100万円のテレビと今売っている3万円のテレビを比較してどっちが高性能かという質問に変えれば、すぐ分かると思います。

例え高性能でも、30年後は低性能の築古住宅です。

論より証拠で、中古物件を検索してみてください。

山のようにきれいな中古が売り出されていますよ。30年前には5000万円した家も今では

300万円で売っています。30年前に2000万円で売っていた家も今では200万円で売っています。もちろん性能にほぼ大差はないです。今では使わない風呂の中のテレビや性能の低すぎる全館空調などに価値はないです。当時は1000万円規模の価値があってもです。

さて良い答えは見つかりましたか?

身近な買い物で悩んでいることがあればコメントか問い合わせで教えてください。

可能な限り回答いたします。

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