窓の断熱性能が低い場合、真冬に窓の前に行くと、冷蔵庫を開いたような冷気が流れてきます。寒いのでカーテンを閉めると、窓にべったり結露が発生し、その水がカーテンにべったりつき、カーテンがカビまみれになります。
こうなると、窓もカーテンもカビだらけで、冬場は開かずのカーテンとなります。
はっきり言いますが、カーテンで冷気はほぼ防げないです。気休めになりますが、冷蔵庫のドアが開いていて、その前にカーテンつけても、冷気は漏れますよね?
窓にカーテンも全く同じで、常に冬の窓からは冷気が部屋中に侵入し、部屋を冷やし続けます。
今でも多くの家では、アルミサッシのシングルガラスが使われています。
そして、20年位前からアルミサッシのペアガラスが使われ始めました。
さらに10年位前からアルミ樹脂複合サッシのペアガラスが使われ始めました。
最近までは、アルミ樹脂複合サッシのLowEペアガラスが主流で使われて
いまして、今でも主流ですが、本当に最近は樹脂サッシのLowEペアガラス
が主流になりつつあります。
※LowEとはガラスの間につける金属膜のことで、熱を反射することで、室内の
温かい空気や冷たい空気を保つ働きがあります。この金属膜のおかげで断熱性能
がアップします。
ここでは、ざっくりですが、窓の性能を示す熱貫流率という数値で、各窓を比較しましょう。
大きい数字ほど、より多くの熱が外に逃げていくわけです。
アルミサッシのシングルガラス:約6.5
アルミサッシのペアガラス:約4.2
アルミ樹脂複合サッシのペアガラス:約2.9
アルミ樹脂複合サッシのLowEペアガラス:約2.3
樹脂サッシのLowEペアガラス:約1.7
良い物と悪い物では4倍くらい違いがあります。
家の熱の半分は窓から逃げると言われているので、
壁・床・天井と比べれば微々たるスペースである窓から熱の半分が逃げていると
なれば、いかに窓が断熱性能が悪いか分かるはずです。
参考ですが、昔の家でも壁の熱貫流率は1程度です。
最近の家では、ローコストでも壁の熱貫流率は0.5程度はあります。
いかに窓が高性能化しても壁に敵わないのが分かると思います。
もちろん面積が全く違うので、実際は壁から逃げる熱量もそれなりに
ありますが、
今の新築と一昔前の中古住宅で、壁や天井、床の断熱性能は劇的に上がっていないんです。
一昔前が0.6程度なら、今は平均0.4とかその程度です。
しかし、窓は一昔前が4.2なら今は1.7などと飛躍的に断熱性能が向上しているのです。
つまり、一昔前の家でも内窓を設置することで、高断熱化すれば、今の新築と大差ないか
むしろより高性能化できるというわけです。
ちなみに一昔前の家で主流だったアルミサッシのペアガラス:約4.2に樹脂サッシのLowEペアガラスを設置すると熱貫流率は1.5程度まで向上します。
つまり現在の高断熱の新築に設置される樹脂サッシのLowEペアガラス:約1.7
よりも高性能な窓にできるわけです。
これらの数値を比較しても一目瞭然だと思いますが、壁などを0.6→0.4にすることよりも窓を高性能化したほうが、目に見えるくらいに家が高断熱化します。ついでに内窓は、窓部分がしっかり密閉されるので、高気密化もできます。
さらに言えば、内窓なら総額100万円以内でできますが、壁などを高断熱化しようと思うと、一度壊して、中に断熱材を敷き詰める必要があるので、300万円程度はかかる計算になります。
とにかく費用もかかるわりに、効果がそれほど大きくないのが、窓以外の高断熱化です。
床や天井は、窓同様に50~100万円で高断熱化できますが、窓に比べると断熱効果は薄いです。
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