業界にいる人、詳しい人にとっては当たり前のことなんですが、詳しくない素人からすると仕組みが全く分からないんですね。
よく覚えておいてもらいたいのですが、キッチンの値引き率はほとんどが異常です。ハウスメーカーなどの多くは場合によってはキッチンメーカーから8割引きで仕入れたりします。多くの場合で間違いなく半額以下で仕入れています。
カタログを見れば一目瞭然なのですが、定価と購入価格は全く異なり、定価なんてあってないようなものです。以下は私が実際に入手した見積もりや資料です。



キッチン購入までの流れですが、
キッチンメーカー→ハウスメーカーや工務店→施主
となります。私達施主はキッチンメーカーの見積書をショールームなどに行くことで手に入れることができます。しかし残念ながら、ショールームなどでキッチンメーカーから直接キッチンを購入することはできません。どこかのハウスメーカーや工務店を通して購入する必要があります。
新築の場合は、建てる会社を通じるので迷うことはないですが、リフォームの場合だと、選ぶ工務店等によって見積もりの金額が全く変わってきます。
私の例でいうと、クリナップのラクエラの見積もりを取りました。
今回はリフォームで背面のカップボードのみを頼んだところ、ショールームのメーカーの定価見積もりは税抜きで367,600円です。
そして、その内容で、とある工務店にお願いしたところ、ラクエラ自体の価格は291,000円に値引きされ、取付費や配送費76,600円を計上され、最後に109,600円値引きされ、合計258,000円になりました。
取付費や配送費は必要経費と考えると、商品代は181,400円になります。
つまり367,600円→181,400円となり約半額になっています。
タカラスタンダード以外の多くのメーカーのキッチンは定価の凡そ半額で購入でき、それに取付費や配送費が加算されると考えればほぼ間違いないです。
タカラだけは特殊で、定価に近い価格で購入することになります。その代わり定価が安いので、支払額は結局同じくらいになります。
どうせ半額くらいになるので、定価なんてあってないようなものです。結局この値引き額が特に新築では利用しやすいのです。
つまり、最初の見積もりの時に、キッチンを定価で積算しておき、値引きを入れるのです。そうすると、半額も値引きしてもらえたと嬉しい気持ちになるので、そこである意味だますのです。
キッチンの相場なんて一般人は知りません。目の前のキッチンが100万円だと言われても、50万円だと言われてもどちらが妥当かわからないのが現状でしょう。
工務店などは、この価格の仕組みを上手に利用して、お得だと思わせています。
ちなみに施主は半額で買えますが、工務店などはキッチンメーカーからもっと安く仕入れています。場合によっては8割引きなどです。
今回の例でいえば、367600円のキッチンを70000円程度で仕入れ、施主に180000円程度で売るということです。工務店はここで利益110000円を手に入れます。定価が高ければ高いほど、工務店の仕入れ値もわかりにくくなるので、施主に利益をたくさん取っていることが気づかれにくいです。
たまにネットなどで、キッチン8割引きなどの記事がありますが、これは、工務店が仕入れ値で施主に販売している例になります。これでは、工務店の利益がないではないか?と思われるかもしれませんが、多くの場合取付費を多額にして、利益を確保しています。なので、ある意味悪徳で、格安キッチンで客を寄せ、見積もりで多額の取付費を計上して、支払総額は、相場通りか、もしくは相場以上にする手口です。
客は、既にキッチンを安く買えたと満足していますし、取付費の相場が分からないため、だまされやすいです。
キッチンは必ず複数社から見積もりを取りましょう。これは、たとえ同じキッチンでも扱う工務店によって価格が全く異なるからです。
実は、キッチンメーカーから工務店への卸値は、工務店の販売実績によって決まります。
年間10売る工務店と1000売る工務店では、キッチンメーカーからの扱いも全く異なります。
やはり1000売るところは強いです。キッチンメーカーも多く値引きをします。
つまり、片方は50%の値引き率なのに、もう片方は80%の値引き率になっているなどもよくあるとということです。この値引率は工務店にとっては社外秘なので絶対に教えてもらえません。つまり工務店が仕入れ値にいくら盛って、施主に見積額を提示しているかは分からないということです。
一番わかりやすい方法は、その工務店が新築などで標準で採用しているキッチンを選ぶということです。標準で採用しているということは、多数の取引があるはずですので、値引き率も大きくなっていることが明らかだからです。もし、標準外のものを頼むと、値引きは期待できないと思います。
良いキッチンを安く手に入れたければ、定価は無視してください。気に入ったキッチンを見つけ、複数社から見積もりを取ってください。この手順によって満足のいくキッチンが買えるはずです。
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