内窓設置の第一の目的は間違いなく光熱費削減だと思います。
結局内窓つけたら快適になるというのは,同じエアコンの使用で快適になるということですから、同じ快適性を求めるという基準で考えると,内窓を付ける前に室温を22度に保とうとすると、毎月エアコン代が8000円かかっていたところを4000円にできるというような効果が出てくるわけです。
なので、内窓を付ける前は,エアコンをけちって、節約し,月4000円くらいで使っていたが、断熱性能が低く,室温は常に19度程度で寒さに耐えていたところ,内窓をつけて断熱性能が劇的に上がり,同じ4000円のエアコン代で室温が22度まで上がり快適になったということです。
極論金があるなら、大型のエアコンをフルで稼動すれば、断熱性能が低くても快適になります。
その他内窓には防犯性の向上や防音性能の向上などもありますが,防犯ならシャッターがいいですし、防音を気にするのは線路沿いや幹線道路沿いの場合や自宅で楽器を演奏する場合などの例が多いので、あくまで少数派の理由か副次的な理由となります。
さて,中々既存住宅に内窓をつけた時、実際に光熱費がどれくらい削減されるのかを実験している例はなかったため,今回数字をしっかり伝えていきたいと思います。
まず我が家のスペックですが,
内窓設置前のUa値が0.61で
内窓設置後のUa値が0.49です。
設置前の性能はZEH基準である0.60とほぼ同等です。
最近の建売やローコスト住宅だと0.60~0.87の間位,
大手ハウスメーカーの標準だと0.5~0.6位,
高断熱を売りにしているハイスペック住宅だと,
0.2~0.5の間という感じです。
もちろん0.2と0.5では熱損失の量は倍以上違うので光熱費は格段に
変わってきますが,内窓リフォームで0.2を目指すのは不可能ですし,
そもそも住宅の価格帯が全く異なる別カテゴリーなので,
今回はリフォームを見据えたレベルで話をしたいです。
私の家の内窓設置前の性能は,多くの人がお住まいの家の断熱性能に
比較的違いのではないかと思っておりますので参考になると思います。
ちなみに断熱の基準を表す指標には以下があります。
断熱等級4(次世代省エネ基準):Ua値0.87
※多くの建売やローコストはこの基準を満たすと高断熱と謳いますが、実際は全く高断熱ではありません。むしろ現在の断熱基準の最低レベルと理解ください。
断熱等級5(ZEH基準):Ua値0.60
※大手ハウスメーカーが満たすレベルです。このへんを超えてくると,冬ある程度暖かい
家になりますが光熱費は結構かかります。
断熱等級6(HEAT G2グレード):Ua値0.46
※ここを超える住宅は,高断熱と言っても問題ないと思います。正直,日本全国でもこの
基準をクリアする家を作るメーカーは少数になってきますし,価格も高くなっていきます。
断熱等級7(HEAT G3グレード):Ua値0.26
※日本でこのレベルの家を売っている大手ハウスメーカーは,某〇〇工務店です。
工務店でも実現しているところは多いですが,とにかく価格が高いです。相当寒がりかつ寒い地域に住んでいないと初期費用を回収するのは難しいと思います。
注意)Ua値は地域によって基準が異なりますが,今回は多くの人が住む6地域を想定しております。都市部はほとんど6地域です。私の家の場合,
断熱等級5から断熱等級6にグレードアップした感じになります。
内窓だけだと,0.49ですが,すべての窓にハニカムシェードを設置したので,その効果で
0.46になります。
ざっくりですが,断熱等級5から断熱等級6へ性能向上した場合の光熱費の削減については,
年額2万円程度でした。
具体的には,以下のとおりです。
我が家では,冷房を6~9月,暖房を12月~3月に使用しています。
高断熱になると,微妙に寒い11月や4月は暖房ほぼなしでいけます。
夏の暑さの軽減もできますが,断熱が高まっても室温が下がることはないので,一定以上の暑さになると冷房は必須です。しかし冷え方が格段に良くなります。
2020年と2021年で比較すると,
大体の冷暖房費は,
2020年
6月:2000円
7月:5000円
8月:6000円
9月:3000円
12月:6000円
1月:1万円
2月:8000円
3月:5000円
合計:45000円
2021年
6月:1500円
7月:3500円
8月:4000円
9月:2000円
12月:2500円
1月:7000円
2月:4000円
3月:1500円
合計:25000円
冬のほうが格段に削減額が大きかったです。
コメント