ポジショントークだらけの新築高気密高断熱住宅(節約やお得の観点では危険)

1-6.断熱性能・気密性能関係

はじめに言っておくと、高気密高断熱住宅はこれからの日本において非常に重要になります。

ヒートショック予防、家の長持ち、光熱費節約、快適性の向上などなどメリットは多くあります。

唯一最大のデメリットは、価格が高いことです。

あと見落としがちなデメリットとして、家のスペースが狭くなることです。壁が分厚くなるので、内部のスペースが壁の厚み分だけ狭くなるからです。イメージで言えば、今のあなたの家の外壁に面したすべての壁に国語辞典ぐらい分厚い本を隙間なくすべて貼っていったイメージです。

高気密高断熱の代表格ともいえる〇条工務店さんだと19センチもの断熱材を壁の内部に入れており、その周りに石膏ボードや空気層があるわけなので、22センチ程度はあるわけです。

断熱材自体の厚みが一般平均より10センチくらい厚いので、親指と人差し指を広げた長さ位壁が内側に迫ってきます。なので、高気密高断熱住宅は平均より狭い家が多いです。

あと〇条工務店もそうですが、少なくとも高気密高断熱にすることで500万円くらいは余分にかかっていると思います。実際には、利益をもっとのせているように思えますが、少なくとも500万円くらいは余分にかかっていると仮定しましょう。

ここで一般的な知識を持っている方なら「高いな!」と思い、購入検討をやめる可能性が高いです。

ここからがポジショントークなのですが、営業の方は、決まって30年で1000万円程度光熱費が削減できますという話をします。

つまり、建築費に500万円余分に費用がかかっても、結果的に1000万円節約になるので、500万円得をするという流れになるわけです。

これを聞けば、お得じゃん!となり、初期投資のような考え方になるわけです。

ただ、頭の良い人は気づくと思いますが、高気密高断熱で差がつく電気代って基本はほとんど冷房・暖房費だけなんですよ。

一般家庭の光熱費平均は、年間多くても30万円程度で、冷房・暖房にかけている電気代はその内3割強くらいなので、平均的に10万円程度冷房・暖房に使っていることになります。

気づきましたか?ということは、30年で300万円しか冷房・暖房に使っていないんですよ。いくら〇条工務店が高気密高断熱と言っても、0円で冷房・暖房できるわけではありませんから、同じ条件で使用して、少なく見積もっても年間2万円程度はかかるはずです。30年で60万円とみても、差額は240万円しかないので、500万円の初期投資を回収できません。

では、1000万円という数字はどこから持ってきたのでしょうか。

シミュレーションの仮定が書いてあったので簡単に解説します。

なぜか対象の物件は、ほぼ無断熱の築古の家になっており、ほぼ年中24時間、冷房か暖房をつけっぱなしにしております。さらに設定温度も夏は低め、冬は高めにしており、一般家庭の使用状況とはかけ離れた設定にしております。

そのせいで、年間30万円くらい冷房・暖房費に使っている設定になっております。そんな無駄遣いしている家庭も、そもそも新築を検討している家庭なら、高断熱な家に住むか、ローコストの新築に住むかで悩んでいるわけで、築古の無断熱との比較は全く役に立ちません。

共働きの家庭なら平日の日中は冷房・暖房不要でしょうし、夜間はリビングのエアコンを消す家庭がほとんどだと思います。

このような詳細を説明せず、前提も現実からかけ離れた設定にしていることもすべてポジショントークで相手を説得するためと解釈できます。

みなさんは、高気密高断熱住宅に住んだことがない状況で新築を買うので、営業のいうことを信じてしまいます。

もし何も仕掛けをせずに、高気密高断熱住宅に住むと、光熱費がそこまで大きく変わらないことにショックを受けると思います。正直冷暖房を使わない春や秋の季節は、光熱費はローコストとほぼ同じになりますし、真夏や真冬もこまめに消す方にとっては、あまり大きな電気代の違いにはなりません。

もちろん仕掛けをして分かりにくくしています。

太陽光・蓄電池と全館床暖房という仕掛けです。

まず、初期費用をたっぷりつぎ込んで太陽光・蓄電池を導入すると、月の電気代がほぼただか、むしろ収益になったりします。

全館床暖房は、家じゅうを24時間暖めるので、すごく快適ですが、めちゃくちゃ電気代がかかります。それでも高気密高断熱住宅のおかげで、ローコストの局所暖房と同じくらいにできています。

つまり、ただでさえ高い初期建築コストに太陽光・蓄電池と全館床暖房の費用も上乗せして、

平均よりも合計1000万円程度高い建築コストを請求するわけです。

快適性を無視すれば、私の生活スタイルでいけば、光熱費が年間25万円ですので、30年で750万円になり、〇条工務店なら、最初の10年は売電収入も含めて0円を維持して、その後20年で年間10万円程度かかり、光熱費で200万円程度見ておいたほうがいいので、

光熱費は差額で550万円程度節約になりそうです。結局初期費用の1000万円はペイできないですし、快適性のために450万円余分に払うのか、太陽光や床暖房などの設備は故障のメンテなどで莫大なお金がかかることなど考慮すると全くお得感がないです。

特に床暖房は、エアコンと同じように大型の室外機を使っており、早ければ10年で30~50万円程度の交換費用がかかるようなので、30年で100万円程度はメンテ費用を確保すべきですし、太陽光パネルも30年故障しない可能性は低いです。発電効率も下がりますし、断熱材も劣化するので、断熱性能も下がり、徐々にローコストの性能に少しずつ近づく可能性もあります。

完全に原点に返りますが、そもそも最近人気になってきている高気密高断熱住宅を皆さんが求める理由って何でしょうか。

節約のためなら、慎重に考えるべきですし、快適性を求めるなら、今のローコストでも十分満足のいく家が山ほどありますし、私のお勧めする中古住宅の高断熱リフォームで安く確実に高断熱住宅を作ることができます。

是非騙されずに、お得に高気密高断熱住宅を取得してください。

節約やお得さを求めるなら、築浅中古住宅の高断熱リフォーム一択になると

思います。

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