私も当初は賛成でした。家の性能について勉強すればするほど、家の断熱性能、気密性能が高ければ、夏涼しく、冬暖かい家ができる。光熱費を節約できる。いいことばかりだ。高性能=正義と信じて疑わなかったのですね。
しかし、高気密高断熱住宅はとにかく高いです。結局量産型のローコスト系などは対応していないので、必然的に高価格帯のハウスメーカーや高価格帯の工務店にお願いすることになりますが、1000万円くらい平気で高くなります。しかし、彼らは30年で1000万円以上の光熱費の削減ができるから、むしろ安い、今後は家の性能が重視され、低性能な家は価値がなくなるが、高性能な家は築30年でも価値が残る。よって資産として価値を維持できるし、30年以上住めば、初期費用が高くても、総額で見ればお得だと主張してきます。
この話をそのまま理解すると、お金が出せる人は購入時に、高価格帯の高性能住宅を買えば、結果的に快適な生活ができ、光熱費の削減分で初期費用で払った分は戻ってくるし、将来売却する時に高く売れるのでいいことしかないという結論になります。
しかし私は言いたい!皆さんの冷房・暖房にかける光熱費ってそんなに高くないですよ!って。私の例で言うと、年間のすべての光熱費が25万円程度です。6人家族で、別にそこまで節約しているわけでもないですが、正直、冷暖房費だけで見れば、5万円程度です。
我が家は築15年程度の中古住宅で、Ua値は0.49なので、そこそこ高性能くらいの部類です。もし、超高性能住宅に引っ越したとしても、この5万円が2万円になるくらいだと思うので、年間3万円程度の節約、30年で90万円なので、とても費用を回収できません。
理由は簡単で、私は冷暖房を人がいる時間だけ、いる部屋だけ部分間欠運転で行っているからです。多分全館連続冷暖房すれば、年間20万円程度冷暖房費にかかる可能性もあります。但し、私は全館連続冷暖房をしたいとは思いません。確かに快適かもしれないですが、お金がかかるなら節約したいです。結局は、全館冷暖房に惜しみなくお金が使える時点である程度お金持ちの方だと思いますし、私含め多くの方は、可能な限り省エネしたいと思っていると思いますので、例え高性能住宅に住んだとしても、必要最小限の冷暖房にすると思います。
30年で1000万円の節約というのは、比較対象が、ずっと昔の古家で24時間冷暖房をつけっぱなしというシミュレーションと最新の高気密高断熱住宅で同様のことを行った時の比較をしているのです。前者が年間40万円冷暖房費にかけるのに対して、後者は5万円、よって年間35万円の節約ができ、30年で1000万円程度の節約です。荒唐無稽なシミュレーションだと思いませんか?昔の家で冷暖房24時間つけっぱなしとか絶対しないですよね。そもそも冷暖房費に年間40万円かけられるくらいリッチならば、そのような方は、すぐに高性能住宅に引っ越しているはずです。前提がおかしい説明なのです。
現実は、私のように必要最小限の冷暖房で節約しながら過ごしている人が大半ですし、このような生活ならば、特に高性能住宅に敢えて暮らす必要はないと思っています。
はっきり言いますが、お買い得という観点で高性能住宅に手を出すのは絶対にやめたほうがいいです。この社会は日進月歩で進化しています。正直20年前の高性能住宅の性能は、今のローコストより下なので、今の高性能住宅も20年後のローコストに負ける可能性が高いです。つまり、今現在高性能住宅を買って、長く住むことを考えるより、家は消耗品と考えて最小限の費用で購入し、節約して維持費も安く抑え、ある程度年数が経ったら、建て直すほうがずっと経済的ですし、良くて綺麗な家に住めるということです。
最近は高性能住宅推しが強いので、敢えて反対意見も述べさせてもらいました。もちろん人によりけりなので、それでも高性能住宅が良いというのも一つの答えです。
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