騙されるな!市街化調整区域に注意せよ!

1-3. 土地購入

土地購入で失敗する理由の1つがズバリ市街化調整区域です。名前だけ聞くと、市街化を調整する区域なのだからなんとなく良い響きなんて思っている人もいるようですが、とんでもない誤解です。この区域は、ズバリ周りより今後発展させないと市町村が宣言している区域なのです。逆が市街化区域と呼ばれ、住宅もどんどん建ち、病院やスーパーや様々な施設が立ち並び、市町村も予算を投入して発展させていく地域となっています。上下水道や電気、ガスなどのライフラインも優先的に整備していきますし、駅やバス停などの公共交通機関や道路整備なども優先しますので、綺麗で便利な街が出来上がります。

車などで走っていると分かると思いますが、市街化地域はとても綺麗で様々な施設が立ち並んでおり、人で賑わっておりますが、突然畑や田園が広がり、お店などがほとんどないエリアに入ることがあると思います。市街地の中に突然そのようなエリアがあると思いますが、このようなエリアを市街化調整地域と言います。特に日本は少子高齢化で人口減少も進んでおり、将来的には、コンパクトシティにしていき、小さなエリアに全て密集され、少ない人口が集まり、効率良く生活することを目指しています。よって人口減少の激しい地方や郊外では、多くのエリアが市街化調整区域となっており、安く売り出されている例が多いです。

土地を探している時に、希望のエリアで格安の土地が見つかり、浮かれていると市街化調整区域だったという例が結構あります。私が知っているエリアでも、大きな土地が4つに分筆され販売されておりまして、相場が50坪1000万円のエリアで50坪800万円で売り出されておりました。もちろん市街化調整区域という理由で安くなっています。このように業者に整備されている土地ならば、例え市街化調整区域の土地でも、水道の引き込みなどの追加工事は不要ですし、購入後、建築に許可がいるなどの煩わしい手続きが必要ないので、購入者が市街化区域の土地を買うように家を建てることができ、安く手に入るのでお得と考えます。

一般的な市街化調整区域の土地は、相場の半値以下で売り出されている例も珍しくなくないが、購入後、水道の引き込みに100万円かかったり、建築許可が必要で、市役所に何度も交渉する必要だったりと余計な手間や費用がかかることが当たり前です。

市街化調整区域の土地のデメリットは購入時にもわんさかあるのでちょっと土地に詳しい人なら当たり前のごとく理解した上で購入しますが、素人が購入する場合は騙される例が最も多いところです。

騙される代表的な2パターンを紹介しておきましょう。

1.不動産会社が整地して安く売り出すパターン

土地を探している人は、安い分譲地を見つけ、躍起になります.不便なところにあることを分かった上で不動産屋に、市街化調整区域で不便なところにあるが、車を所有しているなら、ほとんど不便はなく、むしろ静かな環境で過ごせるのでメリットも多いなどと説得し、購入する例が多いです.購入者も希望エリアで土地を安く買え、希望の家が建てられるので納得してしまうのですね.購入後の不便さや将来の売却時のリスクはほぼ考えない人がほとんどでしょう.

大抵の場合、市街化調整区域に家を建てると、子供の小学校は市街化区域にあるため、子供の通学が不便だったり、スーパーや病院が遠かったり、雪が降るエリアだと除雪車が近くまで来なかったり、災害時の対応が後回しになったりと日々の何気ない時にデメリットを感じることが多くなります.そして、少しでも安く買えたと納得しようとしても、もっととんでもない損失が待ち構えています.それが売却時です.市街化調整区域は建て直しが認められない例が多いです.特に第三者に譲ると、その購入者が、建てられない可能性が高いです.そうなれば、その土地の価値はほぼなくなり、例え50坪800万円で安く買った土地も数十年後は50坪200万円とかになってもおかしくないのです.実際付近の市街化区域の土地が50坪1000万円から800万円くらいの値下がりで抑えられていてもです.市街化調整区域は、このような将来的な損失リスクが高いです.

2.市街化調整区域の中古住宅を間違えて購入する.

中古住宅を検索していると、たまに同じエリアで築年数も比較的新しいのに格安な中古住宅が見つかるケースがあります.近隣では、築20年が2000万円なのに、築15年で1500万円のような感じです.すぐに飛びついて買ってしまう人がいます.大抵は訳ありか、市街化調整区域の物件です.結局中古住宅の価格を分解すると土地代と建物代になりますが、築20年近くになると建物代は300万円程度まで落ちることも珍しくありません.結局2000万円で売られていても1700万円程度は土地だいな場合もあるのです.この土地が市街化調整区域になると一気に半額の900万円程度まで落ち込み、建物が築15年で600万円程度とみなされ、1500万円になっているだけの例も多いです.

素人は土地価格は同じエリアで、同じ広さなら一緒と仮定し、建物が新しいのに安いのでお得だと判断して良く調べずに衝動買いしてしまうのです.買った後で市街化調整区域のデメリットを知り後悔する方も多いです.つまり、将来中古住宅が古くなった時に更地にして売ったり、建て直したりしたいと思っても、新築の許可が出ない例が多いのです.結局購入時に高くついても市街化区域の住宅を買った方が、日々の生活も便利で、売却時に高く売れるので得をできる可能性が高いです.

稀に不動産に詳しい方が賃貸目的で安く市街化調整区域の物件を購入したり、敢えて安く手に入れて、自己所有の家を建てて、使い倒すつもりで長期で利用する例もありますが、一般人は、市街化調整区域を避けるのが賢明です.

※ちなみに市街化調整区域のメリットはこちら

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