住宅購入者必見!新築建売がお勧めできない理由

もち子
もち子

ねえねえ。うちの近くで新築建売住宅の見学会が開催されてるよ。土地建物諸経費全て込みで3500万円だって。購入後は35年ローンで毎月9万円の支払いでいいみたい。太陽光発電も付いているみたいで、毎月15000円の売電収入と電気代節約ができるって。実質75000円で新築に住めるなんてお得すぎない?限定1棟って書いてあるし、すぐ買わないと売り切れるよ〜。

まちょぐま
まちょぐま

子供も増えるし、今の2LDKの賃貸では手狭だし、ずっと家賃払い続けるのも勿体無いし、家の購入を本格的に考えないとな。聞いてる限り一見条件は良さそうに感じるが、いろいろな罠がありそうだね。と言っても、もち子の気分も高まってる事だし、今度の土曜日に行ってみるか!今ならQUOカード5000円プレゼントもあるしね。

鈴木
鈴木

どうもこんにちは。担当の鈴木です。本日はお越しいただき誠にありがとうございます。本建売は、先日から300万円値下げしており、税込3500万円となっております。最新の住宅設備も満載で、耐震等級3相当、次世代省エネ基準達成で、大手ハウスメーカー住宅と同水準の家がお求めやすくなっております。

もち子
もち子

今住んでるところより広くて、キッチンやお風呂も最新の設備で、太陽光の売電なども考慮したら、実質75000円で住めるのが魅力的で。今の賃貸の家賃がちょうど75000円で同じなので、今までと同じ支払額で、最新設備で広い家に住めて、自分の資産になるんだから、お得だと思うんです。

鈴木
鈴木

絶対購入された方がお得ですよ。家賃は払っても決して戻ってきませんが、住宅ローンなら完済後は、家が自分の資産になりますから。特にここ数年は住宅価格は上昇の一途を辿っていますからね。今後も住宅価格は上がる一方だと思いますよ。少子化で、家を買う人が減ってくると、住宅会社は、一棟当たりから多くの利益を確保する必要が出てきますので、家の価格を上げてくるのです。今後はインフレも続きそうですし。今日決めていただけるなら、さらに100万円の値引きができるかもしれません。

もち子
もち子

これは神様がくれたチャンスだわ。今日決めるつもりはなかったけど、早くしないと他の人に買われるかも。私はもう買う気満々だけど、まちょぐまはどうなのかしら(心の声)。

まちょぐま
まちょぐま

まだまだ勉強不足のもち子だから、営業の鈴木さんの言うことをすっかり全て信じ込んでいるし、新築の綺麗さに見惚れて、完全に冷静な判断を見失ってるな。しかも、鈴木さんももち子の気分が最高潮に達している時に値引きを出して、決断を迫るなんて、やっぱりプロだな(心の声)。

まちょぐま
まちょぐま

鈴木さん。とても良い家なのですが、まだ家探しを始めたばかりですし、家に帰ってから夫婦でじっくり話し合って決めたいと思います。またご縁があれば連絡させてください。

鈴木
鈴木

分かりました。他にもご検討されているお客様が多数おられますので、ご購入を考えられている場合はお早めにご連絡ください。

そしてもち子とまちょぐまは帰宅した。

もち子
もち子

まちょぐま!どうしてあの場で断ったのよ!100万円の値引きなんてもうないと思うわ。それに今日も他に見学者が沢山いたし、すぐに売れるかもよ。私は、あの家すごく気に入ったから、やっぱり欲しいわ。家族も増えるし、そんなにゆっくり家探しはできないわよ(プンプン)。

まちょぐま
まちょぐま

もち子には悪いことをしたよ。でも俺は今日の見学で物件を見て、鈴木さんの話を聞いた上で、あの家は俺達には向いていないと判断したんだ。金銭的にも今より厳しくなるのは目に見えているし。

もち子
もち子

どうゆうこと?新築で設備だって今の賃貸よりずっといいし、住宅ローンだって、売電考慮したら、今の家賃と同じなのよ。金銭的な負担も同じで、ローンが終われば、土地と建物が残るんだからどう考えたってお得だと思うけど。

まちょぐま
まちょぐま

説明が長くなりそうだから簡単に説明するが、まず家賃には、設備費や修繕費や固定資産税などの税負担などの住む上で必要になる経費が全て含まれているんだ。賃貸に住んでいる人は、意識していないだろうが、外壁や屋根の塗装を15年おきに行う必要があり、150万円程度かかるし、給湯器やエアコンなどの設備は10年ほどで壊れる。これらの買い替えも10年ごとに100万円ほど積立が必要なんだ。その他20年から30年でキッチンやお風呂、トイレや洗面所などの水回りも交換が必要になり最低でも200万円程度は必要になるし、一軒家はシロアリ対策で10年おきに防蟻剤処理で20万円とか、とにかくお金がかかるんだ。また固定資産税も15万円程度かかるし、とてもじゃないが、75000円の負担じゃ全く足りないよ。しかも、売電は最初の10年のみ買取価格が優遇されているが、10年後は買い取ってもらえる保証が一切ないし、運より買い取ってもらえても雀の涙程度の収入になる。10年後はほぼ売電分はないとして、負担額は住宅ローンの9万円になる。さらにこの住宅ローンの金額は、3500万円を変動金利で借りた場合を想定しているが、今後金利が上がる可能性はかなり高い。簡単に12万円とかに負担額が上がる可能性もあるんだ。

もち子
もち子

確かに。賃貸生活に慣れていて忘れていたけど、1年間を振り返っても、給湯器の故障、エアコンの交換、水漏れの修理、水栓の交換、網戸の修繕、床の補修とか、本当に何かあればすぐに管理会社に連絡してすべて無償で修繕できていたもんね。これらが全部自己負担だったら軽く数十万円はかかっていたよね。全部家賃に含まれているんだもんね。税金も年間12万円かかるとしたら月1万円は必要だし。

売電のことも10年間だけ国の制度で売電価格が保証されているが、10年後は、売電単価8円とかになるみたいだね。ほぼ利益ないね。

しかも最近長期金利が上がっているとかしょっちゅうニュースになってるし、「変動」金利だから、上がっても文句言えないしね。

まちょぐま
まちょぐま

賃貸は気持ちの面でも楽だよね。壊れても無償だからね。しかも年間数千円の家財保険に借家人賠償という特約が付いているのが普通で、床なども誤って壊したり、壁に家具をぶつけて大きな穴を空けたとしても、ほぼ間違いなくすべて保険で無償で直せるんだよ。持ち家なら、基本はすべて自己負担になるからね。火災保険でも家財保険を付ければ直せる例もあるが、借家人賠償よりも相当難易度高いからね。

太陽光パネルは10年後以降、売電価格がほぼなくなるだけでなく、蓄電池やパワーコンディショナーという部品がほぼ間違いなく故障するので、交換に50万円~100万円かかったり、屋根に載せるので、将来の雨漏りリスクに繋がったり、撤去費用がかかったりと、単純に毎月の収入だけではないんだよ。つまり、最初の10年で手に入る売電収入の一部は、積立しないといけないしね。

変動金利はここ10数年変動していなく、歴史的な低金利が続いていたが、最近は40年ぶりのインフレになったりと、今までの常識が通用しなくなってるんだよ。急な金利上昇が起こる可能性も十分あるよね。

もち子
もち子

金銭的なデメリットは分かったけど、住宅についてはどうなの?

設備も新品で、耐震性能も断熱性能も良いと言ってたけど、値引きもしてるしお得じゃないの

?今時、注文住宅で建てたら、建物だけで4000万円とかいうし。土地も付いていて、値引きで3400万円で買えるならやっぱりお得じゃないの?

結局、いつかは家が必要になるんだし、賃貸より高くなったとしても、今買うべきじゃないかな?

まちょぐま
まちょぐま

俺も見学して確信したが、他の建売同様に住宅のグレードとしてはほぼ最低性能なんだ。断熱材の種類や厚み、窓について確認したが、鈴木さんの言う通り「次世代省エネ基準」を達成しているのだが、この基準は1999年に作られたもので、当時は次世代の基準だったのかもしれないが、20年以上経った現在もこの基準が「次世代」として使われているのはおかしいと思うよ。詳しくはこちらの記事を見てもらいたいが、Ua値=0.87が「次世代省エネ基準」の断熱性能になるのだが、明らかに冬寒く、夏は暑い家になるんだよ。もち子が言っている注文住宅で4000万円の予算を出せば、超高気密高断熱住宅(Ua値=0.25以下)ができるんだよ。気密と断熱の違いはこちらの記事で確認してみてくれ。

Ua値が0.87の家は冬場無暖房だと、外気温が0度近くになれば、室温が8度くらいまで平気で低下するよ。エアコン1台で全館空調はほぼ不可能で、やったとしても空調代だけで月5万円以上はかかるだろうね。実際は、リビングや寝室のみエアコンで暖房するが、それでも寒く、人によっては石油ストーブじゃないと無理な場合も多い。もちろん、こんなに寒い思いをしても電気代はかなりかかるよ。逆にUa値=0.25の家になると、無暖房で外気温0度の時でも18度近くをキープすることもできるんだ。人によっては、エアコンなしで過ごせるくらいだよ。しかも、全館空調が容易にでき、1台のエアコンで24時間家じゅうを暖めることもできるんだ。それでも電気代は1万円くらいでできる例も多い。

設備に関しても、新品の時は同じに見えても品質が悪い商品だと、10年で傷みが出てくることもあるし、使い勝手も悪いんだ。建売に使われているキッチンなどは基本最低グレードだから、年数を重ねてくるにつれ、傷みも出るし、不満も募っていくだろうね。特に床は塩ビ床という格安商品だが、絶対無垢床を勧めるよ。床についてはこちらの記事で確認してくれ。

もち子
もち子

折角家を買うんだし、住んでから後悔しない家がいいなあ。まちょぐまが言うように冬寒い家はきついな。寒いとこたつから動けなくなるし、夏暑いと何もやる気起きないし。寒い家にいると子供が風邪ひきやすくなるから、デメリットばっかりだね。しかも寒さ暑さを我慢しても光熱費は高いなんて、厳しいなあ。建売が安い安いとは言っても、もう数百万円出せば、もっと高性能な家で快適に暮らせるわけだし、これから場合によっては、70年くらい暮らすかもしれないんだから、今追加で1000万円払っても70年で換算して月額に直したら14000円程度の追加費用になるし、その金額で家の快適さや長持ちする快適で良い設備を手に入れられるなら、超高性能住宅がいいなあ!・・・・でも予算がねえ・・・・・

まちょぐま
まちょぐま

うちの家計では、超高性能住宅を新築で買うのは不可能だよね。土地代も含めれば、どんなに安くしても4500万円くらいは覚悟しとかないといけないしね。かと言って建売で妥協すれば、性能面や電気代などの維持費で後々後悔することが目に見えているし。

って、長々と説明したけど、俺の中では最初から答え出てるんだよね。

こちらの記事を見てもらいたいんだが、住宅って最初の10年程度で、建物価値が半額近くまで下がるんだよ。しかも超高性能住宅は劣化もほとんどしないから、10年前の超高性能住宅を半額の価格で手に入れることができれば、建売よりずっと安く、ずっと高性能な家が手に入るわけなんだよ。断熱材などは基本劣化しないし、10年前の超高性能の水準は、今の超高性能に比べればだいぶ劣るが、それでも新築建売よりもずっと性能がいいんだよ。Ua値でも0.5程度の家が見つけられるよ。その中古住宅にできるだけ安くリフォームを加え、より高性能化していくのが、一番お得な購入方法だと思うよ。

もち子
もち子

まちょぐまの説明分かりやすすぎ!お得に高性能な家が手に入るんだったら、中古でも気にしないわ。次は中古住宅の見学に行かないとね!

本記事を動画でも説明しているので是非ご確認ください。

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