中古住宅購入で最も大切なことは間違いなく買値です。
どんな家を買うかよりもいくらで買ったかが重要なんです。
要は相場よりも明らかに安くなれば、資産を手に入れることが
できるのです。
例えば、2000万円の価値のある家を1500万円で手に入れたと
しましょう。この場合、すぐに転売しても2000万円で売れる可能性
が高いので、500万円儲けになります。
逆に2000万円の価値の家を2500万円で買ってしまえば、500万円の
損失です。
売る側の売主と不動産業者は高く売りたいと考えています。不動産業者の
手数料も売値に比例するので、明らかです。
となると買主は非常に不利なわけです。大抵は、住宅購入経験もあり、知識が
多い売主の方が、初心者が多い買主よりも有利ですし、プロの不動産業者が売主側に
ついていたら勝ち目はないです。
ほとんどの買主は相場より高値で買わされている例がほとんどです。
つまり相場で買えるだけでも十分御の字なわけです。
ただし、不思議なことにほとんどの買主が自分は相場よりも安くお得に買えたと
思っています。
ここには2つの不動産業者のトラップがあります。
1つ目は、新築の定価と比べて中古価格のお得さを訴えていることです。
築10年で住宅価格は半値になります。
もし新築の定価は3000万円だけど、実際の売主が大幅な値引きを受けて2500万円で
購入していたら、本来の築10年の相場は購入価格半値の1250万円なのですが、定価の半値の説明を受けていたら1500万円が相場になるのです。ハウスメーカーの新築など顕著ですが、定価を高めに設定しておき、大幅な値引きで安く買わせているように見せます。もちろん新築の本来の価格は値引き後のものです。万人がこの価格で買いますから。
もし、この家を1400万円で買えば、一見定価の相場1500万円よりも100万円お得に買えたと喜ぶはずですが、実際の相場1250万円と比べれば、150万円も高いのです。
2つ目は、土地値を見誤っていることです。
不動産屋は、坪単価坪数で想定の土地値を伝えてきますが、これは全く当てになりません。同じエリアでも、目の前の道路、近隣環境、日当たり、土地の向き、地盤の状況、ハザードマップの該当エリアかどうかなどの様々な条件により土地値は変わります。また土地が広くなればなるほど坪単価は下がります。
私が土地値トリックで見かけた例を2つ説明しましょう。
1つ目は、100坪の土地なのに、坪単価を同じにして計算していた例です。
このエリアの坪単価は20万円でほとんどの土地は40から50坪程度でした。一般的に住宅を建てるのに100坪は広すぎます。大きな庭付き希望の方、2世帯で大きい家を建てたい方ならもとめるかもしれませんが、一般的には100坪になれば坪単価は下がります。一般的には17万円くらいになると思います。
つまり、100坪の土地の土地値は17万円100坪=1700万円になるのですが、不動産屋が意図的に坪単価20万円100坪=2000万円と計算すれば、本来の相場よりも300万円も土地値が高く出ます。
つまり中古住宅価格=土地値+建物代なので、土地値が300万円高く積算されれば、建物代が300万円安くなっているように見えるのです。
今の例を築10年の建物相場1500万円の家に当てはめると
本来の相場価格=土地値1700万円+建物代1500万円=3200万円
になるのですが、もし土地値を2000万円にして、相場価格を算出すると
偽の相場価格=土地値2000万円+建物代1500万円=3500万円
になります。
ここで悪徳な不動産屋が3400万円で買えると言ってきたとしましょう。
客は相場よりも100万円安く買えたと騙されるわけですが、
本来の相場よりも200万円高くなるので、売主は相場よりも200万円高く
売れるが、買主は偽の相場価格を信じており、それより100万円安く買えたと
信じているため、双方が満足の結果になるのです。
2つ目は、実は訳ありの土地で、坪単価が実際はもっと安い例です。
相場よりも非常に安い中古住宅を見つけて、不動産屋に問い合わせました。
坪単価18万円の土地で40坪の土地に築15年の大手ハウスメーカーの建物が建っておりました。
私の計算では、建物代は本来1000万円程度、土地値は720万円で、1700万円程度の中古住宅が相場価格だと見込んでおりました。しかし、この建物の価格がなんと1500万円になっていたのです。
本来の同等の中古が1800万円から2000万円程度で売られているエリアでは破格の価格です。多分相場より少し低い1700万円の売り出しでもすぐに売れる家だと思います。
案の定、掲載して1日で購入者が決まりました。売り出しの不動産屋に話を聞いたら、売主は一刻も早く手放したい強い理由があり、相場なんか無視して、破格の価格で提示していた。買主からすれば本当にお買い得な物件だったと思うという話をされておりました。
しかし、やはり裏があり坪単価はエリア平均よりずっと低いことが想定される理由があったのです。裏社会の幹部の方は向かいに住んでいる土地、かつ浸水ハザードエリアだったのです。こればっかりは相場の計算が非常に困難ですが、一般的に見れば、かなり値下げしないと売れないはずです。
結局、相場通りか相場より高く売れている可能性が高いわけです。
他の不動産関係者に聞いたところ、相場の半額が妥当なくらいだと言っていたので、そもそもが相場というもの自体が主観的で不明確なものなのかもしれません。
土地も建物も唯一無二のものであり、たとえ隣同士でも、価格差が出る可能性はございます。
結局相場の見抜き方ですが、まずは一般的な坪単価を理解してください。
そして、土地建物検索サイトと検索すると国交省のHPが出るので、こちらから実際の取引の成約価格が検索できます。土地の大きさや具体的な場所をある程度想定しながら、検討している物件を相場を考えていく必要があります。
具体的には、
・目の前の道路の広さや公道であるか
・冬場日当たりは良いか
・近隣の治安や地域住民とのトラブルはないか
・土地が狭すぎたり、広すぎたりしていないか
・匂いや騒音がないか
・近隣に工場などの嫌悪施設がないか
・災害危険エリアではないか
・地盤が緩い土地ではないか
・市街化調整区域ではないか
などなど色々な要素があります。
売り出し価格を見た時に、基本は相場よりも高く、少し値引きを入れて、
相場より少し高めで成約する例が多いです。
もし売り出し価格が明らかに相場よりも安いという物件が見つかりましたら
ほぼ間違いなく訳ありだと思います。
訳が何かを探るべきです。
様々な物件を見ていますが、どんな理由であれ売主は、自ら相場を下回った
価格で売り出すことは滅多にしません。
基本、そのような場合は急いでいるので、買取業者が買い取る例がほとんどです。
つまり、一般の買主に届く情報はほぼ全て、そこまで急いでいないができるだけ高く売りたい物件となります。
最初からお買い得と思い込んで、購入へ向かうと騙されてしまいますが、最初から
何かあると疑いの目で見れば、意外と簡単に理由が分かるものです。
不動産業者になぜ安いのか疑いの目で聞けば、後々のトラブルを懸念して教えてくれる例も
多いです。
不動産業者もプロなので、相手が知識のない素人かある程度勉強している方か見抜きます。
後者の場合、嘘をついても見抜かれると思い、真実を伝えてくれる場合が多いです。
是非この記事で得た知識を利用して良い中古物件を相場より安く手に入れましょう!
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