リフォーム済中古住宅の注意点

この記事ではリフォーム済み中古住宅の購入を検討されている方に注意点を紹介します。

耐震性能が低い

最近地震も増えてきておりますし、建物倒壊のリスクはより身近になってきています。これは命に関わる問題ですので最優先です。リフォーム済み中古住宅は大抵が築古で旧耐震の家も多いです。築古の木造は震度7の揺れで全壊するリスクが多いにあります。

耐震補強工事もできますが、高額なため、耐震を考えるならコスパが悪いです。

断熱性能が低い

断熱基準も年々厳しくなっており、最近の新築では、壁、天井、床に断熱材を施工することはもちろん、窓も最低でもアルミ樹脂複合のペアガラスが標準です。昔の家はシングルのアルミガラスなので、ざっくり窓だけでも3倍くらいの断熱性能はあります。リフォーム済みの中古住宅で断熱補強している家は見たことがありません。築古の場合、ほとんどが無断熱かそれに近い性能になります。例えば、外気温0度の時、寝る前に室温20度の状態でエアコンを切り、翌朝、新築ならばローコストでも10度以上はキープします。しかし無断熱だと5度以下になり、家の中でも息は真っ白になります。寝起きは地獄ですし、もはやエアコンでは暖まらないので石油ストーブやこたつが必須となり光熱費もかかりますし、快適性は最悪です。例えば、断熱性能の高い新築ならば、全館常に23度程度の快適温度で月の暖房にかかる電気代が1万円程度で済むのに対して、築古中古ならば、同じことをしようとすれば10万円以上かかるでしょう。そんなにお金払ってまで家じゅう暖房する方はいないので、実際はこたつなどで、局所的に暖房して寒さに耐えながら過ごすことになります。

白蟻や雨漏れのリスクが高い

築古になればなるほど柱などの木材は傷んできます。当然白蟻のリスクは上がり、外壁や屋根なども劣化していると雨漏れのリスクも上がります。家の建て替えの原因は主に白蟻と雨漏れです。しかもどちらも修繕費が場合によっては数百万円を超えるほどの大規模なものになり、例え安く買っても結果的に新築並みに費用がかかるリスクもあります。

長く住めない可能性がある

前述のとおり白蟻や雨漏れで建て直しになることもあれば、そもそもが設備の故障や建具の劣化などで修繕費がかかるようになれば、多額のリフォーム費用を再度払うことになりますし、リフォーム済みの中古は結局表面の部分だけ新品にしているので、壁内部の腐りや配管の劣化などが進めば住めなくなります。結局中古戸建の最大のデメリットは目に見えない配管や壁内の劣化などになるのですが、これをすべて新品にするとなるとスケルトン化した解体リフォームが必要となり、新築とほぼ同じの価格がかかります。買取再販会社等がここまでコストをかけて販売するとなると新築以上の価格にしないと利益でないので絶対しないです。

裏を返せば、リフォーム済みの中古住宅を新築と同等にしようとすると新築以上の価格になるということです。

資産価値が低い

日本の中古住宅の査定額のベースは築年数です。まずは年数で減額されていき、そのベースに対して家の状態やリフォームの有無、ブランドなどの要素で加点・減点をして査定額が出されます。リフォーム済みの中古住宅はほとんどのケースで築古なので、ベースの資産価値は0円です。リフォーム1000万円かけても価値が上がるのは数百万円です。よって例えば土地値除いて1000万円の金額でリフォーム済みの中古住宅を購入し、翌日に中古住宅として売りに出せば、建物価値は300万円程度になってしまうという悲しい現実があります。買った瞬間に負債になる可能性が高いということを肝に銘じておきましょう。もちろん、ずっと住み続けるつもりなら売るための価格など気にしなくてよいですが。

間取りの使い勝手が悪い

古い家は昔ながらの間取りになっております。良くあるのがダイニングとリビングが分かれているケースです。業者がリフォームする際に両者の壁を取っ払い、つなげているケースが多いですが、いびつな形になり使い勝手は悪いです。また、収納がなかったり、脱衣所が狭かったり、お風呂が狭かったり、無駄に廊下が広かったりと、現在の価値観や生活スタイルに合わない間取りが多いです。

土地に訳アリの例がある

これって意外とよくあります。人気のエリアの場合、リフォームして再販するよりも、土地にして売った方が利益が出る場合が多いんですね。土地が高く売れるので。

土地が訳アリでリフォーム済み中古物件として売り出す例は大きく分けて以下の3つです。

1.市街化調整区域の住宅で建て替えが困難もしくはできない

市街化調整区域では、原則再建築はできないため、申請をして建築許可をもらう必要があります。エリアによって許可が出やすいところもあれば、条件によっては、再建築不可のところもあります。その場合、今建っている家を解体すれば、価値がほとんどない土地になってしまうため、リフォームをして高めの価格で売ろうとするわけです。素人の方では土地のことがよく分からずに説明を受けても、安さにつられ購入してしまうケースもあります。一見売り出し価格が安く見えても、土地値がほぼ0円だと割高なケースもあるため注意が必要です。例えば

土地値100万円+建物価格1000万円=1100万円の売り出し

土地値1000万円+建物価格700万円=1700万円の売り出し

両者の建物だけを見ると、1100万円の物件の方が建物の価値が高いので、建物が魅力的かつ安く見えてお宝物件と勘違いすることがあります。

もちろんある程度長く住んで将来売り出す時は

土地値100万円+建物価格0万円=100万円の売り出し

土地値1000万円+建物価格0万円=1000万円の売り出し

となり、全く価値が異なります。長い目で見れば、初期費用が高くても、しっかり土地の価値がある中古住宅を選ぶべきです。

2.解体が困難な

3.不人気エリア

多くの傾向として、中古住宅は比較的低所得者向け、土地から建てる注文住宅は比較的高所得者向けとなります。つまり土地から探している人はある程度お金に余裕があり、選べるわけです。わざわざ不人気エリアを選ぶ理由はないです。しかしながら中古住宅は数も少なく、低所得だと、選択肢が狭まるため、予算に合った物件を見つけると多少条件が悪くても買う人がいます。

つまり不人気エリアの場合、リフォームして中古戸建として売ってしまったほうが利益が出るわけです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました