半年で500万円値下げ!新築建売の恐ろしい真実!

半年ほど前に自宅に2件の建売販売のチラシが入っていました。国内最大手の建売メーカーの建てた2棟の建売でした。片方は旗竿地にあり、不便なことから100万円安く販売されており、片方は3099万円、もう片方は2999万円で売り出されておりました。

立地や建物の性能に興味があったため、早速見学に行きました。私が訪問した時は、既に2999万円の方が売れていて、3099万円の建売のみ残っていました。

見学した結果、本当に最低限の性能、最低限の設備で、正直立地以外に魅力がないというのが結論でした。

その後様子を見ていたところ、1か月おきくらいのペースで100万円ずつ値下げをしており、半年後は500万円値下げして2599万円となっております。それでも売れていないので驚きです。

ほんと不思議な話なんですが、売れる建売は販売後すぐに完売するが、売れない建売は何棟か売れ残った挙句、最後の1棟が本当に売れなくて値下げを繰り返す現象はよくあります。

相場より下がっても売れない驚きと、500万円下げても平気な販売業者の値付けに驚きます。

建売を買う人は肝に銘じてほしいですが、売り出したばかりの建売というのは多くの場合、かなり割高です。フリマと同じで売出しの時って相場が分からないんですよね。不動産なんて1棟1棟違う土地に建っているわけですから、売り出している建売の相場は売れて初めて分かるんです。ということは、安い価格で出して即効で売れてしまったら、もったいないので、できるだけ高めの強気価格で攻めてくる例がほとんどです。

それでも家が欲しい方、特に人気のエリアだと他に選択肢がなかったり、購入者が素人の無知で相場など知らなかったりするので、簡単に騙されて高い建売をつかまされます。

裏を返せば、建売業者は、最初に売れる数棟で利益の大半を手に入れることができるので、売れ残った建売は最悪赤字でもいいんです。すべての建売の合計で黒字になればいいと考えているので、最後の1棟というのは、赤字でも早く始末してしまいたいと考えていることがほとんどです。

現地に定期的に行ったり、固定資産税払ったり、銀行からの借り入れ利息を払ったりと所有しているだけでお金がかかるので建売住宅って結構金食い虫なんです。極端な話、新築として賃貸に出せば、地方でも月10万円程度の家賃が取れる場合がほとんどなので、売れずに抱えるのはそれだけでかなりの損失なんです。そう考えると値引きをしてでも売ってしまって終わらせたいと考えるのが自然です。

つまり建売住宅というのはほとんどの場合で売り始めの頃はかなり利益を上乗せしており、買うとほぼ間違いなくかなり損をします。しばらく経つと適正価格へ近づいていき、半年から1年経過しても売れない場合は、業者がかなり焦り、異常な値下げをしてきます。特に数棟売り出して、最後の1棟になると早く売り切ってしまいたい、既に他で十分利益を取っているから、最後の一棟は赤字でも構わないという考えになり、極端な値下げにも応じてくれる例があります。

最後の一棟は早い者勝ちになるので、気に入った物件ならば急いで買うのも得策です。さらなる値引きを狙うなら値引き交渉に時間をかけても良いですが、先を越される可能性もあります。

どう購入しようと、最後の1棟が値下げしていればほぼ間違いなくお買い得物件になります。特に大型分譲地であればあるほど、この傾向は強くなります。

最悪なのが、多数の建売住宅が一区画で同時に販売された時に、先に販売時の価格で買ってしまい、その後売れ残り建売が値下げを始めるパターンです。

大抵、このような建売を見学に行くと、営業の方から、すぐに売り切れますよとか、普通に注文で建てるより数百万円安く買えるのでお得ですよとか、早く買えば買うほど、今の賃貸の家賃を節約できるのでお得ですよとか、とにかく急かしてきます。

賃貸に住んでいる者からすれば、建売新築は綺麗で広くて設備も整っていて魅力的に見えますし、のんびりしてたら誰かに買われてしまうって思ったり、早く買えば買うほど、たくさんの建売の中から自分の好きなものを選べると思い、気分が高揚したまま契約してしまうのです。人って不思議なもので、普段なら冷静に判断できることも、営業の人の言うことを信じて、焦ると正常な判断ができなくなるのです。営業もこの人間の心理をよく理解しているので、数十万円の値下げや数十万円相当のオプションプレゼントなどの甘い餌で一気に契約までもっていきます。

買った瞬間は大満足です。賃貸とは比べ物にならないくらいの快適な生活が送れ、所有欲も満たせます。また数十万円の値引き等でお得感を感じ、家賃も発生せず、住宅ローン控除などの税制優遇も使え、低金利でお金も借りられるので場合によっては家賃より安く持ち家に住め、最高と感じるはずです。しかしながら、この高揚は一瞬で砕け散る可能性が非常に高いのです。

相当な人気エリアで、需要がない限り、複数の建売が販売時の価格ですべて売れることはほとんどありません。大抵売れ残りが生じ、値下げが始まるのです。

例えば自分が3500万円で買った建売と全く同じの建売が隣で3400万円で売り出されたらどう思いますか?

単純に100万円損したと思いますよね。つまりもう少し待っておいて、値下げした物件買えば良かったと思う人がほとんどだと思います。100万円って大金ですからね。数十万円の値引きの喜びなんて吹っ飛ぶと思います。ここで悲劇が終わればまだ良いのですが、さらに悲劇が続く可能性が高いです。

きっと、毎日隣の物件の売れ行きや価格が気になって、毎日ネットで検索してしまう人がほとんどだと思います。この期間って本当にストレスなんですよ。ずっと頭の中はこのことでいっぱいになるかもしれません。そして、さらに100万円値下げ、さらに100万円値下げと続き、半年で500万円も値下げされていたらどう思いますか?生きた心地しないですよね。

私だったら精神崩壊します。もう新築買ったことを後悔して手放したいと思います。実際手放すことになっても、隣の500万円値下げした建売より大幅に安くしないと売れないので、どうしようもないという最悪な状況のわけですが。つまりこの場合、販売時の価格で買った人は、業者に数百万円規模の利益を余分に取られているわけですよ。この後、誰かが500万円値下げした家を買って、引っ越しの挨拶に来られたら、笑顔で迎えられないかもしれないですよね。近所付き合いにもひびきそうです。挨拶に行く方も、500万円たかく買った人に挨拶に行くとなると気が引けるかもしれないですが。

私が昔家探しをしている時に、複数の建売が売り出されていた分譲地で築浅中古住宅が出ていました。この物件は、なんと売れ残りの建売を購入したオーナーが離婚で1年でその物件を手放したわけです。

不動産業者に聞いたところ、当時周りの5棟の物件は販売時の価格3980万円で売れて、この1棟だけが売れ残り、最終的に3480万円で売れたそうです。このことが原因か分からないですが、このオーナーは近所付き合いでトラブルを抱え、1年後に離婚し出て行ったようです。その時の中古の販売価格が3100万円でした。それを私が見学に行った時に、なんと周りの5棟の中に知り合いが住んでいて、後日この件でしつこく買うのか聞かれた記憶があります。相手は、検討している中古住宅は良くない物件だと説得してきて、なんとか買わないようにいってきます。

ほぼ新築の自分と同じ家を自分は4000万円近くで買ったのに、私が900万円も安くかうのが気に入らないのでしょう。

結局私は相場より高いと判断し買いませんでしたが、周りより築1年古いだけで900万円値下がりしている中古でさえ、相場より高かったのですから、新築建売で買った人たちは大損だと思います。

探せば中古で相場以下の物件もたくさんあります。

建売は売る側からすれば、すごくコスパの良い商品なので、どんどん建てるし、営業も頑張ると思います。

つまり買う側からすればほぼ間違いなく損するわけですね。もし建売で相場通りの物件を買いたいならば、売れ残りをかなり値引きさせて購入するしかないと思います。

結局それでも、相場とおりか、それより少し高いくらいの価格になります。結局コスパ狙うなら、数年以上経過した中古住宅で、相場以下かつ、ある程度綺麗なものを手に入れた方がずっと良いです。

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