住宅価格の内訳

1-5. 住宅に係るお金関係

さて、あなたの目の前にスーパーで売っている様々なものを入れたかごが置いてあり、「あなたが1週間暮らすうえで必要なものがすべて入っています。そして1万円です。」って言われたら買いますか?

多くの人は、中身を確認し、それぞれの商品の相場を大方確認し、お得かどうか、自分に必要なものが入っているかどうか確認し購入を決断するはずです。例えば、野菜が全くないとか、明らかに安いものしか入っていないのに、1万円は高いとか・・・・・即座に判断できるでしょう。

では、目の前に建売の家があったとき、それが土地込みで3000万円です。って言われたら、お買い得かどうかわかりますか?どのように比較しますか?近くの建売と比べるか、営業の人に意見を聞く人がほとんどじゃないですか?

さっきのかごの話なら、かごの中身を見て判断するのに、家になると、近隣の相場や他者の意見を参考にします。

本当は、その家の内訳を知って、自分に合っているか、総額として安いのか判断する必要があります。

他の家と比べても意味がありません。他の家より100万円高くても、300万円分の太陽光がのっけてあり、他がすべて同じなら100万円多く払ってもお買い得です。

ではどのように内訳を考えますか。

建売を以下のように分解しましょう。

土地

家の基礎部分

家のフレーム部分(外壁、屋根、窓も含む)

家の設備部分

断熱・気密性能

その他オプション部分(家具家電付、カーテン、照明付、太陽光付等)

外構部分

これらの合計が建売の販売価格となっている例が多いです。

土地は分かりやすいです。近隣の似たような大きさ、形状の土地の取引事例(成約価格)を調べてもらえれば、すぐに相場が分かります。

家の基礎部分

地盤改良を行っているか、どのような施工を行っているか、どのような材料を使っているかを聞いてください。今の時代、ネットで調べれば相場が分かります。

フレーム部分

在来軸組工法、2×6工法等色々ありますし、柱の太さや木の材質等色々な要素がありますが、素人で判断するのはかなり困難です。

フレーム部分は、一番分かりやすいのが、同じ施工会社の既に年数の経っている物件を見てください。大抵分譲地があったり、施工事例を教えてくれるはずです。

例えば、築10年で他の高価格帯の物件と比較して、どれくらい劣化しているか見るのが

良いです。

要注意は、外壁が他と比べて傷んでいる例です。大抵は、内部結露等にやられているかフレーム部分が弱いのは確かです。築10年で明らかに傷んでいる物件が見つけたら、やめておきましょう。築古物件で見た目の痛みがなければ、結構施工はしっかりしている会社と判断し、次は外壁、屋根、窓の素材を聞きましょう。大抵がサイディングで、コロニアルのスレート屋根、アルミ樹脂複合サッシのLowEペアガラスです。

というより、これが建売の最低ラインです。もしアルミサッシって言われたら、その会社は断熱を軽視しているのでお断りしましょう。

屋根は、ガルバニウムや瓦なら少しポイントアップです。しかし、施工技術によって出来不出来に違いが出るので、ガルバや瓦なら過去の施工実績も聞いてみてください。瓦なら50万円の価値はあるでしょう。

窓はオール樹脂のトリプルならかなり優秀です。100万円の価値はあるでしょう。

設備面は、積み重なると結構な差が出ます。

例えば、カップボードがついているか、エアコン何台ついているか、床暖房あるか、2階トイレあるか、玄関収納等の収納の充実さ、換気システムは1種か3種か?キッチンのグレードは?床は?壁は?トイレやお風呂はどのようなグレードか、オール電化かガスか?

洗面所のグレードは?

正直、すべてこだわると平気で500万円くらい変わってきます。しかし、すべてが安いと10年後とかに壊れたり、痛みが激しく、ストレスが溜まったり、快適性に大きな違いが生じるので、日々の暮らしにダイレクトに影響を与える部分でもあり、ほとんどの人が最も気にするところでもあります。そこを理解している建売業者は、設備に力を入れて、土地選びや基礎やフレーム部分を手抜きにしている例も多いように思います。

設備はリフォームでいくらでも変更できるので、こだわりがある部分だけ気にしましょう。

例えばキッチンにこだわりがあり、複数の建売を選べるならより良いキッチンが入っている家にするとか。キッチンも100万円くらい差がでることも多いので、同じ価格でよいキッチンの入った家を手に入れることができれば、お得です。

逆に床暖房はいらないのに、100万円相当の床暖房が入った家を20万円高く入手できるとしても無駄なように思います。

設備については、使わないもの、こだわりがないものはできるだけ安いものを選び、少しでも費用を下げたほうがいいです。全部こだわる建売は存在しないですし、すべてにこだわりが強いのなら、そもそも注文住宅を建てるべきです。

断熱性能・気密性能

これは、販売者にUa値とC値を聞いてください。数字で比較できます。Ua値は持っていても、C値はない例が多いです。気密性が高いと、声がこもった感じがしたり、家中の窓をしめて換気扇を5分程度すべて強で回しながら、玄関ドアをあけてみてください。普段より重たければ、それなりに気密性があります。

断熱性は、屋根、壁、床の断熱材の種類と厚さを聞いてください。ネットで調べたら数値が分かります。大手ハウスメーカーなどはすべて公表しているので、比較してください。値段の割に良いかどうか目安が分かります。

その他オプションは、ほぼ純粋に価格に上乗せされていると思うので、念のため

ついているオプションを聞き、ネットで金額を調べてください。

諸費用は注文住宅を建てる時にかかるものがどれくらい含まれているか聞いてください。

これらの内訳をすべて調べていくと、販売価格がお買い得か分かります。

もっと安くすべきなら指値をしてください。

そして既に相場よりお買い得と思うなら、早く買わないと別の人が買います。

説明が長くなりましたが、家を買うのではなく、様々なものが合わさった集合体を一括で購入するという考えが正しいです。

つまり、食料品や日用品などがたくさん入ったかごを買うのと非常に似ています。

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