良くある例ですが,とある町の一角に以下のような分譲地が売り出されました。どの土地の価格は一般的に一番高くなりますか。また一番安くなるのはどこですか。一般論ですが、どの土地から売れていきますか?
先に正解を言うと、角地は一般的に価格が高くなり、南東の道路に面しているCの土地が最も高値になるはずです。良く言われる南東の角地が最も人気というやつです。逆に最も安くなるのは、北向きの角地ではないEが最も安くなるはずです。あとは、角地の残りが北より南が優先され、同じ南や北なら西より東の方が人気なので、A→F→Dの順に安くなっていきます。その次は角地ではないが南向きのBとなります。価格は一般的に
C→A→F→D→B→E
という順に安くなるのが正解です。
角地が人気なのは、利便性景観なども含め開放的、日当たりの良さなどが挙げられます。
土地が2つの道路に面していれば、車では特に出入りが楽ですし、アクセスも良いです。
また道路に面した部屋は窓を付ければ、目の前が開放的なので、風通しも良く、景色も良いです。さらに向きにもよりますが、南東なら朝日も日中も明るいので家全体が明るくなります。
角地でないと1面しか道路に面していないので、例え南面でも全体的に暗くなりがちです。
これが角地が人気の理由です。
南面が人気の理由は、日当たりの良さです。
やはり南面は直射日光が入ってきますので、日当たり良好となり、家全体が明るくなりますし、冬場はお日さまぽかぽかで家が暖かくなり、光熱費節約にもなります。但し夏場は暑くなるので、日射遮蔽は必須です。ひさしや軒やオーニング・すだれなどで対策可能です。
最悪なのは、北面の角地でない土地です。唯一開放されている北面もほぼ1日中日差しが入ってこないので全体的に暗い家になり、冬は寒いです。逆に夏は日射対策なしで、一番涼しい家になります。
実際選べるなら、私は南東の角地を選びますし、南東がダメなら、南西、北東、北西の順に角地を狙います。
実際の価格順と同じ希望順位になります。
実際の人気も南向きか角地が重視されますのでやはり利便性や日当たりを重視される方はこの条件を重視すべきです。
しかし、角地や南向きの土地は2点の大きなデメリットを抱えています。
1.価格が高い
2.プライバシーが保ちにくい
です。
価格は、人気に反映して販売会社がつけるので、仕方がないです。
価格が高くなる分、避ける方も出てくるので、角地や南向きの土地が売れ残ることもあります。
さらに問題をややこしくしているのが、プライバシーの問題です。通常南向きの家の方はリビングなどの居住空間の日当たりを良くするために、南向きに
居住スペースを設けます。そうすると、窓の外は道路になっており、カーテンをあけると、通行人や車から家の中が丸見えになります。大多数の方はそれを嫌がり、目の前に背の高いフェンスを設けることを検討しますが、背の高いフェンスは高額ですし、そもそも共働きの方の場合は、平日日中は不在ですし、土日も日中は外出していることが多く、常時カーテンを閉める癖がついていきますので、結果的に常時カーテンを閉める生活になります。例えフェンスを設置しても、景観や日当たりに影響が出ますので、結局南向きの家を買ってもメリットが半減以下になります。
これらも考慮するとどの土地がいいのかは完全に人によります。
最近は、共働きも多く、人目にさらされることを気にして、日中不在かつ、窓も最小限の家が増えてきました。このような家庭は、日当たりも気にせず、洗濯物もドラム式洗濯機や室内干しをするので、そもそもが庭などにも出ない、換気も優秀な換気システムを導入するので年中窓を開けない、常時カーテンは閉めているという状況になるので、立地はどこでも良くなります。車の利便性で角地を選ぶ可能性はありますが、最安値の土地を選ぶ可能性も高いです。
実は最近はEの立地が最安値なので一番先に売れることもあります。
またプライバシーの観点からは、逆に北向きが有利となります。
通常通りリビングなどを南側にすると、道路に面した北側は風呂やトイレやキッチンなどの水回りになります。基本すりガラスにしたり、小さな窓にすることが多いので、ほぼ道路からの視線は気にならないです。
肝心の日当たりは、南側に家が建っていることがほとんどなので、期待できないですが、リビングの窓の向こうはお隣の家の北側になるので、大抵窓は小さく、すりガラスになっていて視線は気にならない例が多いです。
土地の広さにもよりますが、可能な限り家自体を北側に寄せることができれば、南側にスペースを設けて、庭を作ることができ、リビングの日当たりを確保しながら、庭で遊んだりすることも可能になります。
南向きの土地の場合は、日当たりを重視するため、またリビングが南側にあるため、南側に庭を作る例が圧倒的に多いですが、庭の目の前が道路なので、庭で遊ぶことが難しくなります。
ここまで聞くと、日中家にいる頻度が低く、プライバシーを気にする人は、北側の角地以外でも十分良いということになります。
土地には正解がなく、他の商品同様に人気が高いものには高い価格が付くが、それが万人にとって良いものではないということを肝に銘じておきましょう。
特に分譲地内の土地選びというのは、その分譲地自体が気に入った立地であれば、あとはどの区画にするかを悩むだけになるので、土地探しの中ではかなり難易度が低くなります。
但し、営業の勧めるまま、もしくは世間一般の評価や常識などをもとに区画を選んでしまうと本来自分の生活スタイルに合っていない土地を高値で買う可能性もあるので十分に注意してください。
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