【騙されるな!】高気密高断熱住宅は「快適」ですが「お得」ではありません!

高気密高断熱住宅=光熱費が安い、かつ夏涼しく、冬暖かい。

これが一般的な理解だと思います。

しかし高気密高断熱住宅を購入することはお得で快適と理解するのは間違っています。

少なくともお得ではないです。

高断熱住宅にしようと思うと、断熱材の素材も考えて、厚みも増やさないといけないです。

特に壁断熱は、柱の間に断熱材を充填するので、柱の幅である90ミリか105ミリが厚みの限界値になります。もし厚みを増やそうと思うと、内側の室内の石膏ボード内側に断熱材を入れるか、外側の外壁の内側に断熱材を追加するしかないです。内側に設置すると室内が狭くなるので、ほとんどの例では、外側に追加しますが、設置に手間がかかり、施工できる業者も限られるので、追加料金はかなりかかります。では数百万円の追加料金を支払って、数十年で電気代の削減額でもとをとれるのでしょうか。

答えはほとんどの場合でNO!です。

よくハウスメーカーなどの宣伝や資料で、30年で光熱費1000万円節約できる等の謳い文句がありますが、このような数字っていくらでも設定変えれば操作できてしまうんですよ。

基本的に高気密高断熱住宅を売っているメーカーはたっぷり利益を乗っけた住宅を高く売りたいのですが、他のローコスト住宅との差別化をはかるには、光熱費で差がつくくらいしか売り文句がないわけです。

例えばローコスト住宅の価格というのは相場があります。やはり競合他社が多いので、同じような家が同じような価格で売り出されているので、ローコストはほとんどが相場で売られています。

しかしながら、高気密高断熱住宅は、差別化をはかっているため、他の家と違います。独自の仕様が多いため、似たような家を探すのが困難です。

例えば、ローコストが2500万円、高気密高断熱住宅が4000万円と聞いて、その差額の1500万円の内訳なんてないわけです。

極端な話、高気密高断熱住宅には別に500万円利益を上乗せされていても分からないわけです。様々な設備や断熱材などがてんこ盛りになっているため、それぞれの価格が分からないのです。

住宅会社によっては、ローコスト住宅に数百万円の設備や断熱材増強を行い、1000万円高く売るなどの常套手段で利益を荒稼ぎしている会社もあります。

話は戻りますが、30年で光熱費1000万円の差というのは、一般家庭ではあり得ないです。

これが想定しているのは、ほぼ無断熱の昔の家と、現在の高気密高断熱住宅でほぼ年中24時間絶え間なく全館でエアコンを使う環境です。

そもそもが、無断熱の家で24時間全館エアコンをするなんてあり得ないです。

真夏や真冬はほぼ間違いなくエアコンで冷やしたり暖めた空気がすぐに外に出ていくので全く無意味です。

こんな無意味な比較をして差が1000万円できると言われても非現実すぎて参考になりません。

比較するなら現在のローコストの新築と高気密高断熱住宅を比較すべきです。

でもこの比較って実際してみたら全然面白くないんですよ。

実際年間5万円ほどの差になるので、30年で150万円程度の差額になります。

しかも、ローコスト住宅に住むと光熱費を気にするので、エアコンの使用時間なども最小限になります。そうなると、快適性が多少犠牲になりますが、高気密高断熱住宅との差額は数万円になります。

これって人間の心理なのですが、高性能な家に住むと、全館を24時間冷暖房することが当然の家だからケチったらもったいないと思ってしまうわけですね。せっかく良いものを持っているのだから使わないともったいないという心理ですね。いくら性能が良くて、光熱費が安く済むと言っても、「同じ使用量の場合は」ということです。

つまり、ローコストに住んでいる人は、例えば冷暖房はリビングと寝室だけにして、人がいる時間だけ最小限に使っているとしましょう。しかし、高気密高断熱住宅にお住まいの方は、高性能な家なので、24時間全館冷暖房しているとしましょう。この場合、ほとんどのケースで毎月の光熱費は後者の方が高くなります。これは紛れもない事実ですが、高気密高断熱住宅の販売会社はこのことが施主に分からないように太陽光と蓄電池のセットを前提にしてきます。これらの力により創電分と蓄電分で、例え実際の使用量が増えても、支払額は大幅にダウンします。

正直ローコストを購入される方は予算が厳しい方が多いので太陽光や蓄電池を買うご家庭が少ないのですが、もし高気密高断熱住宅と全く同じ太陽光と蓄電池を搭載し、冷暖房の使用を最小限にすれば、24時間全館冷暖房の高気密高断熱住宅より間違いなく光熱費が安くなります。

つまり、これは究極の選択ですが、初期費用を何千万円も多く出して、高気密高断熱住宅を購入し、常に快適な空間を手に入れるか、数千万円節約して、ローコスト住宅で多少不快なことを我慢しながら暮らすかのどちらかになります。

こんなことを言ってはなんですが、日本人の多くの方が、今の新築ローコストより性能が格段に低い賃貸や古屋に住んでいますが、そこまで不快な暮らしをしているわけではないと思います。

これは完全に私の私見ですが、健康体で運動をしている基礎代謝の高い人間からすると、冬場の室内は、涼しい空間と暖かい空間が混在したほうが快適です。暖かい部屋にしばらくいて、トイレなどで、廊下に出て少し寒いくらいがちょうど心地よいです。夏場も常に冷房で冷やされた部屋よりも少し暑い部屋で扇風機にあたるほうが快適だったりします。

もちろん極端に寒がりな方やご高齢の方にとっては冬場の寒い空間は厳しいかもしれませんが、このような方々は、高いお金を払って新築一戸建てを検討するより、マンションの中部屋を選んだほうが良いかもしれません。上下左右を囲まれた部屋に住めば、冬場は周りが暖房で暖めるので無暖房でも部屋がかなり暖かくなります。つまり初期費用も安く、超高気密高断熱住宅に住めるわけです。

お金に余裕があれば、高気密高断熱住宅も良いですが、私のような庶民にはローコスト住宅で節約しながら、多少不快でも安く住めるほうがよっぽど満足度は高いです。

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