一軒家(戸建・新築)に住んで思うこと~理想と現実~

アパートなどの賃貸に住んでいる人の多くは、いつかは理想の一軒家に住みたいと夢見て、お金を貯めて狭くて古いアパートで暮らしていると思います。
そして、時が来て、実際の家づくりを始める人、気に入ったエリアで建売を買う人、広さと値段に惹かれ、中古住宅を買う人とまちまちです。
ほぼ間違いなく初めて家を買う人は、広さや間取り、設備やデザインなどを最も重視して家を決めます。今回立地の件は考慮しておりません。あくまで建物のことです。
そうすると賃貸と比べると明らかにグレードが上げるので、気分は高まり、よりよいグレードのキッチンを選んだり、おしゃれなドアやトイレなどの設備を選んだり、半地下収納や小屋裏部屋、スキップフロアや藏などの賃貸では実現できない間取りを選びがちです。このような設備や間取りにより多くのお金がかかり、家の性能は忘れ去られています。あなたが家に求めることは、家族が安心安全に快適に暮らせることだと思います。これらの要素って目には見えないですし、買う前は実感がないので忘れてしまいます。そして目に見える設備のグレードや家の外観や内装や間取りばかりに目が行くのです。新築を買った人の後悔ベスト3は1.夏暑い2.冬寒い3.窓が結露してかびる
だそうです。外観や内装や設備や間取りは全く出てきません。あなたがきっと賃貸で抱えている悩みがそのまま出ています。結局新築買っても、これらの悩みが解消しない人が大半です。
それは購入前に、断熱性・気密性という最も大事の1つの要素を見落としているからです。家を見学する時に、断熱性・気密性を気にする人はほぼ皆無です。「この床おしゃれですね。」「このキッチンのメーカーは?」「この部屋は何畳ですか?」「食洗機はありますか?」「収納はどれくらいありますか?」「トイレはタンクレスですか?」「床暖房はついていますか?」「テレビは壁掛けにできますか?」「オール電化ですか?」などの質問は多いですが、「断熱材は何を何ミリ使っていますか?」「窓はトリプルガラスですか?中のガスは?」「樹脂サッシですか?複合ですか?」「気密測定はしていますか?」「Ua値、C値はいくらですか?」などを購入前に気にする人はほとんどいません。大抵購入した後に住宅の知識が増え,このような快適性に最も寄与する要因が分かってくるのです。
はっきり言いますが、家は箱です。住宅購入時にどんなに粗悪な設備が入っていたり、壁のデザインが気に入らなかったり、間取りが気に入らなかったりしても、結構慣れればなんともないですし、設備などは更新の際に変えることができます。しかし、寒いのを解消しようとすると、大規模な断熱リフォームが必要になります。結局、箱の中身を変えるのは簡単ですが、箱自体に手を加えることはかなり費用がかかることを覚えておきましょう。なので、新築を買う時はいかに頑丈で断熱気密が出来ている箱を選びましょう。どんな地震がきてもビクともしない、魔法瓶のように保温できて、隙間が一切ない家にすれば、その箱は完璧です。具体的には、基礎をしっかりし、柱や梁などの構造体が長年劣化せず、しっかり構造的に作られていれば、その箱は頑丈です。そして外壁や屋根などが長年劣化しない素材にすれば、その箱をしっかり守ってくれます。さらに壁の中に厚みのある断熱材を隙間なく施工し、隙間ををなくせば、断熱性・気密性をしっかり確保できるので、魔法瓶のようにずっと冬は暖かく、夏は涼しい空間ができます。24時間冷暖房しても、電気代がかからないです。家を建てる時は、この箱の部分を最重視してください。次は内装の床や壁です。その後はキッチンや換気などの設備です。特に換気については,場合によっては配管を各部屋に通す大工事になるので,第一種換気を導入するなら,壁や床よりも優先順位が上です。最後にドアなどの建具です。
とにかく家は外側から内側に向かって考えていくべきです。最も優先順位が低いのは、日々使う設備となります。ローコストほど設備をアピールします。良い住宅会社の選び方は、その会社のパンフレットやチラシなどを見て、耐震性能、防水、断熱、気密などの住宅性能ばかり紹介していれば分かっている会社です。逆に、インテリアや設備面ばかり強調している会社は、全く理解できていない会社です。
あまり家の勉強していない方だと、設備面などに惹かれて、安いローコストで建てます。設備は10~15年でガタがきて、ローコストだと15年くらいで箱にもガタがきます。
良い住宅メーカーだと、設備がダメになる15年位の時にも、箱自体は全く劣化していないので、設備を更新すると再度新築のような暮らしができます。
最も重要な点ですが,耐震・防水・断熱・気密などは数十年経っても、大きく進化しないです。一度完璧なものを建てれば一生先端の性能で暮らせます。しかし設備は日進月歩です。数年経てば性能が古くなります。正直10年前の設備は、今とはくらべものにならないくらいちゃちいです。例えば、未使用品の5年前のキッチンとかは、半値とかで買えます。価値が急激に落ちます。しかし、耐震性能は5年前でもほぼ同じなので、価値は落ちないです。本当にいつまでも価値のある家を持ちたいなら、箱に拘ってください。

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