節約には下限があります。
究極0円になればこれ以上節約はできません。
一般的な節約というのは、毎月の生活費30万円を25万円にするなど、現状を改善することに重きが置かれます。
これは、現状の生活を維持しながら、以下に水準を落とさずに節約するかを前提にしているためですが、大きな効果はないですし、正直抜本的な改善にはなりません。
節約において目標金額を決めることはナンセンスだと思っています。
勉強なども含めて何事もそうですが、目標なんてやってみないと分かりません。
現状の30万円が切り詰めて達成している金額ならば、これ以上の節約はできませんし、かなり無駄だらけなら15万円くらいまで下げられるかもしれません。
学生でも良くありがちですが、最初に1日の勉強時間を決めたり、勉強の量を~ページまでやるなど決めることがあります。やはり始めるにあたり、目標があった方が達成感がありますし、ゴールがないとやる気ができません。仮のゴールを適当に作って始めるのはありだと思います。勉強なら、今日は5時間くらいするかな?くらいに。結果、あまり集中力が続かず2時間で終わったからと言って、5時間に縛られて残りの3時間を無理やりやる必要はないです。
節約も全く同じです。別にゴールもなければ、スタートもありません。今の生活で無駄がないか日々意識して、無駄を減らして、減らして、これ以上減らせないところまで来たらひとまず完了です。人によって極限は違うでしょう。こればっかりはやってみないと分かりません。人によって極限が違うということは、目標など立てようがないということです。
これは寿命にも似ています。寿命も人によって違います。今の時点で、余命があと何年か分かっていれば、色々と計算しやすいのですが、目標なんて立てようがないです。例えば、目標100歳まで生きるから、そのために~をしようと計画しても明日死ぬかもしれません。
節約も「目指せ10万円節約」と言っても、明日になれば、状況が一変するかもしれません。人生を変えるような趣味ができるかもしれませんし、子供が増えるかもしれませんし、そもそもの節約の目的がなくなるかもしれません。
そもそもの概念としてですが、今を我慢することも10年後を我慢することも同じ話です。
今ほしいものにたくさんお金を使えば将来ほしいものが買えないのです。人生前半40年我慢して、残りの人生60年を謳歌しようと考えていても、人生は41年で終わるかもしれません。そうすると59年分の蓄えはすべて遺産になります。
前半40年を借金をして、有意義に過ごしていて、41歳で亡くなれば、借金が残ります。遺族がいても放棄すれば支障はないですし、残りの人生は返済に追われて過ごすのも本人の自由です。
節約って正義や善のような風潮があり、借金は悪のような風潮がありますが、人生それぞれにはステージがあり、その時々で必要なものがあり、それを手に入れないと人生の質が大きく低下します。
分かりやすい例を出しましょう。
共働きの30歳夫婦がおり、小さな子供が2人いる4人家族がいます。
今家賃を節約するために、2LDKの家賃の安い賃貸に住んでおり、節約のために軽自動車に乗っています。そして将来の養育費・教育費や老後資金のためにとせっせと節約をしています。ほしいものも我慢、狭い家や車で毎日不便しながらも貯金ができていると思い我慢をしています。
そして子供も巣立ち、55歳で貯金は1億円になりました。
この夫婦は25年間を振り返り、きっと後悔するでしょう。今後の余生で1億の使い道などない。子育ての大切な期間に、もっと計画的にお金を使うべきだった。自分たちの好きな家を建てて、大きな車に乗れば、子育ても楽だったし、もっとほしいものを買って趣味を増やせばよかったと・・・・
この25年は、夫婦にとって最も大切な時間にもなりえる重要な期間です。子供の成長にとっても重要でしょう。
この夫婦は我慢の末に1億円の資産があり、余生は安泰ですが、我慢から生じるストレスで寿命を削っているので早死するリスクも高まっていますし、子供が巣立った後の余生で浪費することほど寂しいことはないです。
もし仮に、この家族が30歳の時点で4000万円の住宅ローンを組み、大きな車も買ったとしましょう。さらに、色々とやりたいことにお金を使い、借金を抱えながらも、必要な限り無駄なことを省き節約に心がけ、55歳を貯金5000万円で迎えたとしましょう。
確かに若い頃は住宅ローンなどで借金をして、支出も多くなるでしょう。
しかし、我慢も少なく有意義な25年間を過ごせたとすれば、どっちがいいか明白ではないですか。別に贅沢しなければ貯金が5000万円あれば十分です。
少し極端な例かもしれないですが、今の日本には、このような夫婦がわんさかいます。
日々無理して働いて、若いころから節約を正義として貯金に励むのです。
もしかしたら早期退職して、早めに引退することや、とにかく子供にたくさんお金をかけたいとか、老後は贅沢をしたいとか色々考えてるのかもしれないですが、今も同じかそれ以上に大切にしてください。
今の幸せは思い出として生涯に良い影響を与えます。しかし、人生最後の日の幸せは、その1日にしか影響を与えません。
若いころの幸せは、余生に影響を与えます。そう考えるとできるだけ若いうちに沢山楽しいことをしたほうが、人生幸せだと思いませんか。
つまり究極の節約術とは、最大限の幸せを追求したうえで、今できる無駄を省くことです。
幸せを犠牲にする節約は害ですし、無意味な目標を立てて、無駄の余地を残す節約も論外です。
日々自分の生活を見渡し、幸せに影響を与えない無駄を見つけては、なくしていく!
これがすべてです。結果の節約額は後からついてきます。まずは、小さなことでもいいので無駄を見つけてなくしてください。
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