高気密高断熱住宅の罠

1-6.断熱性能・気密性能関係

最近流行りですよね。ローコストメーカーも高気密高断熱と謳っていますし、大手ハウスメーカーの中には、家の性能を重視し、かなり高い価格で高性能住宅を売っているメーカーもあります。

皆さんは、3000万円払って、高気密高断熱の住宅を買いますか?もしくは2000万円のローコストのある程度の高気密高断熱住宅を買いますか?

今の日本では,完全に2極化しており,お金がある人は、こぞって3000万円の家を買っているようです。

この理由は、ずばりお得だと思っているようです。だって、購入時に1000万円ちがっても、50年間の光熱費や修繕費の差額が1500万円くらいになるから、500万円もお得だもんって言います。

この論点は住宅メーカーの営業の人が大好きなんです。

高性能な家を買えば、購入時は1000万円高くなりますが,50年間で1500万円も光熱費などの維持費を節約できるんで,500万円お得ですよって言います。

さて、経済学に詳しい人ならこの説明に抜け落ちている最大の問題に気付きますよね?

そう!現在価値の理解です。

今日の1000万円と50年後の1000万円の価値って全くちがいます。

あなたが、今1000万円高い家を買えば、使えるはずであった1000万円をつかえなくなるってことなんです。例えば、この1000万円を50年間年利1%で投資したら、いくらになると思いますか?税金を除いても1600万円くらいにはなります。そうです。600万円もふえるんです。実際は、50年固定で預ければ、安全に1%以上の利回りで運用することも可能です。

正直30年後にかかる1万円の光熱費は今日の8000円くらいの価値なんです。

太陽光とかでもそうですよ。10年でもとがとれるとかいいますが、10年後の10万円は今日の価値に直すと、もっと安いですから。

特に住宅でローンを組む人は、金利もかかります。

ローン減税を適用できる人は戻ってくるお金も増えますが,最初の10~13年の話で、その後は、1%以上の金利が、余分の1000万円分に毎年かかってきますから大変です。

しかも節約できる光熱費って住宅メーカーが都合よく算出したもので、実際は、高気密高断熱にしたからって劇的に変わるものではないです。

というのも、想定してる使い方が異常です。全館床暖房をつけたり、ルームエアコンを24時間1階、2階で稼働させ、夏と冬ずっと冷暖房をつけるとかですよ。

そりゃそこまですれば、ローコストの住宅では、電気代が跳ね上がりますよ。

みなさん、本当にそんな使い方します?

別に使ってない部屋は閉めとけばいいですし、廊下やトイレぐらい暑さ寒さを我慢しましょうよ。

逆に高気密高断熱で全館床暖房の家なんて買うと、せっかくの設備だからって、特に必要ないのに全部つけるんですから、結果的に電気代かかっちゃうんですよ。

例えば、ローコストの家で、人がいる部屋だけ、必要な時間にエアコンつけておけば、月の電気代が年平均で15000円くらいとかですよ。

それが、高気密高断熱は、24時間つけっぱなしにしていると年平均20000円かかったりするんです。

あれ?逆に電気代高いじゃんって思うでしょ。もしローコストで24時間全館床暖房したら多分40000円くらいしますよ。

これで年間20万円くらい差が出て、50年で1000万円の差がでますって言いますが、みんな、全館床暖使わないでしょ?

しかも、高気密高断熱の家は決まって、太陽光をつけます。この売電や自家消費のおかげで月の電気代が8000円とかになるんで、みんなが混乱するんですよ。24時間エアコンつけっぱでも、ローコストより電気代が安いと。それは太陽光のおかげで、いくら高気密・高断熱住宅でもそこまで安くはならないですよ。

このへんを理解したうえで、高気密高断熱の住宅メーカーの利益のたっぷりのった、オプションだらけの高額住宅を購入すべきか否かよ~く検討してください。

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