擁壁って言葉を聞いてイメージ湧きますか?
よく高い所に建っている建物の下にコンクリートの斜面があったりしますが、それを擁壁と言います。よく道路の側面などにあったりもしますが、皆さん気にせずに過ごしていると思います。
日本の地形では、平坦なほうがむしろ珍しいほど、起伏が激しい土地が多いです。分譲地などでは、大規模な工事で地面をすべてならして、平坦にするので、擁壁など存在しないケースが
多いですが、2m以上の崖などは、さすがにならすことが困難で、崖部分をコンクリートで固定して崩れないようにします。
擁壁で厄介な例が中古住宅の購入で、2m以上の擁壁の上に中古住宅が建っている場合は、擁壁がネックになり工事費だけで1000万円以上かかることもあります。
たまに結構良質な中古住宅が数百万円で売っていますが、擁壁に訳ありな例が多いです。
中古住宅の価格は土地代+建物代となっており,土地代がマイナスになっている例があります。
本来の価値が1000万円の土地でも、擁壁の修繕に1500万円かかることが想定されれば、土地代がー500万円になります。建物代の査定が数百万円の建物にー500万円の土地が加われば、総額は、マイナスになりますが、擁壁の罠に気付かない素人の方が上等な建物が500万円とかで売り出されていたら、飛びついて買う例があります。
このような中古住宅は、所有者も将来多額の擁壁修繕費用がかかることが分かっているため
少しでも早く手放したいと思っています。
買う側は、擁壁のことについて詳しく話を聞かず、お得だと思って飛びつきます。
擁壁の問題は、買った瞬間やその後10年間とかは問題がない例がありますが、時間が経つと内部で劣化が進んでいて、ひびなどが入り表面化する例や内部で水が溜まり、地盤が緩くなり、家が傾いたりすることがあります。そうなると、建物を取り壊すか、擁壁の修繕が必要ですが、修繕費が1500万円とか言われ、騙されたことに気付きます。
問題が表面化しなくても、将来古くなった中古住宅を建て替えようとした時に、下の擁壁に修繕が必要なことが分かり、1000万円以上費用がかかることでビックリ仰天することもあります。
相場より安く、擁壁の上にある物件ならば、ほぼ間違いなく擁壁で損をすることになることを
認識しましょう。
基本擁壁の管理は、その擁壁の上の土地を所有する者がするものですが、稀に擁壁の下を所有する者が折半する場合もあります。
擁壁の下の土地を購入する場合も、擁壁への責任問題がないか確認しておきましょう。
そもそも安全基準を満たしていない擁壁は、修繕の費用以前に危険です。
擁壁下の家は、万が一擁壁が壊れ、上の家が落ちてくれば下敷きになります。古い擁壁の下の家も安全上危険なので避けることが無難です。2m以上の擁壁は見た目ですぐに分かるので良いですが、数十センチの小規模な擁壁が基礎の下にある場合も珍しくありません。日本の土地は本当に起伏が激しいので、緩やかな坂の上に建つ家などでは、擁壁がある場合も珍しくありません。
理想は、平らな土地ですが、擁壁がある場合も、その負担分以上に価格が安くなっているなら逆にお得な場合もあるので慎重に選びましょう。
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