ついに両者が本気を出してきましたね。低価格でそこそこの高性能が売りのタマホームと家は性能と謳う一条工務店の方向性が似通ってきています。
この記事では、両者の性能と価格の比較をして、どちらがコスパが良いか検証してみます。
タマホーム えがおの家
まずはえがおの家の基本スペック
引用:https://www.tamahome.jp/egao/
正直、この性能を見たとき度肝を抜かれました。ローコストとして分類されるタマホームが業界最高水準の家を提案してきたからです。正直全国に知れ渡る大手ハウスメーカー・工務店でこの水準の家を実現しているのは一条工務店以外に知りません。
この商品が出るまでは、高気密高断熱の家を建てるなら一条工務店一択でした。
引用:https://www.tamahome.jp/egao/
この性能になってくると、ダブル断熱は当たり前のように使われますね。壁についてですが、一般的な住宅では、柱の太さ分だけ内側に105ミリの断熱材を充填するのみですが、この家は、外側の外壁の内側にも付加断熱を75ミリ追加しております。つまり180ミリの厚みで断熱するわけです。そして基礎もダブル断熱で、窓はもちろん樹脂トリプルです。このくらいの性能になってくると玄関が弱点になりますが、しっかり玄関も高断熱となっております。
また太陽光もついており、耐震等級3もクリアしていることから、家の性能に関しては、現時点で最高性能と考えて差し支えないでしょう。
一条工務店 断熱王
名前がすごいインパクトありますよね。どうも詳しく調べたところ、この商品は既存のアイ・スマートという一条工務店の主力商品の玄関ドア、玄関土間を強化したプランになるようです。
出所:https://www.ichijo.co.jp/lp/dannetsuou/
出所:https://www.ichijo.co.jp/technology/element/urethane/
出所:https://www.ichijo.co.jp/lp/dannetsuou/
アイ・スマートは一条工務店の高気密高断熱の代表商品で主力商品でもあります。しかしこの商品の断熱性能を示すUa値は0.25となっており、タマホームのえがおの家のUa値0.23より劣っているんですよ。Ua値は熱の移動する量を示すので、小さいほど断熱性能が高く、夏は内の涼しい冷気を保ち、冬は内の暖かい空気を保つ能力が高いことを示しています。
実は、今回のこの2つの商品、ほぼ同じ時期に発表されているのですが、ほぼ間違いなく一条工務店がタマホームに対抗するために開発していると考えられます。
つまり、2023年4月1日にタマホームがえがおの家を発表した時点で、今まで業界一の断熱性能を誇っていた一条工務店のアイ・スマートはUa値で劣ることになります。家は性能を売りにしている一条工務店が断熱性能で負けることは許されることではありません!そこで急遽新商品を開発して、2023年5月9日に一条工務店が断熱王を発表したのです。結局断熱王は名称こそ新商品ですが、アイ・スマートの玄関ドアと玄関土間だけ高断熱化した商品になりますので、アイ・スマートとそこまでの大きな違いはありません。推定ですが、一条工務店のダンジュという玄関ドアがかなりの高性能のようですので、Ua値は0.20付近まで上がるようで、ギリギリえがおの家の断熱性能を上回りそうです。
ひと昔前の軽自動車の燃費競争を思い出しますね。
多分ですが、タマホームが対抗して、一部仕様を変えて、高断熱化したら、断熱王を上回る可能性もあります。
結論、断熱性能に関しては、どちらも似たり寄ったりということでしょう。
では、価格はどちらが安いでしょうか!?
断熱王は現時点で、アイ・スマートへのオプション扱いのようなので、アイ・スマートの坪単価×坪数の合計金額に50万円ほど上乗せした価格になるのではないかと思います。
つまりアイ・スマートの坪単価が80万円程度なので、35坪の家を仮定すると、凡そ2850万円となります。
対してえがおの家は、35坪で坪単価82.9万円となっているので、凡そ2900万円となります。
結論、どちらも似たり寄ったりというところでしょうか。
一見タマホームのほうが高いですが、一条工務店と比べタマホームは値引き幅が大きいので、支払総額はタマホームのほうが安くなる可能性はあります。しかしながら一条工務店は太陽光と蓄電池を格安で販売しているので、その点では軍配が上がります。
結論
・えがおの家と断熱王の断熱性能・価格はほぼ同じ
・値引きを狙うならえがおの家のほうが安く買える可能性あり
・太陽光・蓄電池の導入に重きを置くなら、自社製品の断熱王のほうが安い可能性が高い
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