新築購入マニュアル① 業者選び



人生で一番大きな買い物、ずばり住宅購入です。

今回は新築の注文住宅を購入する時の注意点をお伝えしていきます。

住宅は購入者の8割が後悔するといわれています。

購入前と購入後で比較し、最も落胆する可能性が高いのが住宅です。

理由は、求められる知識量の多さと、だましてくる業者が多すぎることです。

本来素人が理解できる領域ではないので、異常な金額で販売されています。

しかし、みんなが買っている。大手業者はCMでも良く見るし信用できるから、言われた

とおりに進めば間違いないという誤った認識が大きな後悔につながります。

もし、あなたが、パソコンに詳しければ、パソコンを買うときに何に注意しますか?

パソコンは非常に分かりやすいです。CPU、メモリ、HDDの容量、ディスプレイの性能、どのような周辺機器が入っているか、どのようなソフトウェアが入っているかなどを比較すればいいです。

そして消費者は、製品ごとの性能を比べ、納得できる価格と性能のものを購入するでしょう。

では住宅はどうでしょう?

何で比較しますか?そもそも同じ性能の家が2つとないので、価格の比較ができないですよね。確かに住宅メーカーなどは標準仕様の家の性能を記していますが、実際全く違う性能の家ばかりですし、パソコンと違って、どんなに企画された住宅でも、違う土地に違う大工さんが建てるので、出来上がった2つの家は、仕様は同じでも異なった家です。

そして土地代も含めれば価格が異なるのが、一般的です。

この時点で、素人の方はもう訳が分からなくなります。

結局良く分からないし、大手の住宅メーカー訪問して、営業さんのお勧めの仕様で、それに合った土地を探してもらい、200万円ほど値引いてもらえば、大満足で契約する人が大半でしょう。言っておきますが、値引きはほぼ全員に行っていて、値引き分も含めて住宅の定価が決まっていますので、値引き後の金額が適正価格です。全然お得ではないです。それだけ定価の時点で利益がのっかっています。

大抵の場合、初めて住宅を購入する人は、家の広さや見た目、設備の充実さなどに注目します。例えば、食洗機がついているとか、広い洗面台とか、タンクレスのトイレとか、広い玄関収納とか、正直購入後でも取替可能なものばかりです。

そして、ほとんどの人は、耐震性、耐久性、断熱・気密性などの目に見えない部分は全く気にしません。これを見逃すと、ローコストとハイコストの家の違いが分からなくなります。

目の前に全く見た目同じの家が2つあり、片方は2000万円、もう片方は3000万円だとしましょう。世の中の大半の方は2000万円を選びます。だって見た目も同じで、中にある設備も同じで1000万円やすいんだからと思うはずです。

この選択に正解はありません、世の中全く同じなのに1000万円たかく売っている家もあるので、むしろローコストは良心的かもしれません。

ではこの1000万円の違いはどこから生じているのでしょうか。

大抵は、基礎の強度や柱の数、断熱材の厚みや気密施工の厳密さ、外壁や屋根や窓の素材などに違いがあります。

これらは住んだ後に気付くことが多いです。

大抵憧れの新築に暮らし始めて、後悔することTOP3は、冬寒い、夏暑い、窓の結露がひどいの3つです。そして、新築を30年以内で手放す人が多数いますが、理由は、雨漏れなどで家が傷んで修繕費が多額なので建て替える、地震などで家が壊れたり傾いて修繕できない、シロアリ被害、家が経年劣化で傷んで、長く住めないなどです。

高ければ絶対に良いというわけでは決していないですが、いい家をローコストで建てることは不可能です。

例えば、理想の家を簡単に述べます。

まず屋根は上質な陶器瓦、外壁はメンテフリーなタイル、基礎はべた基礎で基礎内断熱にして、換気をしっかりする、断熱材は最大限の厚みにして、断熱等級G3(Ua値0.2程度)、高気密(家に隙間を作らない)、第一種換気、家の柱などの躯体は頑丈かつ防蟻対策済。

このへんをしっかりしていれば、住宅価格は3000万円くらいはするはずです。

少なくとも、このレベルを検討している住宅メーカー等に伝え、実現可能というなら見積を取ってください。そして、実際の施工事例を聞いて、可能ならばモデルルームなどを確認してみてください。

一見1000万円も高かったら損すると思うかもしれないですが、30歳で家を買えば、場合によっては70年以上住むことになります。年間14万円程度、月に直すと1万円程度の違いです。正直光熱費で、月平均1万円程度の差が出る可能性も十分ありますし、30年で建て替えれば、簡単に逆転できます。

購入時にローコストを選ぶのが良い人は30年以内に引っ越す予定の人ぐらいですかね?でも30年で見ても3000万円の家のほうがお得と私は思います。なぜなら30年間の光熱費の違いで300万円位差がつく可能性がありますし、屋根や外壁などのメンテで200万円は違います。

さらに30年間の快適性も異なりますし、30年後に住まなくなって売却する時に、3000万円の家のほうが圧倒的に綺麗な状態なはずですので、高く売れます。2000万円の家は、査定0円、3000万円の家は査定800万円程度になる可能性が高いです。

これなら3000万円の家に30年住んだほうが、あらゆる面でお得です。

この基準で住宅会社を選んでください。

ちなみに住宅購入と服の購入は非常によく似ています。

私は最高級の1枚3000円の白いシャツ、ユニクロの1000円の白いシャツ、100円ショップの白いシャツの3つを着たことがあります。100円は1か月で破れました。ユニクロは3年ほど来たら、ゴムがゆるんで使い物にならなくなりました。

3000円のシャツは15年着ても、まだまだ現役です。

購入時の見た目は全く同じでした。もし100円のシャツを毎月買えば、年間1200円、15年で18000円かかります。ユニクロでも3年毎に1000円払えば、15年で5000円かかります。

結局15年後に振り返れば、3000円のシャツが一番お得になります。

もし、このシャツを1か月しか着ないのであれば、100円が一番お得になります。

なぜなら、3000円のシャツは1か月後一生使用しないので、大損になるからです。

家なら答えは明らかですね。できるだけ長く住みたい方がほとんどだと思います。そんな時に敢えてローコストを選ぶ理由は0です。



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