Maybe 日本人は中古住宅のこと、知らなすぎるよ~教えてあげましょう!
日本人には新築信仰が強すぎます。テレビやマスコミ、Youtube、SNSどれをとっても、新築押しばかり。中古を買うのはあまりに少数派で、あまり良いイメージを持たれていないです。
世間の反応~新築の場合~
実を最近家建てたんです。
いいですね~憧れます。
世間の反応~中古の場合~
近場で良い中古住宅あったので買ったんです。
あ、そうなんですね。(なんでこの人新築買わないんだろう)
中古の方が圧倒的に反応薄いですし、聞いた人はほとんどの方が、なんで新築じゃなくて中古なんだろうと心の中で思っているはずです。結局世間一般の常識では、家を買う=新築を買うもしくは建てるということを意味しており、中古住宅を買うということは、一般的ではないと捉えられます。特に地方に行くと、この傾向は顕著で、新築購入者が圧倒的に多いので、中古はあまり売れません。
また中古の相場というのは以下のとおり決まっているのですが、
出所:https://sumai-step.com/column/article/8010/
驚くことに、築10年で既に半値以下に落ちるわけです。
この事実だけで驚きですよね。一般の方はほとんど知らないと思います。
例えば3000万円の家を買って、35年ローンを組めば、10年目の残債は2300万円程度あると思います。しかし、家の相場は既に1500万円以下ということになります。恐ろしいことですが、新築買って、10年間一生懸命ローンを返しても、10年目で800万円程度の赤字というわけです。
新築に10年住んだ人と、その時点で同じ家を中古で買った人の間では800万円も差ができるわけです。むしろ800万円得できると言ったほうがいいでしょうか。
何か事情があって、築10年で売りに出せば、800万円赤字でどなたかに譲ることになります。買う側は新築で買うよりもずっとお得なわけですから、中古は良いというわけです。
これが中古住宅が良いと言われる最大の理由です。また、もっと素晴らしいことは、新築時に高価格な家ほどさらに値下がりが激しいということです。
車でも言えますが、新車の時につけるオプションって中古だとあまり評価されないんですね。例えば高級なシートをオプションで座席につけていても、中古でしたら気持ち1万円上乗せされる程度でしょう。新車時に20万円かけたオプションでも中古なら1万円の価値にもならないのです。
家も同じで新築時に数百万円かけて断熱性能を上げても、中古市場では断熱性能を評価する相場がないので、気持ち少し値段が上がる程度です。新築時に太陽光、蓄電池つけて、床は高級な無垢床にして、水回りもすべて最高級にしても、築10年では、他のローコストの建売の中古と大きく大差がつきません。例えば新築時に2000万円のローコストと4000万円の大手ハウスメーカーの高級住宅があり、10年後に売りに出せば、前者が1000万円、後者は1500万円程度になるでしょう。前者が50%の値下がりに対して後者は63%程度値下がりしています。絶対的な金額で見ても、前者は1000万円しか安くなっていないのに、後者は2500万円も下がっているわけです。新築時にオプションもりもりの住宅ほど、中古では、それらが評価されないので逆にお得になるわけです。
もう答えがお分かりかもしれませんが、そうなんです。値下がりが激しく、かつ比較的新しい築10~15年程度の中古住宅を狙うのがお勧めです。築15年の時点で既に新築時の25%程度まで価格が落ちることになるのです。そこから先はゆるやかな値下げになるので、お得感が薄れてくるのです。さらに新築時に高性能な住宅になればなるほど値下がり率も絶対的な値下がり額も大きくなるので、大手ハウスメーカーなどの高性能で設備なども豪華な高級住宅の中古を手に入れるのが最もお得になるのです。新築時では手が出せないような大手ハウスメーカーの上級グレードも、築10年を過ぎれば、新築ローコストよりも安くなります。
10年過ぎても高品質な商品というのは、品質を維持します。逆に低品質な商品というのは、新築時は綺麗でも、数年すればすぐに傷んできます。
私は住宅街などで色々な家を見ていますが、ローコストの家は決まって、築数年と思われるような綺麗な家でも外壁の塗装が一部剥がれていたり、藻が張って外壁が緑色になったりしています。室内も窓付近がかびていたり、どことなく家全体がかびくさいということもよくあります。
逆に高品質な家というのは、築10年でも新築時と大差なく劣化がほとんど見られません。外装、内装ともに綺麗なので驚くばかりです。
ほとんどの方が築3年のローコストより築13年の上級グレードの住宅のほうが見た目も中身も良いと答えるはずです。正直耐震性能、断熱性能、各設備や建具のグレードなども新築ローコストより築10年の高級グレードのほうが上です。購入後住める年数も上です。
家に限らず、なんでもそうですが、品質の良いものは年数が経ってもあまり劣化しません。メンテをしっかりすれば、いつまでも使えるもの=一生ものな例が多いです。逆に安物は、新品の時は良いが、すぐに劣化したり壊れたりします。家も全く同じで、ローコスト住宅は極限まで無駄を省いた家であり、ここで言う無駄とは、新築販売時に購入者が気にしない、分からないところへの投資や、購入後10年間の保証期間内にトラブルが発生しない造りにすること以上への投資ということになります。
販売者の利益を最大化するために、販売価格を上げることはできません。相場があるので高いと売れなくなるからです。では、どうするか?建築費を下げることになります。例えば釘の本数を最小限にしたり、柱の数を減らしたり、断熱材を薄く、安い素材にしたり、床材も最安値にして、見た目だけ頑張って高級感出したり、屋根や外壁なども耐用年数が短く、メンテ必須だが安いものにしたりと、努力してコストを下げるというわけです。
もちろん購入時は目に見えないですし、10年程度では大きな劣化や故障は出ないでしょう。でも30年以上経過したりすると明らかに高品質な家との違いが明確に出てきます。
築30年強の大手ハウスメーカー上位グレードだと以下のような感じです。(リフォームなし)
これがローコストの築30年強になると、
のようにかなり違いが出てきます。
高品質な家は古さはあっても劣化が少ないことが見て取れると思います。床も傷みがなく綺麗です。それとは逆にローコストの場合は、カビが多く発生しており、劣化がひどいです。一目で見てもローコストは状態が良くないことが分かります。
結論として、予算の問題で、新築の上位グレードは難しいが、新築のローコスト住宅なら買えるくらいの予算であれば、上位グレードの築浅中古を買ったほうがコスパも満足度も高くなることは明確だ。多くの方が、予算の問題で、上位グレードを諦め、中古という選択肢を除外して、ローコストを選んでいることが非常に嘆かわしいです。
この記事を読まれて、築浅の上位グレードの中古住宅に興味を持たれましたら以下の記事もご覧いただき、知識を深めていただけますと嬉しいです。
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